「アース・地球環境」23号掲載
イベント報告

「循環型社会形成のしくみづくり」方策を検討
平成16年度あしたのくらし・ふるさとづくり全国フォーラム第4分科会
 (財)あしたの日本を創る協会主催の平成16年度あしたのくらし・ふるさとづくり全国フォーラムは、東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて11月9日分科会、翌10日全体会の日程で開催した。
 第4分科会では、各地域において循環型社会を形成し、これを推進拡大するにはどのような取組みが必要か。行政、企業等の取組みや生活学校、市民グループの活動事例を参考として、具体的な方策を検討した。
 午前は、2人の講師のミニ講演を行った。
 午後は、「レジ袋の有料化について」の事例紹介。次いで、3人の生活学校リーダーから、「グリーンコンシューマー活動」「保育園と連携した循環型社会環境づくり」「市民グループによるリサイクルショップの運営」について事例発表。次いで、参加者が6班に分かれ、「レジ袋削減の推進拡大策」「ゴミの発生抑制と資源の再利用の推進拡大策」「循環型社会を形成するための地域や家庭の役割」をテーマとして、グループ討議を行った。
 最後に、参加者と助言者による研究討議を行って、今後の地域活動の方向性や重点項目
について、取りまとめた。(事務局 篠河)


ミニ講演

自ら廃棄物等の排出者と自覚し、ライフスタイルの変革を

 環境省の吉田元さんの講演要旨は、以下のとおり。
 循環型社会の基本になる法体系、循原型社会基本計画の概要、同計画に基づく数値目標(国民1人1日ごみの排出を20%減)の説明後、循環型社会基本計画では、国民の役割として「自ら廃棄物等の排出者であることを自覚し、ライフスタイルを変革すること」を期待しているとの呼び掛けがあった。また、NPOやNGOの役割として「行政・国民・事業者等各主体の環境活動のつなぎ手となること」を期待していることを強調した。

無料配布がレジ袋乱用の原因

 東京学芸大学の舟木賢徳講師の講演要旨は、以下のとおり。
 わが国のレジ袋問題は、「レジ袋の無料配付が乱用を促進している」ことに集約できる(わが国のレジ袋使用量一年間375億枚、1人1日1枚)。諸外国の取扱内容について紹介かおり、これらを参考として、わが国のレジ袋問題の解決策として、次の提案がなされた。(1)製造・販売業者の再商品化委託料の引上げ、(2)拡大生産者責任を課し、収集・運搬・圧縮の経費を負担させる、(3)レジ袋に課税、(4)無料配付の禁止。


事例紹介

首都圏のスーパーが「レジ袋商品化・マイバッグ持参率80%」

 平成15年8月〜9月に実施した「レジ袋についての企業調査」において、全国で唯一「レジ袋を商品」として取扱っているスーパーマーケットかおることが判明((株)オーケー)。
 このスーパーでは、「高品質商品を毎日低価格で消費者へ提供すること」を経営方針としている。このため、コスト削減を徹底しており、その一環として、レジ袋は、必要とする顧客に買って貰う「レジ袋の商品化」を実施。
 首都圏31店舗における本年8月時点のマイバッグ持参率は、約80%と極めて高い。


事例紹介

「買い物から社会を変える」を実践

 栃木県黒磯市生活学校の大内康子さんは、同生活学校が長年取組んできた「グリーンコンシューマー活動」を発表。
 問題解決には消費者、販売店、製造元が変わらなければならないことを実感。活動の拡大進展を図るため、「買い物ガイドブックくろいそ」を発行した。このガイドブックは、黒磯市内22店舗(スーパー、コンビニ、ホームセンター等)を調査し、環境配慮に関連する品揃えや取組みの情報と評価内容をレーダーチャート等で告示。市民に配付し「買い物から社会を変える」ことを呼びかけている。


保育園児と共に「遊び・学び・教える」

 青森県弘前生活学校の斎藤サツ子さんは、環境を守るため地域の保育園と共に「遊び・学び・教える」活動を発表。
 生活学校メンバーが先生役を担い、保育園のカリキュラムを月1回のペースで引き受け、「ゴミの分別収集・藍染めを通じて水資源の大切さ・牛乳パックの再利用・有機栽培農法等」の体験学習を実施。12年間の活動を通じて、「成長した子どもたちが確実に地域を支える主体になりつつある」と、その成果を強調した。


「リサイクルショップ」から3R運動を推進

 東京都日野第3生活学校の吉岡幸子さんは、12年前から同生活学校を含む市民グループが、日野市内で「リサイクルショップ」2店舗を運営していることを発表。
 取扱品は、衣類、日用雑貨、本等。平成15年度実績は、商品提供者:5,168名、購入者:21,212名。12年間の活動を通じて、(1)モノを大切にする暮らし、(2)ゴミを買わない暮らし、(3)ゴミを出さない暮らしが、確実に市民に浸透・定着してきた成果を強調した。


グループ討議

討議テーマ(1):レジ袋削減の推進拡大策・消費者、企業、行政が有料化を目標に話し合いながら進めるのが近道。
・先ず、生活学校が全国的に手を結び「ノーレジ袋・買物袋持参運動」を展開。その後、各地域で他団体と連携した活動に発展させ、行政を動かし全国的な「ノーレジ袋運動」に拡大させる。
討議テーマ(2):ゴミの発生抑制と資源の再利用の推進拡大策
・生活学校の運動として、デポジット制度の実現運動を展開。
・消費者、企業、行政の話し合いを活発化し、循原型社会のシステムづくりの進展を図る。同時併行して、子どもたちへの環境学習を活発化させる。
討議テーマ(3):循環型社会を形成するための地域や家庭の役割
・ペットボトルの再生品利用は不十分。ペットボトルの存在そのものを考えることも必要。
・グリーンコンシューマー活動の実践は、循原型社会づくりにつながる。


研究討議

 参加者と助言者(金森房子・癘{育生生活学校運動中央推進委員)との意見交換を通じて、今後の活動のあり方を、以下のとおり取りまとめた。
・循原型社会を形成するために、地域版の買い物ガイドブックの作成に取り組むなど、グリーンコンシューマー活動を各地で盛んにする。
・子どもと家庭における環境活動を進めるために、幼稚園、保育所等に働きかけ、これまでの実践的な活動を活かした環境学習をともに実施する。