平成16年度あしたのまち・くらしづくり全国フォーラムの内容
決議・申し合わせ
平成16年度あしたのくらし・ふるさとづくり全国フォーラム決議
 私たち「生活学校・生活会議・ふるさとづくり運動」に取り組むメンバーは、安全で安心して暮せる真に住みよい地域社会をつくっていくために半世紀近くにわたって全国各地で活動を続けてきました。最近の活動では、子育て支援や高齢者を地域で支える活動をはじめ、食品の安全性の確保、地震・水害の防止や犯罪等の抑止を目指す安全なコミュニティづくり、地球にやさしいライフスタイルの確立、互いに支え合う真に豊かな地域社会づくりなどに取り組んでいます。こうした活動を通じて、私たちは多くの課題の解決や暮しの向上に努めてまいりました。
 しかし、現在、地域社会は、少子高齢化をはじめ度重なる災害の発生、治安の悪化、地場産業の衰退など極めて厳しい状況におかれています。こうした状況から脱け出すためには、私たち地域住民自身が自ら積極的に活動していくことが極めて大切です。私たちは、こうした観点から、安全で安心でき真に豊かな社会をつくっていくために具体的にどのような活動をしていくべきかについて討議することを目的に、全国各地から550人が参加して、「あしたのくらし・ふるさとづくり全国フォーラム」を開催しました。
 このフォーラムでは、「子育て支援」「シニアの地域活動への参加」「安全な食品の確保」「循環型社会の形成」「地域活動のあり方」「子育て・親育てのコミュニティ戦略」「ふるさとづくり運動の進め方」の7分科会を開き、また、全体会では「これからどうするコミュニティ」をテーマに討議を重ねました。
 その結果、私たちを取り巻く社会的環境等は、経済や社会の構造的な変革期に直面して極めて厳しい状況にあり、これに対応していくためには非常に多くの課題があることを再認識しました。私たちは、今後とも、地域の様々な人々や団体、行政などと連携しつつ、地域の底力を発揮して、「生活学校・生活会議・ふるさとづくり運動」のなお一層の推進を図っていくことにより、安全で安心でき真に豊かな社会をつくるために、さらに努力を傾けていこうと決意を新たにしました。
 私たちは、2日間にわたる討議を集約し、次のような決議を採択しました。私たちもこれらの課題解決のためにさらに自ら努力するとともに、決議実現のために関係各省庁、地方自治体、各企業、関係団体と、これまで以上に意思疎通を図り、連携して活動を進めていく所存ですので、なお一層のご理解、ご協力とご尽力を切望いたします。

第1分科会・少子化に対応する地域活動―生活学校は、子育て評価隊? それとも子育て応援隊?―
1. 国は、社会・経済の持続可能性を揺るがしかねない少子化問題の危機感が社会で共有されていない現状に鑑み、子どもが健全に育つ社会、子どもを生み育てることに喜びを感じることができる社会を構築するために、さらなる子育て支援施策を講じること。

2. 地方自治体・企業は、次世代育成支援対策推進法に基づく次世代育成の行動計画について速やかな実行とさらなる子育て支援体制の充実に努めること。

第2分科会・シニアの知識や能力等を地域に活かす
1. 長い人生の中で知識や経験、技術などをたくわえてきたシニアが、地域活動を通して、住み良い地域社会づくりに貢献することが求められている。しかし、市区町村内の地域活動に関する情報不足や的確な情報伝達等が不十分なため参加は促進されていない。市区町村は、広く地域団体と連携して、シニアの地域活動への参加が促進されるように対策を講じること。

第3分科会・安全な食品を確保する地域活動―地産地消の推進を中心に―
1. 消費者の基本的権利である食の安全性を確保するために、国・地方自治体は、BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザ、コイヘルペスなど、動物の感染症防止を徹底し、食品の安全管理体制の充実・強化を図ること。

2. 食の安全・安心を確保するために、国・地方自治体はより迅速な情報の提供と、徹底した情報の開示に努めること。

3. 国・地方自治体は安全な農産物の生産振興と、学校給食で地場産食材の活用を図るなど、地産地消を進めるとともに、食農教育に力を入れること。

第4分科会・循環型社会形成のためのしくみづくり
1. 地球温暖化防止を世界的な枠組みですすめる京都議定書が、来年2月に発効することが確実になり、わが国においても循環型社会の形成をより一層本格化させることが求められている。
 そのためには循環型社会形成推進基本法及び同法に基づく各種リサイクル法において拡大生産者責任を明確にし、リサイクルよりもリデュース、リユースが優先的にすすめられるよう法改正を含めた諸制度の整備と財政的な措置を図ること。

2. 使い捨て社会の象徴として、小売店におけるレジ袋の「無料配付」の問題を捉え、ごみの発生抑制を優先的にすすめる具対策として、容器包装リサイクル法によるレジ袋の再商品化委託料を大幅に引き上げ、結果として国民の買い物袋持参行動が格段に進展するよう必要な措置を図ること。

第5分科会・これからの地域活動のあり方
1. 多様化する今日の社会の中にあって、住民による地域活動の重要性は高まる一方である。行政は、財政的支援や情報の提供など、住民の地域活動をより積極的に推進する支援策を講ずること。

第6分科会・子育て・親育てのコミュニティ戦略―小学生、中学生、高校生、そして大学生の青少年を―
1. 現在、親たちは子育てに関する必要な知識や技術を欠いている。このため健全な子育てを行うには、親たちの再教育が極めて重要である。その成果を上げるために、とくに関係行政機関は、子どもたちが通学する学校を通じて、親の再教育に積極的に取り組むこと。

2. 国・地方公共団体は、若い人たちの間に豊かさにおぼれる風潮があることを考え、人間としての自覚を求め、真に生活力のある人づくりを行うため、高校生を中心に開発途上国に派遣する施策を講ずること。

3. 国・地方公共団体は、子どもたちに生活習慣病が増大している現状を踏まえ、小・中学生の血液検査を実施し、子どもたちの生活習慣病の早期発見に努め、学校を通じて家庭の食の改善を働きかけること。

 以上、決議します。

平成16年11月10日
平成16年度あしたのくらし・ふるさとづくり全国フォーラム参加者一同


平成16年度あしたのくらし・ふるさとづくり全国フォーラム申し合わせ
第1分科会・少子化に対応する地域活動―生活学校は、子育て評価隊? それとも子育て応援隊?―
1. 私たちは、今年度実施した「少子化に対応する地域活動アンケート調査」によってつながりのできた子育て中の親の要望を検討し、現在の子育てを評価するのではなく、よきアドバイスをし応援する「場」をつくるなどして少しでも子育ての不安感を軽減できるよう、地域活動の力を活かしましょう。

2. 私たちは、健康な子どもを生むために若い人への食育活動を進め、また妊産婦検診などのさらなる充実を行政・医師会に働きかけましょう。

第2分科会・シニアの知識や能力等を地域に活かす
1. 私たちは、シニアがたくわえてきた豊かな知識、経験や技術等を地域で活かすことができるように、地域活動団体の情報提供や参加のきっかけづくりなどを行い、シニアの人たちが積極的に地域活動へ参加できる条件を整えていきましょう。

2. 私たちは、地域活動に参加を希望しているシニアの人たちが、どのような活動内容やその参加の仕方を望んでいるか、ニーズの把握につとめましょう。

第3分科会・安全な食品を確保する地域活動―地産地消の推進を中心に―
1. 私たちは、安全な食品を確保するために行政、生産者、流通業者と話し合う活動を積極的に進めましょう。

2. 私たちは、行政や生産者に安全な農産物の生産を求めるとともに、学校給食で地場産の食材の活用を働きかけていきましょう。

第4分科会・循環型社会形成のためのしくみづくり
1. 私たちは、循環型社会を形成するために、地域版の買い物ガイドブックの作成に取り組むなど、グリーンコンシューマー活動を各地で盛んにしていきましょう。

2. 私たちは、子どもと家庭における環境活動をすすめるために、幼稚園、保育所等に働きかけ、これまでの実践的な活動を活かした環境学習をともに実施していきましょう。

第5分科会・これからの地域活動のあり方
1. 私たちは「女性は一歩出る勇気、男性は一歩譲る勇気」を持って、地域活動を共に進めていきます。多様化する住民のニーズに応えるためにも、住民一人一人が地域の身近な課題を、地域ぐるみで解決していくコミュニティをめざしていきましょう。

第6分科会・子育て・親育てのコミュニティ戦略―小学生、中学生、高校生、そして大学生の青少年を―
1. 私たちは、健全な子育てをするために、親育てが必要との観点にたち、学校と地域が手を結び、子育てを支援するとともに、親たちに子育てにかかせない知識、技術を伝えていきましょう。

2. 私たちは、来年度から始まる地域運営学校に積極的に参加し、地域住民がつくる学校にしていきましょう。ここに参加した保護者、住民代表はこれを契機に地域づくりを活発にしていきましょう。

3. 私たちは、子どもたちが将来大人になって「ここがふるさと」と思えるような地域づくりを子どもたちと一緒にしていきましょう。

第7分科会・ふるさとづくり運動をどうすすめるか
1. 今日、地方では過疎、都市部の空洞化、商店街の衰退、少子・高齢、環境などの多くの問題を抱えています。このような状況を改善するために自らが創意工夫し、その地方・地域に合った活動の展開が望まれます。男女共同参画社会の拡充をめざしつつ、この活動の参考となるふるさとづくり賞などの充実や多様なふるさとづくりの情報を積極的に提供していくことが必要です。

平成16年11月10日

平成16年度あしたのくらし・ふるさとづくり全国フォーラム参加者一同