| 分科会 |
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| 第1・食育の分科会 テーマ「地域の絆をつくる食育とは」 |
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(順不同・敬称略)
【助言者】
勝部三枝子 生活学校運動中央推進委員長、生活評論家
渡辺満利子 生活学校運動中央推進委員、昭和女子大学大学院生活機構研究科教授
【司会者】
吉田三恵 一乗生活学校(福井県)
【事例発表】
あしたのまち・くらしづくり活動賞「食育推進活動部門」入賞団体
・岡山県 山ゆりの会(内閣総理大臣賞)
・千葉県 四街道食と緑の会(内閣官房長官賞)
・愛媛県 都会と田舎を結ぶ食育ネット(主催者賞)
【実行委員】
我妻みと 船橋市つかだ生活学校(千葉県)
柴田三智子 土に親しむ会(静岡県)
【全国生活学校連絡協議会】
廣政恵美子 全国生活学校連絡協議会副会長、山口県生活学校・生活会議推進協議会会長
事例発表をもとにして、食育の具体的な課題を探り、地域で多くの人が参加できるような活動方法、さらには活動の評価法について話し合い、「家庭・学校・地域が連携して、日本人に適した食習慣の改善に取り組み生活習慣病予防に努める」「食事作りの知恵の伝達」、「地産地消による、省エネと食品ロスの削減と食の安全安心の確保」「食育開始前と後の食生活を調べて食育の効果を確認する」ことを今後の活動として申し合わせた。
活動事例の紹介
「あしたのまち・くらしづくり活動賞」の食育推進活動部門の入賞団体及び実行委員から、それぞれの取り組みについて紹介してもらった。
内閣総理大臣賞受賞
山ゆりの会(岡山県岡山市)
棚田が広がる農山村地域の女性たちが中心となって平成2年に会を発足。以来、地域の食材を使った加工品づくりに取り組み、都市と農村の交流活動など、食を通じて地域の活性化に取り組んでいる。主な活動は次の通り。
@地域の食材を活かした特産品の開発と販売を行なっている。メンバーが味噌、豆腐などの製造業を次々と取得し、安全安心に配慮した特産品づくりは、地域住民の生産意欲をも高めている。A都市と農村の交流活動に取り組んでいる。地域の営農集団組合との連携で、大阪のスポーツ少年団を招いた田植えと稲刈りの体験ツアーを実施。B「3世代交流会」を開催している。若い世代が帰省するお盆に集会場に約100名が集まって交流を深めている。また若年層による「桑の実会」が結成され郷土芸能の伝承活動も行なわれている。
活動の成果として、地域住民のチームワークが高められるとともに、小さな集落でも一人ひとりの会員が強い信念を持って活動していること、地域の生産者の誇りが取り戻されたことなどが挙げられた。
内閣官房長官賞受賞
四街道食と緑の会(千葉県四街道市)
急速なベッドタウン化が進む地域で、昭和60年に食の見直しを目的に、小学校に働きかけて稲作の体験学習を始めたことが活動のきっかけ。現在では、@市内全12の小学校を対象にした体験学習「稲作り・心も一緒に育てよう」、A休耕田を借り上げて一般市民が参加する「市民田んぼの学校」、B環境学習「ケナフ栽培と紙漉き」の学習支援、C市民交流会「農業生産者と市民のつどい」の開催など、子どもに留まらず、地域住民の間に食育と自然環境への関心を高めており、地域の各団体との連携や、元会社員や主婦など多くの市民が支援する活動へと発展してきている。なお、稲作り体験学習は学校のカリキュラムとなっており、平日のボランティアへの参加を市民に積極的に呼びかけ、役割を事前に説明し、責任感をもって活動してもらうように心がけている。活動を通じて、メンバーは、農業が豊かな町を保全しているという誇りをもっており、子どもの才能を信じて様々な作業をさせる大切さと、保護者への食育がもっと必要なことが提言された。
主催者賞受賞
都会と田舎を結ぶ食育ネット(愛媛県松山市)
都会の子どもたちに本物の食を伝えよう!と、愛媛大附属農業高校生有志が、神奈川県鎌倉市内の小学校5年生、愛媛県内子町の農家、直売所との交流活動を行なっている。
@メールを活用し小学生からの質問に農高生が返答する。あわせて農家直売所へ取材した結果を伝えるプレゼンテーションを作成する。A携帯電話のテレビ機能を使った生中継方式で、農業高校で生産されたキュウリを見て、「どんなふうに作られているの?」と小学生から質問を受け、高校生が教師役となって説明する。Bインターネットを活用した遠隔共同調理実習の実施。愛媛の食材を事前に送り、郷土料理「おもぶりごはん」作りを、高校での調理の様子を説明しながらの同時進行。保護者も参加。C小学生、保護者、教師等約50名が愛媛に来て、農業体験や川遊びなどの交流活動を行なった。
このようにインターネットや携帯電話という新しい情報手段を使い都市と農村の距離や世代の垣根を超えて食育に取り組んでいることや、大人だけではなく高校生が前面に立って小学生や保護者との関わりを持っている点と、全国で400校以上の農業高校生と地域が連携した場合の可能性が挙げられた。
土に親しむ会(静岡県伊豆の国市)
休耕田を借りて、年間を通じて稲・野菜・果物づくりから収穫祭を行なっている。地域の子どもたちが、育てる楽しみ、収穫の喜びと大変さ、野菜の「旬」を知ることで、有機・減農薬で、安全で安心して食べられる野菜づくりを体験し、その過程のなかで、農業(物づくり)に対しての考え方(喜び、苦労、食の安全、土、環境等)を体で学び、指導する大人から社会生活(礼儀、地域のしきたり、伝統文化等)を習得してもらうことを狙いに、体験農業を通じた地産地消の地域づくりを目指して活動を続けている。
一乗生活学校(福井県福井市)
学校給食の実態調査、地場産の食材活用状況などの調査、対話集会を重ねるうちに、子どもの不規則な食生活や生活習慣の問題を感じるようになった。「生活学校でできることは何か?」と話し合ったところ、これまで栽培してきた「きび」を使って子どもたちへの食育に取り組むこととなった。そこで地元小学校児童と、きびの種まきから収穫、調理実習「きびだんご」「きびかりんとう」作りなどの体験学習を行ない、さらには、PTA、生活学校、公民館が協力して「親子学級」にも取り組んだ。今後も子どもたちとの交流をきっかけに、それぞれの家庭で食について話し合えるような仕掛けを積極的にしていきたい。
グループ協議
午後のグループ協議では、@「食生活の問題点は何か」A「問題点の解決方法は何か」B「食育の効果を評価する方法は何か」をテーマに協議を行なった。協議の概要は次の通り。
【食生活の問題点】
@家族の食事時間がバラバラである個食・孤食の状況では、自分の食べる適正量が分からない。また、親たちの就労時間との関係も看過できない。
A手軽な食事がもてはやされる風潮、調理済みの食事が簡単に手に入ること、加工食品に頼る家庭が多いことなど、家庭での食事づくりがなおざりにされている。
B栄養バランスの悪い食生活が多く、生活習慣病予備軍が増加している。
C食品の安全性の確保と自給率の低さの問題。フードマイレージが高い現状が当然になってしまっている。
【問題点の解決方法】
@週に1回は家族一緒に食事をとるようにする。家庭で食卓を囲むことで、子どもや祖父母など家族の健康状態も把握できる。そのためには、親たちの労働時間の現状と食に対する意識を変えてもらうように働きかけることが必要だ。
A親たちに「何をどうやって食べるのか」に気付いてもらうようにする。例えば、子育ての時期の食習慣をつけてもらうために、共働きの人を対象にした簡単料理教室を開催する。出前講師をして、簡単レシピの作成やエコクッキングなどを実施する。
B地域の子どもたちに食の大切さを伝える。例えば、カルタ遊びなどを活用しながら頭に刷り込んでもらう。やがては子ども自身が食材を買ってきて、料理をつくり、食の楽しさを体感してもらうように努める。家庭・地域・生産者が連携し、若年者に生産現場の体験活動をしてもらう。
C生活習慣病予防のために、栄養教諭と連携して、健診の結果を踏まえた食生活の改善に努める。また、米食中心の朝食の大切さを分かりやすくPRする。
D地産地消からまちおこしに繋げる。3世代が交流し、地場産のものを使った料理をPRする。また、地域の伝統食に触れられる「楽しいイベント」を構築する。
【食育の評価方法(食生活の変化を確かめる方法)】
@アンケート調査や体力テストを実施する。食育前と後で同じ質問をしてみて、問題点を話し合う。また、地域の食のイベントを行ない、多くの参加者を対象にアンケートを実施してみる。
「効果的食育法とその評価法とは」
グループ協議を受けて、渡辺満利子委員からは次のような講演があった。
日本人は50年前に比べて、肉は9倍、牛乳・乳製品は8倍、油脂は5倍以上も消費し、飼料も含めて食料を海外に依存してきた。メタボリックシンドロームは成人の2割となり、子どもの健康問題も深刻である。地球温暖化は穀物価格を高騰させ、日本の「食」は転換期を迎えている。食育に取り組む課題として次の点を挙げたい。
【食育に取り組む課題】
@地球温暖化の危機的状況から、食品を買う際にはフードマイレージを考えた消費行動と、安全安心な食の確保が大きな課題。「食育」でできることは、調理など「食のわざ」による食品ロスの削減と省エネの実現、地産地消と適量の購入など。これらの実践によって、安全・新鮮・おいしさを体感できる食の確保に繋がる。この点を踏まえて地域で食育に取り組んで欲しい。
A子どもの食生活の実態調査で判明した課題として、やせ願望によるエネルギーの不足と、自分の食事の適正量を半数の人が理解していない現状がある。本人は食べすぎのつもりでも実はほとんどが摂取不足。また、親子の食行動と食意識は相関関係がある。
B「肥満傾向児」が、1977年の調査に比べ、1.5倍から2倍に拡大している。食べすぎや生活習慣の変化が原因であり、食育では「規則正しい食のリズムで生活習慣の改善」に取り組む必要がある。
【効果的な食育へのアプローチ】
食育で最も大切なことは、地産地消、省エネ、食品ロスの削減、食品の安全安心といったことを土台に、日本の食の基本を推進することが大事ではないか。
@「家庭の食事を充実させよう」赤ちゃんから高齢者までの各年代に応じた食のあり方を築くことが大事だ。小さい子どものうちから食の知恵を授けよう。
A「日本人の食の基本を推進しよう」何をどう食べればいいのか分かっていない人が増えている。添加物への知識もなく、メタボリックシンドロームの人も増加している。そこで、エネルギー量の理解(ご飯・味噌汁・野菜・魚・大豆を基本に、肉・乳・果物・油脂・食塩の適量摂取)を踏まえた、食べるための基本の技・知恵の伝達が必要となってくる。
B「食の安全安心に取り組もう」生産者、地域、学校、家庭が連携して、人を大切にする食を進め、環境を考えた食の問題についても考えることが大事だ。
【食育の評価法】
食育の対象となる参加者の食意識、食行動、食環境、身体状況などを調べよう。例えば「夕食の前後に明日のお弁当のおかずを用意していますか?」といった簡単なアンケートや体力テストでいい。食育をする前の状態と、食育後の状態で同じ質問をして変化をみれば、食育効果の有無を評価することができる。
「自給率の問題を踏まえた食育を」
分科会のまとめとして、勝部三枝子委員からは「食材を海外から安く輸入できる状況ではなく、以前に増して自給率を上げる必要性が高まっている」「生産者と消費者の話し合いを進めてほしい。特に、JA女性部などの生産者の女性との話し合いを進めて欲しい」「高齢者の食についても注目して欲しい」との助言があり、米食の普及や国産大豆の普及に努める活動によって休耕田を減らしていくなど、地域で取り組む際には、食育と同時に食の全体の問題についても考えて欲しいとの助言があった。
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| 第2・子育て支援の分科会 テーマ「子育て環境の再点検―ワークライフバランス(仕事と生活のバランス)をさぐりながら―」 |
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(順不同・敬称略)
【助言者】
加田純一 生活学校運動中央推進委員、経済評論家
松田宣子 生活学校運動中央推進委員、フリージャーナリスト
【司会者】
小林幸江 神奈川県・未来フォーラム(実行委員)
【講 演】
堀 泰雄 厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課課長補佐
【実践活動事例紹介】
あしたのまち・くらしづくり活動賞「子育て支援活動部門」入賞団体
愛媛県 新居浜市おもちゃ図書館きしゃポッポボランティアグループ(内閣総理大臣賞)
福井県 NPO法人わくわくくらぶ(内閣官房長官賞)
岐阜県 多胎児サークルみど・ふぁど(主催者賞)
【実行委員】
岩口好子 千葉県・船橋市生活学校運動推進協議会
長壁美千子 東京都・氷川生活学校
【全国生活学校連絡協議会】
佐々木文子 全国生活学校連絡協議会副会長、北海道生活学校連絡協議会会長
子育てしながら仕事をする、豊かに地域社会で生活することが可能になっているか? という疑問から、子育て環境を再点検し、地域の課題を解決していく方法を討議しよう! をねらいとした。午前中の講演で子育て環境や子育て支援施策の現状を解説してもらい、また、子育て支援活動の実践者としてあしたのまち・くらしづくり活動賞(子育て支援活動部門)入賞団体から子育て支援に携わって日頃感じていることなどを紹介してもらった。午後はグループ討議で問題点や解決策を探った。多く出された意見としては「長時間労働の解消を」だった。
【講演】次の世代の担い手を育むために〜「次世代育成支援」から「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」へ〜
厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課・堀泰雄さん
まず少子化の現状とその対策について概観した。現状では、出生数は第2次ベビーブームの約半分となり、出生数と死亡数が逆転し出生数のほうが少なくなっている。少子化がもたらす影響として、経済面では労働力人口の減少、社会面では家族の変容(社会の基本的単位である「家族」の形態が変化)、子どものへの影響(子ども同士の交流減少、過保護化、社会性が育まれなくなる)、地域社会への影響としては介護保険や医療保険など地域単位で運営している制度に支障を来たす、などがあげられる。出生率低下の要因としては、晩婚化の進行、夫婦出生児数の減少などがあげられる。では、結婚や出産を取り巻く状況はどうか。@若年者の非正規雇用の増加(15〜24歳では実に半数近くが非正規雇用)、A依然として難しい女性の就業継続(出産前に仕事をしていた女性の約7割が出産を機に退職、出産前後で就労継続している女性の割合は20年間ほとんど変化なし)、B子育て世代の男性の長時間労働(子育て期にある30歳代男性の4人に1人が週60時間以上就業、男性の家事・育児時間は世界的にも最低水準)、C子育ての孤立化と負担感の増大(4人に1人は子育ての悩みを相談できる人がいない、4割は困ったときに子どもを預けられる人がいない)などをあげた。
こうした中で国はどのような施策を行なってきたか。平成16年少子化社会対策大綱、17年次世代育成支援対策推進法、18年新しい少子化対策についてを決定し、19年には「子どもと家族を応援する日本」重点戦略を策定した。国・地方自治体、企業、地域社会などがそれぞれにまた連携して子育てしやすい環境を整えていこうとしている。今年度の少子化社会対策予算は政府全体で1兆7064億円(対前年度1874億円、12.3%増)の予算を計上しているとした。
しかし現状では少子化に歯止めはかかっていない。結婚や出産に対する希望は、約9割が結婚意思を持ち、希望子ども数も2人以上。しかし前述のように実際にはこの数字との大きな乖離がある。この乖離を生み出している要因としては、「結婚」については経済的基盤、雇用・キャリアの将来の見通し、安定性が指摘されている。収入が低く、雇用が不安定な男性や非正規雇用や育児休業が利用できない職場で働く女性の未婚率が高い。「出産」については子育てしながら就業継続できる見通し、仕事と生活の調和の確保度合いが上げられる。育児休業が取得できる職場で働く女性の出産確立は高いが、長時間労働の家庭の出産確立は低い。「特に第2子以降」では夫婦間の家事・育児の分担度合い、育児不安の度合いなども指摘され、出産・子育てと働き方をめぐる問題に起因するところが大きい。
この背景には、就業継続と結婚・出産・子育てとの二者択一を迫る構造があり、また、多様な働き方ができない、非正規雇用の増大、長時間労働など働き方をめぐる様々な課題がある。そこでワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)という考え方が今後重要になってくる。前日の重点戦略では、すべての子ども、すべての家族を、世代を超えて国民みんなで支援する国民総参加の子育てに優しい社会づくりを目指すとしている。
ワーク・ライフ・バランスの実現には、個別労使のみならず、社会全体で取り組むことが必要な課題である。そのために、労使の自主的な取り組みを基本とし政府においても制度的な枠組みや基盤整備を進め、地域の実情に応じた展開をしていく。1990年代以降の諸外国の家族政策も仕事と家庭の両立支援を軸に展開されており、こうした例から見ても必要な施策である。
【実践活動事例紹介】
愛媛県・新居浜市おもちゃ図書館きしゃポッポボランティアグループ
障害の有無によらず楽しく幸せであること。「さあ、みんな仲良く遊びましょう」と言ってもなにもなければ遊べないかもしれないけど、手作りおもちゃがあれば仲良くできる、障害児のお母さんたちも元気と勇気がわく。活動をして困ったことはお互いの理解。障害児のお母さんはおもちゃを壊したらどうしようと不安を持っていたが、「壊したらまた作ればいいじゃない」ということでお互いに気持ちが通じた。これからは若い人にもっともっと参加してもらいバトンタッチをしていきたい。
福井県・NPO法人わくわくくらぶ
公立保育園から役所に異動して、どうにもならない様々なニーズがあることを知り「誰かやって」と思っていたが「よし、私がやろう」と子育て支援施設を自費で作った。最初は1、2人から今では4〜500人の一時預かりをしている。「何時から預かってくれますか?」と聞かれ「何時から利用したの?」とその要望に応えるようにしている。原点は「こんなのがあったらいいな」「こんなことがしてほしいな」。大切なのは「あそこなら」と地域に認められる施設になること。安易に子どもを預からず、子育ては楽しい・すばらしいということを親に伝えたい。
岐阜県・多胎児サークルみど・ふぁど
多胎児の妊娠・出産は大変。27週で入院することになり、妊婦友だちもできず、社会とつながりにくい。だから、子どもも大人も群れの中、人間の中で育つことが一番というコンセプトでやっている。子どもが少ない中で縦のつながりがなくなってきたので、大きい子どもが小さい子どもの面倒をみる縦のつながりを大切にしている。親も同じ。いわば循環型子育て支援。多胎児でできたのだから単体児でもできるはず。これを町中に広げていきたい。
【グループ討議】ここが問題/こうしたい
グループ討議では五つに分かれ、それぞれ討議項目からテーマを選び話し合った。ここでは各グループから出された意見等の概要を紹介する。
・「子育ての時間を大事にしたいが仕事で時間が取れず妻に対して申し訳ない」という男性もいるが、若者はおしなべて国を繁栄させようという考え方を持っておらず利己的だ。そうした中でどうするかを考えると、身近な人のことから考えることも必要か。せめて自分の子どもだけでもしっかり育てるなど、こつこつと改善していく。
・両親で子育てできる環境を整えることが必要で、そのためには労働時間や最低賃金のチェックをする。
・企業への提案・要望については、正規社員の在宅勤務を可能にしてほしい。病気休暇や出産休暇を取るために代替職員を確保してほしい。また、不妊治療への理解がほしい。
・出産・育児後の職場復帰の保障をしてほしい。
・病時休暇、育児休暇などを取りやすくしてほしい。
・結婚や出産しない人が増えたというが、結婚や出産をするとお金が自分の自由にならない→思い通りの生活ができない→結婚や出産をしないという構図もある。つまり自立していない若者が増えていてその原因の一端は甘やかす親にもあるのではないか。
・国をはじめ行政は子育ての現場を見て声を聞いてほしい。負担感を体験してほしい。
・例えば子どもが2人いると電車の運賃が半額になるなど「子どもがいると得をする」という施策が必要ではないか。
・子育て環境は良くなっているかについて話し合った。中学生が幼稚園や保育園にボランティアに行くようになった。学生の頃から小さい子どもと接する機会を作ることはとても大切だ。
・地域に子育て支援のサークルが増えてきたが、参加しない人や来てほしい人が来ないなどの問題がある。産院などでサロンを開くなどしてきっかけづくりが必要。
・子どもを巻き込んだ地域活動は増えてきたが、さらに言えば子どもが自分の足で行ける距離にそういう活動グループができるようにしたい。
・地域社会の回復として、まず自分たちが子育てに関わる良い意味での“おせっかいおばさん”“おせっかいおじさん”になろう。
普通の生活って?/私たち自身が長時間労働を作り出している
分科会の話し合いを受け加田委員から、「ワークライフバランスとは『家庭を大事に』ということ。現在いかに変な生活をしているか。一番当たり前のことは家族が一緒に食事をする。普通の生活・普通の家庭がどういうものか考えてほしい。そうすれば、どうやって長時間労働をなくすかを考えることになる。どうするかと言えば本人に言ってもそれは無理。経営陣に主張する。日本経団連はワークライフバランスを言っているが、果たして企業はやっているか。企業の社会的責任として長時間労働は許さないという点から地域で企業をチェックしてほしい」との助言があった。
松田委員からは、「企業のみの責任ではなく、私たち自身が長時間労働の加担者ではないか? 例えば消費者には便利かもしれないが24時間スーパーの労働時間はどうか? 私たちが長時間労働を作り出していないか? 延長保育もそうした状況からニーズがあるのでは。だから消費者として『長時間労働はいらないよ』と言う機会をつくる必要がある。そのためには生活学校運動のような運動が力を発揮してほしい」との助言があった。
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| 第3・環境の分科会 テーマ「地域と連携して環境活動の成果をあげよう」 |
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(順不同・敬称略)
【助言者・コーディネーター】
金森房子 生活学校運動中央推進委員、生活評論家
【事例紹介・パネリスト】
馬場悦子 NPO法人小平・環境の会理事長
山崎求博 NPO法人足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ副代表理事/事務局長
【基調講演・パネリスト】
広瀬立成 早稲田大学・理工学術院総合研究所教授、東京都立大学名誉教授、町田市ごみゼロ市民会議代表
【実行委員】
桐原悦子 茨城県ひたちなか生活学校(県連会長)(司会担当)
大西智子 千葉県船橋市生活学校運動推進協議会
大塚良子 東京都台東区つくし生活学校
宮崎啓子 東京都北多摩自然環境連絡会生活会議
【全国生活学校連絡協議会】
有馬妙子 宮崎県生活学校連絡協議会協議会会長
分科会のテーマ・狙いと会場風景
環境問題が世界的な問題となっている中、日本では民生部門とりわけ家庭部門の温暖化対策が遅れており、政府が提唱した「一人1日1kgの温室効果ガスの削減」に対しても未だ手探りの部分がある。分科会では、一人ひとり・各市民団体が個々に環境活動するよりも地域で取り組む方が効果的であるとの考えから、「地域と連携して環境活動の成果をあげよう」をテーマとして討議した。
分科会には90人強が参加し、環境問題に対する関心の高さが感じられた。
会場には資料コーナーの他に展示コーナーを設けたところ、前もって参加者にリフォームやリサイクルの作品を持ち寄りませんかと呼び掛けた反響か、参加者が次々と持参した作品を自分たちで飾り付け、予定スペースでは足りないほどたくさんの作品が展示され、日頃から熱心に活動している様子がうかがえた。参加者は、お互いの活動状況を話し合ったり作品の製法を教え合ったりして交流を深めた。
事例紹介
一人目はNPO法人小平・環境の会理事長の馬場悦子さん。東京都小平市でごみのない都市づくりを目指して活動している方である。最初に活動概要の紹介(地域活動の母体であるごみゼロ市民フォーラムの開催、ごみを出さないリユース食器を使用したイベントの開催、生ごみ削減の自家内処理を推奨するための講師派遣、学校給食の生ごみ乾燥機の導入、環境学習への講師派遣等)の後、農家に生ごみ堆肥や玉川上水の落ち葉を提供し、農家は野菜を生育し商店は腐葉土を販売する有機資源の地域循環システムについて詳細な紹介をされた。その上で、このような市民活動を行なうには、@市民の目線で企画・提案をすること(市民が地域を一番良く知っている→廃棄物処理基本計画に反映)、Aフットワーク良く行動すること(とっかかりを求めて地域へ出ていく。市民はフットワークが軽くすぐ動ける)、B口コミによる情報収集伝達・人集めをすること(身近な話題から入っていくと良い。環境は身近な問題が多いので入りやすい)、C市民団体が各セクターの橋渡しをすること(行政も市民の協力を求めている。農業関係組織と商業関係組織は疎遠なところがあるので、市民団体が中心となって融和することで三者の連携が可能になることがある)、D活動を継続すること、が大事で、活動を通して地域とつながり地域の環境を変えていくことになるといった助言があった。
二人目はNPO法人足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわの副代表理事/事務局長の山崎求博さん。東京都江戸川区で地球温暖化防止の活動をしている方である。冒頭山崎さんから「東京の平均気温が1度上がったら、どの地域の平均気温と同じになりますか?」とクイズが出された。参加者が「はてどこだろう?」と答が出せなかったところ「宮崎と同じなんですよ。」と言われて温暖化の影響の大きさにびっくりさせられた。
家庭のCO2排出源の40%近くが電力で、その70%近くをエアコン、冷蔵庫、照明、テレビで占めていることから、これらの家電を買い換えると効果的な省エネが実現できるとして省エネ家電買換サポート事業(省エネ家電を買いたい人に将来安くなるはずの額を融資することでローンの支払いが可能となる融資事業)を実施しているとの紹介があった。
次いで省エネ家電買換を普及するためのエネルギー自給率アップ大作戦(省エネ家電ヘルプデスク「電話相談窓口」の開設、省エネ家電買い替えモニターの募集、省エネ家電普及セミナーの開催等)や「節電所」(省エネは太陽光発電の1/6のコストで同量の節電効果を生み出すことから「市民がそこに発電所を造ることと同じ」と名付けた)の設置と、「まずは行政から省エネ実践を」と議会を通じて区に働きかけ、区が省エネ改修を実施した事例(改修費で1億5千万円ほど要したが、年間光熱水料が2千万円ほど安くなるので7〜8年で回収できる計算)、廃食油をBDFに利用した事例(あなたの台所が油田に変わる…名付けて江戸川油田開発)等の紹介があった。
基調講演
講師は早稲田大学教授の広瀬立成さん。お住まいの東京都町田市でごみゼロ市民会議の代表として活動されている方である。物理学がご専門で、「物理学の基本原則に照らすと、一度ごみとなったものは地球上から減らない(「燃やす、埋める、水に流す」をしても、物質としての総量は変わらない)のに、日本は毎年5千万トンものごみを廃棄している。それらのごみは、長い間には『生物濃縮』や『長期・微量・複合汚染』の問題を引き起こす」(以前、アメリカのカリフォルニア州でカイツブリが大量死した原因が、農薬がプランクトン→小魚→大魚→カイツブリに濃縮されたことにあった。そうした問題があることに、進行途中で気付かない危険性がある。)と指摘された。
次いで町田市ごみゼロ市民会議では「ごみになるものを作らない、燃やさない、埋め立てない」を心掛け、市民・行政・専門家が協働して1年をかけてごみ削減・資源化の実証試験をして、ごみの収集回数・運搬・リサイクルにかかるコストが減ることを検証し、いずれは戸別住宅全戸に電気式の生ごみ処理機を配置することを実現したいとの紹介があった。なお、できた堆肥は長野県川上村に運んでレタス栽培の肥料としているとのことである。
講演の締め括りでは、「ゼロウェイスト」を実現するキーワードは「4つのL」(ローカル…地域・住民主導、ローコスト…低コスト、ローテクノロジー…地元で対応可能な技術を使用、ローインパクト…低環境負荷)であること、「もったいない文明」を創造するには、まず市民が行動する必要があることを提唱された。
パネルディスカッションと研究討議
上記3氏(パネリスト)と金森房子氏(生活評論家)(コーディネーター)によるパネルディスカッションと引き続いての研究討議では、分科会テーマについて討議が行なわれ、各パネリストから、@環境活動はそれぞれの地域で気候風土等の特質や固有の問題やいろいろな理念・意見があるので、地域に合った方法で制度・仕組みを変えることが望ましいこと、A基本は個人一人ひとりが実践しなければ良くならないことであるが自分たちだけで取り組んでも限度があるので行政や企業などと連携して行なう必要があること、B行政主導でなく市民主導の運動とすること、Cそうは言っても現実にはいろいろな壁(行政における組織の壁…首長と事務局のギャップ、専門家(特に技術系)が少ない、異動により継続性がない。地域の壁…農業関係組織と商工関係組織の基本知識・認識のギャップ、昔から住んでいる人たちと後から住んだ人たちの意識や生活スタイルのギャップ)があるので、円滑に進めるための「仕組み」づくりが必要なこと(行政はデータを出し渋る傾向があるので、市民団体側が自分たちでデータを作り、要望の裏付け・客観性を保っていくこと、また、市民団体が他組織の中核となるシステムをつくること)、D市民活動に必要な資金づくりとして自分たちの「売り物」をつくること(省エネゲームの作成、出版、講師派遣など)、民間の助成金を積極的に活用すること、E“楽しく”“前向きに”“全員一致”で事業を続けると組織や人とのつながりができること、F町田市ではレジ袋の「要りませんカード」を行政が支援して普及させていること、G日本も最終的には拡大生産者責任制度を導入して、生産者がごみの回収費用を負担するようにしないとごみは減らないこと等の助言があった。
参加者からは、リサイクルよりごみ減らしが必要なこと、ノーレジ袋を実施して90%達成の成果を上げたこと等の報告があった。
分科会の成果
今回の分科会では、活動の対象を特定したテーマとせず、活動主体の活性化策をテーマとしたことで話題の共通性を確保することができ、活発な議論になったものと思われた。また、出演者がいずれも地域の関係組織との連携に腐心しながらも足を地に着けた活動をしていることが参加者から共感を得たものと思われた。特に、連携先に話をする(あるいは連携先からの話に乗る)きっかけづくりや、相手組織のどの人を選んで話を進めたら良いかといったコツ・話しぶりについてまで助言して下さったことは、参加者を心強くした。
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| 第4・レジ袋削減分科会 テーマ「「レジ袋減らし隊」運動の検証と今後の展望」 |
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(順不同・敬称略)
【助言者】
白水忠隆 生活学校運動中央推進委員、讀賣新聞東京本社編集局生活情報部部長
【削減枚数の中間報告】
田丸せつ子 「レジ袋減らし隊」全国運動 実行委員長
【全体司会者】
馬場道子 新潟県生活学校連絡協議会会長
【実行委員】
田丸せつ子 東京都・生活学校連絡協議会会長(実行委員長)
祝前清美 宮城県・生活学校連絡協議会会長
馬場道子 新潟県・生活学校連絡協議会会長
亀井政子 京都府・生活学校連絡協議会会長
中原松代 長崎県・生活学校連絡協議会会長
坂本幸子 埼玉県・横瀬町やまびこ生活学校
大内康子 栃木県・那須塩原市生活学校
黒田洋子 千葉県・船橋市しんたかね生活学校
熊代聖子 東京都・汝の花生活学校(副実行委員長)
鈴木和子 全国生活学校連絡協議会事務局長
【全国生活学校連絡協議会】
幡井政子 全国生活学校連絡協議会会長
現在、私たちは「身近で日常的にそして誰でもが直ぐ出来る」レジ袋削減に向け、目標を(3000万枚削減)定め「レジ袋減らし隊」全国運動(期間・7月1日〜12月31日)を展開しているが、分科会では、それぞれの地域でこの活動をする中で、「うまくいったところは何が効をなしたのか」「うまくいかないのはどうしてなのか」「全国運動を今後に繋げるにはどこをどう改善していけば良いか」等について本音で話し合うことをねらいに、午前中はグループ討議、午後は全体討議を行なった。
グループ討議のテーマ
1.協力店の開拓
2.他団体、グループ等の開拓と連携
3.行政との連携と協働
4.合理的なカードの回収方法、工夫した話
5.運動のPRの仕方
以上五つのテーマについて2グループずつ話し合いをもった。その内容は以下のとおり。
重点テーマの発表
1.協力店の開拓
・本社が協力を拒否しても、店長の判断によって「印」を押してくれる店もある。
・協力拒否する店でも、根気よく働きかけると協力してくれることになった。
・全県に広げていくことが課題である。
・店に協力を求める場合、一銭の負担も掛けないことを話す。
・一人ひとりが1店ずつ訪問して協力を求めた。
2.他団体・グループ等開拓と連携
・市町村が協力依頼をしてくれたので幼稚園、学校にも協力を求めることができた。
・環境施策課、商店街連合会等が協力してくれたこと。
・環境団体等に積極的に働きかける。
3.行政との連携と協働
・行政と20年〜30年と長い関わり合いがあったこと。
・ホームページ、商工会議所のPRが大変役立った。
・女性センターの呼び掛けに応じていることから県の生活学校が他団体と連携がとれた。
4.合理的なカードの回収方法・工夫した話
・公民館に回収箱を置いてもらった。
・キャンペーンを何回もやった店に回収箱を置いてもらった。
・1か月毎に回収した県があるが、そのことによってメンバーの意識も高まった。
・店とコミュニケーションを深める努力をして、やっと回収箱を置いてもらった。
5.運動のPRの仕方
・マスコミと上手に付き合い、特集を組んだこと。
・対話集会を開催貼ることによって効果を上げた。
・Tシャツが目立って効果的であった。
うまくいかなかった点
・チェーン店の協力が得られないこと。
・「印」だけにこだわるのは上手くいかない。
・行政や他団体と連携がとれないと絶対うまくはいかない。
・「印」がもらえない場合には自主申告を認めてほしい。
今後に向けて
・この運動は今後も是非やらなければ、広がりができない。
・生活学校が市民権を得たと思う。メンバー同士、他団体との連携がこの運動を通してできたように思う。
・新聞に大きく取り上げてもらい、市民にPRができた。今後もメディアと上手に付き合う努力をすること。
・教育委員会と手を結ぶこと(方法)を考えていく。
・行政とのパイプを上手につくる。
・広範囲にこの運動を広げるうえでも回収箱の設置場所を確保すること。
午後の部・全体会
司会 今後も運動を繋げていきたいという意見が多いようだが、本音で話し合いたい。全国運動の成果、改善すべき点についてご意見を伺いたい。
大分県 今回の運動を通して若い層の男性を巻き込む必要を感じる。レジ袋を有料化にするということは結論に近づけることになるのではないか。
埼玉県 富山県でレジ袋を有料化する動きが勢力を強めているが、それはわれわれのやっている「レジ袋減らし隊」全国運動と少し違うように思うが、当然温暖化防止に向けての運動である訳ですね。
岐阜県 富山県のやり方に疑問がある。有料化でなければレジ袋は削減できないのかということ。
富山県 今回、行政・事業者一堂が同一のテーブルについて話を進めてきた。去る11月の会議で全県一斉に始めようということで事業者との合意が取れた。少しでもレジ袋を減らす、という県民の意識の向上に役立てばと思っている。
愛知県 次年度も繋げてやる場合、初期のやり方と違った方法でも良いのではないか。有料化は各地でやるようだが1枚10円の時代が来るのではとも言われている。
司会 今回の「レジ袋減らし隊」全国運動は子どもも大人も、誰でもが身近ですぐにできるということで始めた。現在換算された数としては少ないが170万枚近いレジ袋が減らされている。一つの方法として有料化はあるがわれわれの目的は「レジ袋減らし隊」全国運動によって一人ひとりが足で歩いて削減した印をもらっている。こうした運動についてのご発言をいただきたい。
山梨県 有料化ありきが前提になってきたが、消費者・事業者・行政でレジ袋削減を目的に「レジ袋ノーデー」をつくりマイバッグ持参を県民に啓発し、われわれが掘り起こした協力店を県内に情報として流してくれるよう県に申し入れた。県も今、「有料化は早い」、もう少し消費者とコミュニケーションをとってから有料化に向かうということになった。
茨城県 一人ひとりの笑顔に出会った。これが最大の生活学校運動だと思う。小さな運動だが、これが大切な運動だと思うので、ぜひ継続して欲しい。
新潟県 経費の問題について県によっては通信費、カードの回収送料とかが必要であるが、その点についてどう考えているか。
司会 運動の成果その他についてはさきほどから出ているが、経費については初めての発言である。
幡井会長 運動を打ち切るのはもったいない。次年度も継続することを前提に話をしたい。次年度は日協創からの支援はいただけないとした時、財政の確保が難しい。ブロック研修費も減額しなければならない状態にある。支援先、スポンサーをどこに求めていくか検討している。自分たちの力でできるところまでやってみようという決意を持ってほしい。
司会 あらゆる団体が厳しい局面に立たされている。LPガスの講習会を開いてもらって、LPガスと啓発活動の契約ができれば少しは助かるのだが。会費の値上げも難しいし、環境省も今年度は駄目だったが来年も企画競争にチャレンジできればと思う。
宮城県 県内にはどうしても温度差はある。7月から動いているが軌道に乗ったのはつい最近である。どれだけカードが戻ってくるか心配ではあるが、どれだけこの運動を広げられるか、どうやって広げていくかが今後の課題だと思う。レジ袋の寸劇で爆笑を得た。お金のことを考えるとしんどいが、ここまで来たのだから今後は今までの大変さはないと思う。全生連として各県でも、あとひと頑張りすべきだと思う。
幡井会長 今までのやり方が全く違った方向に行くのではなく、やりやすい方向に改善してやっていきたい。
司会 レジ袋について対話集会・シンポジウム等を半数の県でやっている。ダイエーの冊子にもこの運動が掲載されたし、イベントの誘いなども受けて企業と一緒にやるなど、今後に繋げる動きができてきたと思う。女性はしたたかですからいろいろと交渉しながら、繋げていっていただきたいと思う。できているところから地域の思いを繋げて、地域性を良く見て、団結して今後に繋げていきたいと思う。
白水委員 7月にスタートしたが中々エンジンが掛からなかった。平成19年の2月に決まって7月のスタートはぎりぎりのスタートであった。理事長とも激しく話し合ったし、こうした話し合いは今までなかったと思う。行政・事業者とどれだけ付き合ったか、レジでカードを出した時そこで成り立つ会話が楽しかった。だが、そこが面倒なところであるが、そこがキーポイントであると思う。改善するところはもちろん改善して地域のやり方でやるのはそれはでいいし、他団体・幼稚園・小学校となるが、是非大学生と一緒にやることも考えた方が良いと思う。多分皆さんと違うやり方をすると思うことと、パソコン・メールを使うと思うが、そうしたことで皆さんも止むを得ずパソコン・メールを使うようになると思う。
今回のレジ袋削減運動で生活学校運動の幅が広がるし、メディアを使った反響はあったはずで、行政にも働き掛けることができた。最終目標はレジ袋を通して参加者・メンバーが増えるという相乗効果で活性化ができることを大いに期待している。
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| 第5・活き活き自治会町内会分科会 テーマ「魅力ある自治会町内会へのヒントをつかもう」 |
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(順不同・敬称略)
【助言者】
黒川 敬 日本放送協会制作局第2制作センターチーフディレクター
伊藤光造 株式会社地域まちづくり研究所所長、生活会議運動中央推進委員
江上 渉 立教大学社会学部教授、生活学校運動中央推進委員
関 良策 あしたの新潟県を創る協会副会長、生活会議運動中央推進委員、まちむら全国ネット世話人
【司会者】
伊藤智毅 塙山学区住みよいまちをつくる会副会長(茨城県)
【事例発表】
佐藤良子 大山自治会会長(東京都)
福原仁一 古間木連合町内会長(青森県)
小池田 忠 森の里荘自治会会長(愛知県)
佐藤信夫 東の辻二部町内会会長(茨城県)
【実行委員】
工藤隆男 安平マチおこし研究所、まちむら全国ネット世話人(北海道)
中村栄志 高木町生活会議(東京都)
いまこそ自治会町内会のがんばりどころ
冒頭、基調講演を行なった伊藤光造さんは、多くの地域を歩いて感じるのは、「自治会町内会が行き詰まっている」ということも聞くが、一方、日本の自治の根底である自治会町内会などの地縁組織を再構築しようとする動きも広がっているとした。自治会町内会を考えることは、大きく言えば日本の自治の基本的なしくみの再構築を始めることだと期待感を表明した。
自治会町内会が期待されている背景として、次の点を指摘した。
高度経済成長期までは、自治会町内会などの地縁型のコミュニティの役割は大きく、行政、企業によるサービスの占めるウェイトは小さかったといえる。その後、公共サービスや民間企業がサービスを提供する場面が大きくなっていった。しかし、災害のときに高齢者が置き去りにされるとか、地域の防犯、さらには野山にゴミが放置される報道がなされるように、住民の生活を守る上で「すき間」が多く見られるようになった。この「すき間」を誰が埋められるかということが、今問われている。行政は、市町村合併や財政難で、むしろサービスを縮小する方向だし、民間サービスも万人が享受できるわけではない。自治会町内会をはじめとする地縁組織が、その役割を担うことが必要であるとした。その後、自治会町内会の歴史的変遷、自治会町内会の基礎体力を高めることの大事さ、NPOなどの「志縁団体」との連携のあり方などについて語り、今こそ自治会町内会の頑張りどころと結んだ。また、自治会町内会の元気度をはかる10点チェックを披露した。
自治会・町内会元気度 10点チェック (役員用)
あなたの自治会・町内会はお元気ですか。元気度を調べるため以下の簡単なテストをしてみましょう。
| 質 問 |
内 容 |
答 え
(OKの場合は○印) |
| @住民総出の共同作業はやってますか? |
例えばドブさらい、河川清掃など、自治会で全世帯参加の活動を行っているでしょうか? |
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| A親睦・交流のプログラムは行ってますか? |
自治会内の居住者相互の親睦、交流のため、お祭り、文化祭などの催しはありますか?自治会で神社のお祭りに関わっている、などでもOK。 |
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| B他所にない独自のプログラムはありますか? |
近隣の自治会ではやっていない、オリジナルな活動をやってますか? |
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| C毎年同じことをしていませんか?(何か新しい工夫をしてますか) |
毎年新しいことをやるのは大変。しかし、活動の一部に少し新しいものを加えるとかはできるのではないでしょうか? |
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| D女性を含め、常に新しい人を実行メンバーに巻き込んでますか? |
自治会の役員になってもらうのは大変だけど、何かの催しをやるとき、実行メンバーとして関わってもらうことはできる。地域にはいろいろな人いる。それぞれの特技や時間を生かして特定の場面で関わってもらってますか? |
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| E活動の綴りはつくってありますか? |
新しいひとに関わってもらう場合、わかりやすく説明することが不可欠。前回の催しの写真とか、領収書、実行体制のメンバーリストなどが綴り(ファイル)になっていると、すごくいい。 |
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| F企画づくりにみんなが参加してますか? |
来年のプログラムをどうしようか、などの相談をするとき、役員だけでなくその催しの参加対象となる人達に参加してもらい、案を練ることが大切。企画案づくりが一つのイベントにもなる。 |
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| Gみんなに仕事を分りふってますか? |
実は役員が大変なのは自分たちが、頑張ってしまうからだともいえる。大切なのは、役割をなるべく細かく分け、それぞれを実行してくれる人をみつけ、お願いすることを意味する。これさえできれば仕事の半分はできた、といっても過言ではない。 |
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| H地域の活動を育ててますか? |
子ども会など地域のなかのいろいろな活動を町内会・自治会で応援する。応援の仕方にはいろいろな手段があるが、応援されるほうは、地域で協力してもらえるとなれば、元気百倍となることが多い。 |
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| I意義をいつもPRしてますか? |
最後は、大切な意義の強調。何のためにその催し等をやるか、どうしてそれが必要なのか、それがどんな効果をもたらすのか、などをことあるごとに、わかりやすい言葉で皆に伝えることが大切。結果・成果のPRも大切です。 |
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| 計 |
― |
(○の数) |
(7点以上:合格、 5〜6点:もう少し、 3〜4点:要努力、 0〜2点:これから、ですね)
(地域まちづくり研究所 伊藤光造)
新しく来た人に声を掛けろ
次に、四つの自治会町内会の代表が活動発表を行なった。この活動発表では、多くの自治会町内会でなかなか踏み込めないでいる課題に挑戦している事柄を語ってもらった。
最初に登壇した福原仁一さんは、静岡県から青森県のおいらせ町(旧下田町)に20数年前に引っ越してきた方。越してきて、最初に参加した地域の会合での体験を踏まえて、「役員は、新しく来た人に積極的に声を掛けろ」と強調した。というのはその会合(呑み会でもあったのだ)では、周りの人は、初参加の福原さんに声を掛けるでもなく、「こいつ誰だ?」というような視線をチラチラと送ってきたという。福原さんは、ご自身の性格もあり、これにめげずに次回以降も顔を出したが、ほとんどの人は、「初めて出た会合での印象が悪かったら、二度と顔を出そうとはしない」と語り、役員同士は、普段から話ができるのだから、「新しく来た人の話し相手になり、仲間にし、次回以降も気持ちよく来られるようにする」ことが大事だとした。仲間の役員にこのことを徹底しているとした。
また、地域の将来を考える「地域計画づくり委員会」を連合町内会で発足させたが、これまで自治会町内会活動に参加してこなかった人や若者に参加を求めていったという。とくに、若者は、子ども会などで小さいころから成長を見守ってきたが、20歳を過ぎ、彼らに「何がしたいのか」と問い、「自分たちの地域を知らないので、地域を歩いてマップをつくりたい」という声が上がったという。大学の先生をアドバイザーとし、昼、夜問わず街を歩き回り、地域の状態をマップに作成した。福原さんは、10年、20年後は、この若者たちが、地域のリーダーになり、地域を、福原さんたちをリードする役割を担うのだから、今から鍛えているのだとした。若者たちは、マップづくりという地域を知る作業を通じて、先輩から学び、仲間同士で磨く作業を経験している。
安心して生活できるようにすることが自治会の役割
次に登壇した小池田忠さん。自治会のありようについて議論する中で、「イベントやレクリエーションだけでなく、悩みや困難を抱えている住民が安心して生活できることが自治会の役割」として、活動を展開している。例えば、周辺に身寄りのない一人暮らしのお年寄り宅の玄関キーを自治会で預かる制度。緊急時に対処するために家族構成、勤務先、かかりつけ病院などを記した「生活安全調査票」を全世帯に配布し、97%の世帯から提出されている。さらには、生活保護や就学援助などのプライベートな相談に応ずる「なんでも相談所」の開設などである。このように、自治会が個人のプライバシーに触れることができる背景には、役員会で相談し、さらに会員の賛同を得ることはもちろんだが、日頃の活動から蓄積された住民間相互に信頼関係が根底にあるとした。そして、災害や不慮の事故を想定した場合には、どうしても住民の実態を知っておく必要がある。個人情報保護法にとらわれると、良いコミュニティはできないのではと指摘した。
おねだりをしないで、上手にやっていく
3番目に登壇した佐藤信夫さんの町内会では、ご町内の花いっぱい環境美化活動に取り組んでいたが、近くの池が、悪臭漂い粗大ゴミが投げ込まれジャングルと化したていた。一人の会員からその再生を訴える声が上がり、現在では池の再生活動に町内会をあげて取り組んでいる。その過程で町会で合意形成のあり方について語った。最初、この問題が俎上に上がったとき、「市の所有なのだから、市に働きかけるべき」「市会議員に依頼したら」などの意見が出されたが、「われわれの家庭の雑排水も汚れの一因となっている」「自分たちでできることをやろうよ」という声が上がり、町内会としてこの問題に取り組んだという。現在では、悪臭も消え、公園化をはかり、住民の憩いの場になっているという。活動の過程で「行政に頼むと借りができるから自分たちでやろう」との声が上がったこと。地域で取り組んでいると、逆に、行政やNPOも気づいてくれ、水質浄化のためのEM菌散布、土砂の提供などをしてくれているとし、「おねだりをしないで、上手にやっていく」ことが必要だと強調した。
「市能工商」で活動を展開
最後に登壇した佐藤良子さんの大山自治会では、「会員の思いが届く自治会にしたい」と、役員の世代別制を導入し、若手の自治会参加をはかるなどの改革に取り組んでいる。これにより無関心だった若い層が、企画・運営に積極的に参加、幅広い世代が参加する自治会活動を展開できるようになった。そこでは、都駐車場や公園の管理を受託し収入を得たり、また、虐待問題や子育ての悩みなどの様々な相談事が寄せられるようになったことから、自治会内に「ママさんサポートセンター」を立ち上げたり、一人暮らしのお年寄りの支援活動も実施し、まさに「ミニ自治体」のような活動を展開している。その活動の基本的方針を佐藤さんは、「市能工商」という言葉で表現した。「市」は住民、市民がモノを申せるところ。「能」は、能力の発掘。能力のある人がたくさんいるので、その人たちを人材バンクに登録する。「工」は、工夫、アイデア、企画。「商」はビジネス。会費や補助金におぶさるのではなく、行政の業務委託を受け、自治会の財源にもつなげ、この中から、清掃活動などに従事した人には、日当も支払っているという。
「ピンチはチャンス」「全員賛成はNG」「人材は街にいる」
午後は、NHK「難問解決ご近所の底力」の番組ディレクター黒川さんが、これまで取材した「振り込め詐欺」「飲酒運転撲滅」「生活道路への車侵入阻止」に関する取り組みを再編集したビデオで紹介しながら、取材する中で、地域活動をする人たちから学んだ要諦を語った。ここで重要なのは、最初に組織ありではなく、課題ありだとした。「犬の糞」をどうしようという課題があり、そのためにどうするかということから動くことが大事とした。そして同じ問題を一緒になって取り組んだ仲間は、別の課題が出てきたときでも活動の仲間になれるのではとした。いわば、抽象的に「何かをやります」よりも、具体的な課題を通して活動をした方が「輪(和)」ができるということ。そして、地域活動の要諦を「ピンチはチャンス」「全員賛成はNG」「人材は街にいる」という三つの言葉に集約した。
携帯メールで意思疎通
その後、全体討議に入った。ここでは、加入率が40%を下回ったと加入率の低下を憂いその対策を問う声、役員のなり手がいない、一方で10年20年の間一人の会長が居座り続けていることに矛盾を感じているという声、さらには個人情報保護法にどう向き合っていけば良いかなどの質問がだされた。
これに対し、会場からは、平均年齢が30代、戸建て住宅よりも集合住宅が多い新興住宅地の自治会(350世帯)で、80%の加入率を維持しているとの報告もあった。その要因として、若い自治会だけに幼稚園、小学生の子どもを持つ親が多く、子どもが地域のつながり役として機能している点。さらに、役員14人のうち、12人は女性。そこで会議は午前中に開催、情報手段として携帯メールが活用されていること―会長の携帯には、月100通のメールが寄せられ、これに懇切丁寧に応えているという―、さらに、定例会の際にはかならずメンバーの意識を高める話し合いの場を設けているなどの工夫をしているとした。役員の任期が1年で、最初このことはマイナスかとも考えたが、現在では全世帯の3分の1が役員経験者で、このことがプラスに働いていると語った。
住民のニーズに応えられているか!
また、最初は役員就任に拒否反応を示し、「団地を出て行く」といった人が、自治会活動を経験するなかで、意識が変わった事例も報告され、人は日々の実践活動のなかで変わっていくものだという報告もなされた。
助言者から、最初に加入率の低下を云々するのは本末転倒ではないかという指摘があった。住民の活動であるNPOは参加する人は増え、活き活き活動している。一方自治会は今一つ元気がない状況だが、「メリットがある、楽しい」などの住民のニーズ応えられる活動になっているかが大事だとした。
個人情報保護法が活動を阻害しているのでは
個人情報保護法が、活動をすすめる上での阻害要因になっているという意見も多く出された。最近のPTAの名簿などをみると電話番号や住所を省いているケースがあるが、個人情報保護法にとらわれていると良いコミュニティはできないという声、地震災害を経験して、お年寄りなどが登録してあった自治会では、確認作業が早く済んだということからも、こういった情報は自治会でも持っていた方が良いとした意見も出された―もちろん名簿の管理は万全を期すという前提のもとだが―。
また、役員が長期間やることは、必ずしも悪いことではないとした意見も出された。むしろ大事なのは、その選考方法、信任のプロセスがちゃんとしていることだとした。そして人材は地域にいるのだから、そのような人が役員候補者として上がる選考プロセスをとってほしいとした。
根本的な見直しの時期では
最後に、戦後60年を経過し、社会は大きく変わっている。自治会町内会も見直す必要があるのではという指摘があった。例えば、「『会長』という役職をおく必要があるのか」、「役所が縦割りだと批判をするが、多くの自治会町内会は『部制』をひいているではないか。自治会町内会もまさに縦割り組織ではないか」など、自治会町内会を根本から問い直す時期ではないかというもの。
最後に、助言者はある自治会町内会代表が語った「人の喜びをわが喜びとする」という言葉に感銘を受けたとし、この言葉を分科会の締めくくりの言葉とした。
一口に自治会町内会といっても、その姿は多様である。数世帯から数千世帯、住民も高齢者が多い自治会、若い人が多い自治会と。そこでの活動の方法や組織運営のあり方は多様であって良いだろう。しかし、分科会で語られた「住民の生活を守る」そして「人の喜びをわが喜びとする」ことが自治会町内会の役割というのは、分科会参加者の共通した思いとなった。
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| 第6・まちづくり(あしたのまち・くらしづくり活動賞)の分科会 テーマ「地域の「思い」つなぎ、いきいきとしたまちづくりを」 |
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(順不同・敬称略)
【助言者】
高橋勇悦 あしたのまち・くらしづくり活動賞中央審査委員長
福留 強 生活会議運動中央推進委員長、コーディネーター
岡完治 財団法人あしたの日本を創る協会、生活会議運動中央推進委員
【司会者】
木村幸一 日本吹き戻し保存協会、実行委員(兵庫県)
【事例発表】
あしたのまち・くらしづくり活動賞
まち・くらし活動部門
豊重哲郎 柳谷自治公民館(鹿児島県)
神山英昭 NPO法人足尾に緑を育てる会(栃木県)
荘司満智子・仲田光子 水戸女性フォーラム(茨城県)
高橋岩五郎 湯沢市岩崎地区町内協議会(秋田県)
企業の地域社会貢献部門
土居年樹・田代博一 天神橋3丁目商店街振興組合(大阪府)
雨貝宗一郎 綜合警備保障株式会社(東京都)
宮崎淳子・井上小太郎 住友生命保険相互会社(東京都)
【実行委員】
藤岡基昭 住みたくなるふるさとづくり実行委員会(山口県)
「平成19年度あしたのまち・くらしづくり活動賞」のまち・くらしづくり活動部門及び企業の地域社会貢献活動部門の受賞集団の事例紹介とともに、まち・くらしづくり活動における地域活動集団と企業、行政間の、また、地域活動集団同士、企業同士の連携について話し合い、「地域活動集団、企業、行政の連携でまちづくりに関する情報を共有することが重要」「地域社会貢献をしたいと考える企業もあり、地域からも積極的に連携に働きかけを」「行政は、職員が地域活動に参加するように働きかけるなど、地域活動集団や企業が地域貢献活動しやすい環境整備をしてほしい」などの意見が出された。
事例紹介では、まず、企業の社会貢献活動部門が活動を紹介した。
内閣総理大臣賞の天神橋3丁目商店街振興組合(発表者・土居年樹さん)が、「まちの安全・安心を守るために商人が住み続けるまちにする」、また、「文明によりなくなりつつあるまちの文化を再興する」ことにより、まちの活性化を図っているとのべた。内閣官房長官賞の綜合警備保障株式会社(同・雨貝宗一郎さん)は、「本業を活かす」「継続性のある」事業として、全国の小学生を対象にあんしん教室を開催していること、主催者賞の住友生命保険相互会社(同・宮崎淳子さん)は、「ヒューマニティー(人間性)」と「ハーモニー(調和)」をもとにした職員の地域の福祉や環境のための活動を紹介した。
まち・くらしづくり活動部門の内閣総理大臣受賞の柳谷自治公民館(同・豊重哲郎さん)では、「青少年を活動に巻き込む」「活動のための自主財源を確保する」ことにより、地域住民参加による行政に頼らないむらおこし、内閣官房長官賞のNPO法人足尾に緑を育てる会(同・神山英昭さん)は、「出来る人が、出来る時に、出来ることをする」ことにより、誰でも参加できる山の緑化の活動を紹介した。また、主催者賞受賞の湯沢市岩崎地区町内協議会(同・高橋岩五郎さん)は、地域間の思惑により、公共施設の設置場所などをめぐり紛争が続いた地域を変えたのが「対話の土俵づくり」であったこと、水戸女性フォーラム(同・荘司満智子さん、仲田光子さん)は、「人にやさしいまち、まちにやさしい人へ」を合言葉に、まちを歩き、気付いたまちのハード、ソフトの問題点を調査、市などへの提言や自らの活動に活かし取り組んできた、と述べた。
午後は、この活動事例や各集団のキーワードをもとに、天神橋3丁目商店街振興組合を除く6団体・企業で、地域生活の向上、活動のため住民、企業、行政の連携をどのように図っていくか等が、福留強生活会議中央推進委員長を司会に分科会参加者を交えて話し合われた。その概要は次の通りである。
活動しやすい環境づくりを
司会 事例紹介について、会場から質問があれば。
参加者・東京 活動で、どのようなことがバリア(障壁)になっているか、なっているように感じたか。それを解決するためにどのような活動をしたか。
豊重 地域の世話的役職は苦労が多く、引き受ける人が少ない。そのため、リーダーシップを持ったリーダーがなかなか育たなかった。そのため、地域活動に経営的感覚を持ち込むことにより、自主財源を確保し、リーダーの役割に見合う手当てを出せるようにして、誰でもリーダーになってもいいと考えるような環境をつくった。人づくりの土台づくりは、行政には出来ない。柳谷住民300人を集団として、人の考え方、生活の状況も考えながら、住民の住む半径100メートルの地域のことを熟知した仲間づくりをしたことが原点だった。
荘司 地域活動について、市民と行政は対等だと言うが、実際は法律や財政によって行政が上に立っていると感じた。
雨貝 企業が地域貢献活動をすると、営業行為と誤解され、授業を受け入れてもらえなかったが、ある校長先生が進取的に受け入れてくれ、その成果をPRしてくれたことから広がっていった。
井上 社会貢献活動は仕事以外の活動であり、職員になぜ企業が社会貢献活動をするかを訴えた。当初、反対した職員が最後には一番の理解者となった。
司会 水戸女性フォーラムから行政と地域活動集団が対等ではない、との発言があったが。
荘司 市行政が、観光を活かしたまちにするかも含め、どのようなまちづくりをするか、行政のコンセプトがはっきりしていなかった。そのため、行政内の調整が取れず、ある部署は理解しても、他の部署はダメということがある。
もう一つは、市の事業を依頼され、活動の実績が認められたと喜んだが、NPO団体でないということで、結果的に主体的な企画・運営が出来ず、行政の意向が強くなり、手伝い役の感があった。
司会 足尾は当初から民間が中心のまちづくりとのことだが、行政に対してはどのように考えているか。
神山 足尾の財政は厳しく、財政的支援は難しいことが分かっていたので、当初から、活動は補助金に頼らず、自分たちでやるという姿勢だ。ただ、行政には会場の貸与や、活動に関係する情報を提供するという便宜を図ってもらいたいと思っている。
司会 住友生命では、一番反対した人が一番の理解者になったとのことだが。
井上 企業といえどもこれからは、地域と一緒の存在でないと成り立たないと社会貢献活動を始めたが、職員にとっては、仕事時間以外は自分のことで忙しいとの意見が出た。これも正論である。こうした場合、ただ上司からの命令であれば簡単だが、地域で生活する住民としての立場で、地域と企業の関わりの重要性を職員に訴えた。反対する人は何らかの問題意識を持っており、理解すれば活動も積極的に取り組んでくれた。
参加者・栃木 地域住民が非常に増えた地区で、高齢者など地域人材を活かし、生産活動を通じた社会教育活動をしたいが。
豊重 生産活動では既成概念で、いつ、どのような作物をつくるかだけを考えるが、柳谷は好気性の土着菌を利用し、土づくりのグループをつくった。2年たって、この土を使い無農薬、無化学肥料の作物を栽培する高齢者を中心とした二つ目のグループをつくった。三つ目は、安全・安心な食材を使った加工品を作る婦人のグループをつくった。この加工品をインターネットで販売する若い人たちのグループもできた。
地域からも企業に働きかけを
司会 企業は地域社会貢献活動について、企業間で、また、NPO団体等とどのように連携しているか。
雨貝 お互いの本業を活かして出来ること、教育関連企業と協力し、幼稚園児のための防犯紙芝居をつくった。
井上 京都で竹を切る地域貢献活動を始めたところ、京都フォレスト協会、京都大学、京都市から協働で作業したいとの申し出があり、連携が瞬く間にできた。寄付は、原則断っているが、現在は、社会貢献が企業実績の一つになっており、企業は地域や地域活動集団などとの連携の事業はむしろ待っている状況である。その際、行政が事業に協力しているとさらにやりやすい。
荘司 市内のイベントの前に、清掃をしている。その際、企業、学校にも参加を呼びかけたところ、企業からも参加し、参加者全員に帽子や飲み物を提供してくれた。また、市内の銅像を清掃しているが、大学の美術の先生がボランティアで清掃方法を教えてもらった他、高い場所にある銅像を清掃するためクレーンを企業が提供してくれた。活動の味方をつくることにより、行政も目を向けてくれるようになった。
高橋 市民サイドのネットワークづくりに取り組み、市内のNPOはじめ、様々な団体、企業に呼びかけたところ、市内の土木会社が参加した。なぜ、参加したかを聞いたところ、地域貢献活動をしたいが、どのようなことをしたらいいか分からないので、参加して情報を得たいということであった。地域集団が行政も含めて企業も連携して、情報交換をして学んでいくことが大事だ。
参加者・兵庫 地元のタイヤなどを製造している会社は、地元密着のイベントを開くなどしてきたが、最近では、子どもたちに自然環境の大切さを知ってもらうために、社員が神戸の小学校でビオトープづくりを進め、現在、100校になっている。企業の売名行為を言われたが、今では理解される事業になっている。
豊重 連携は、活動集団だけでなく、地域住民の連携も必要だ。そのため、住民の関心をどのように地域に向けるかということがポイントだ。ネーミングを工夫し、孫など子どもたちのコンサートを開き、高齢者の関心を引いて、集落のことをマスコミに紹介してもらう。こうしたことなどを考えることにより、住民もやれば出来るということで、地域に目を向けてくれる。
参加者・福井 公民館のシルバー教室修了生でボランティアを始め、参加者が増え、40人程度になった。その際、行政に飛び込んで、地域のことを知ってもらうことで協力が得やすくなった。
連携の動きが地域で広がっている
司会 今後の活動の内容、考え方について、何かあれば。
豊重 集落の営農事業で納税することになったが、こういったコミュニティ納税は時限立法で控除することを考えてほしい。もう一つは、行政は地域活動についてもリーダーシップを取れる行政マンを育ててほしい。
高橋 10年後を見据えた地域計画を住民でまとめている。行政のプロがつくるのではなく、子どもから高齢者までの生の声を活かした。その中で、行政に対し新しく出来る公民館の管理を地域に委託してほしいと要望している。
荘司 地域活動集団でもまだまだ男性中心の組織になっている。そういう中で、一番難しいのは、最初は新鮮な内容で始めた活動がだんだんマンネリ化してくることである。地域活動は横社会であるということを思い出し、新しい発想でマンネリ化を乗り超えたい。
神山 足尾に魅力を感じてくれる人を大切にし、リピーターになってもらう。そのためには、無理のない運動で、続けることが大切だという考えをもち続けたい。
司会 大学でも地域社会貢献を、地域と連携して活動しており、連携の対象になる。企業でもリーダー育成事業を始めた例もある。連携できる環境は広がっていると思う。
地域活動が重要な役割持つ時代
この後、高橋勇悦あしたのまち・くらしづくり活動賞中央審査委員長が、協議を通し、次のようにまとめた。
現在、社会が大きく変わりつつある時で、発表のあった各集団・企業の直面しているテーマは、それに伴い生まれた問題だ。子どもが少なくなり、高齢者が増える、個人単位の生活になってくるといった、かなり深刻な問題になっており、こうしたことに、以前は行政が対応したが、今は出来ない、頼めない、ということが多くなった。
そのため、自分たちで地域のことを調査し、解決の方向を示し、地域活動集団、企業などが連携して、地域住民が解決する。さらに、行政を逆に動かす、ということで、地域活動がその一翼を時代になった。いわゆる「新しい公共」ということが求められている。そうした活動を支える存在として、団塊の世代の存在がある。この世代は地域活動にも関心がある、文化にも関心がある、そうした層を運動の後継者として、十分活かせるのではと思っている。
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