| 「アース・地球環境」22号掲載 |
| ルポ2 |
| ふじの国駿河 人と自然の共生(ともいき)宣言 |
| 第18回牛乳パックの再利用を考える全国大会in静岡 |
| 「全国牛乳パックの再利用を考える連絡会」(平井成子代表。以下「全国パック連」という。)は、牛乳パックの再利用を媒介として、環境、リサイクル、教育、福祉、国際交流など幅広い活動を展開している。 全国パック連では、ジャンルを超えた情報交流を行い、活動の発展拡大を目的として「牛乳パックの再利用を考える全国大会」(以下「全国大会」という。)を、毎年各地を回り開催している。 第18回目を迎えた今年度の全国大会は、「紙の町・富士山のそびえる町」として、全国的にも著名な静岡県富士市において、7月31日〜8月1日の2日間の日程で開催された。その概要を紹介する。(事務局 篠河) 「紙の町・富士山のそびえる町」静岡県富士市に1300人が集う 第18回全国大会は、地元の市民団体・NPO法人・大学・企業などで構成する実行委員会が主催し、「富士市文化会館ロゼシアター」において開催した。全国大会のメインテーマは、「ふじの国駿河 人と自然の共生(ともいき)宣言」として、2日間にわたり地元市民を始め、全国から約1,300人が参加した。 1日目は、食生活研究家の魚柄仁之助氏を講師に、演題「節約疲労はもうやめよう」の記念講演、「富士山の麓から共生と協働を見つめなおそう」をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。 2日目の午前は、牛乳パック、森と水、食、生ごみ、子ども環境サミット、再生紙の6分野に分かれた分科会、午後は、分科会報告や大会宣言を採択する全休会を行い、今年度の全国大会は、成功裡に終了した。 「味・栄養バランス・経済性」が成り立つ食生活を 魚柄仁之助氏の記念講演は、ご自身の実践体験やエピソードを交えながら、終始、参加者を飽きさせないソフトでユーモラスな語り口で、1時間余の講演時間は「あっという間に」終わった。 講演の要旨は、以下の通り。 ・環境に寄与する持続可能な食生活の3要素は、「味・栄養バランス・経済性」が成り立つもの。 ・食生活の改善には、摂取量として、(1)穀物・豆・かぼちゃ等の重い野菜等、(2)魚介類・海草・果物・ほうれん草等の軽い野菜等、(3)肉・油・糖分等の順が適当。 ・食材等の便利な保存方法 食材の保存には、ジャム等が入っていた「広口びん」を活用する。「広口びん」に、豆類、昆布(小さく切って、穀物等の食材を入れ、台所の取り出し易い場所に保管しておくと大変便利。 ・日本は水の輸入国でもある。 日本の食材は輸入割合が高いが、食材の輸入伴って、食材生産時の水を輸入していることにもなる。 食材生産時の水の使用量は、例えば、豚肉1kg当たり11,000リットル、牛肉1kg当たり100,000リットルの水を使っている。 アメリカでは、農業用水を地下水で賄っているが、地下水の水位が下がり、元の水位に戻すには今後150年間掛ると言われており、地下の空洞化が進んでいる。 われわれは、食材生産時の水使用のことも十分認識しながら、食材の無駄な使用を止めるべきだ。 自然環境の保全と人間生活の両立を目指そう テーマ「富士山の麓から共生と協働を見つめなおそう」のパネルディスカションは、コーディネーターに帆足養右氏(富士常葉大学教授)、パネリストに渡邊新氏(富士山本宮浅間大社宮司)、渡辺豊博氏(静岡県エネルギー対策室室長)、笠井重厚氏(静岡県紙業協会前会長)の3氏が出席し、熱心な意見交換が行われた。出席者の発言要旨は、以下の通り。 【パネリスト 渡邊新】 昭和40年以降、富士山は急速に汚れた。入山する人がルールを守らずごみを捨てるからだ。人間が汚したツケは、いずれ回ってくる。自分の時代だけでなく子孫の時代へも及ぶことを認識すべきだ。 自然から与えられる最大のものは山の恵みだ。山は人と動物の共生の世界でもある。 自然に対し、誠実で真剣であることが人の道だ。 【パネリスト 渡辺豊博】 富士山は、今は人が自由に入山できるが、入山する人がルールを守らないため、大変汚れている。また、山麓一帯は、かつて産業廃棄物の処理場として使われ、地中には今も廃棄物がそのままだ。 われわれ日本人は、このような富士山の実態を認識し、「あこがれの山」から「事実の山」として、山の環境を守っていくことが必要だ。 また、市民・企業・行政の協働を効果的にするには、(1)お互いを尊重し、相手の立場になる、(2)目標設定を明確にし、お互いに汗をかくことなどが必要だ。 【パネリスト 笠井重厚】 富士市は、水が豊富であり、紙原料の「みつまた」の生産地であったことから、古くから製紙の町として発展してきた。 製紙業界では、地球環境面に配慮した操業や取組みを行っている。例えば、古紙のリサイクル率の目標設定と実行、建築材等の用材として利用できない端材をチップにして紙原料にしている、計画的な植林事業や操業時の省エネの取組み等を業界全体で行っており、成果も上げている。 【コーディネーター 帆足養右】 良好な自然環境が維持できなければ人間は生きていけない。自然環境を悪化させる原因者は、人間だ。代表的なものは、人間の生活によって出される「ごみ」だ。人間は「ごみ」を出さないで生活はできない。問題は、その扱い方だ。もう少し、真摯に受け止め、資源として何かに使えないかをよく考え、それを徹底して実行することが大事だ。 「牛乳パック」のリイサクルは、資源活用の代表的なものだ。「ごみ」を上手に扱い資源活用を促進することで、自然環境の保全と人間の生活が共生できる。 |