| 「アース・地球環境」25号掲載 |
| 特集 夏の省エネルギー |
| 座談会 家庭でできる省エネルギー |
| 本誌では、省エネルギーを推進する観点から、「家庭でできる省エネルギー」というテーマで、各界の環境に携わる方々にお集まりいただき、座談会を開催した。座談会は、6月13日(月)、梅雨の季節とも思えない夏の陽射しがまぶしい京都市中京区烏丸御地にある京都市民生活センターの会議室で行った。 ご出席いただいた方々には、お忙しい中、予定時間を超えてまでご熱心な意見交換をしていただいた。この場を借りて感謝申し上げます。(文責 事務局 酒井) 出席者 同志社大学経済学部教授 郡嶌 孝 NPO法人環境市民代表 癘{育生 京都市生活学校連絡協議会会長 中島和子 シャープ株式会社環境安全本部副本部長 谷口 実 積水ハウス株式会社環境推進部主任 木戸一成 司 会 生活評論家 金森房子 家庭のエネルギー消費が一貫して増加 金森 省エネルギーの重要性が一般に認識されたのは、1973年に起きました石油危機が大きなきっかけとなった様に思います。加えて、1990年頃から国際的な課題として地球温暖化問題が登場し、温暖化防止対策の面からも省エネルギーの要請が高まってきました。特に本年は、京都議定書の発効年ということで、政府も関係法令等の拡充整備を進めておりますし、消費財等のメーカーも省エネ型製品をセールスポイントにするなどといった様々な取組みが展開されている状況にあると思います。 しかし一方で、これまで約30年のエネルギー消費の伸びを見てみますと、製造業では大幅な省エネが実現したのに対しまして、家庭におけるエネルギー消費は、乗用車を含めますと、ほぼ一貫して増加しているという状況にある訳です。 便利さ、豊かさを求めているライフスタイルが背景にあるのではないか、或いは、石油危機を体験しなかった世代が増えてきているという状況とか、いろいろ、家庭における省エネルギーの成果がなかなか産業界のようにはならないのではないかと思います。 いずれにしても、この大切な問題について国などに任せるということではなくて、私たちが更に取り組んでいくことが大事なことではないかと思います。 それには、先ず、現状の認識とか、取組みの視点についての適正な情報を基本にしていかなければいけないんじゃないかと思います。今日は、それぞれのご専門のお立場からいろいろとご指摘をいただきまして、家庭における省エネルギーがなお一層活発に取り組んでいける様にご示唆をいただければと思います。 理解していることを行動に繋げるには 郡嶌 今おっしゃった様に、基本的に、重要性はその時代時代によっては少し変わっては来ておりますけれども、重要性そのものについてはかなり認識されてきたであろうという気がするんですよね。ところがおっしゃる様に、理解をしていることが必ずしも行動に繋がらないと。 日本人の行動と環境行動意識は、大体三つのことが言われているんですよね。一つは、何かというと「一人ひとりでやろうとすればなかなかできないが意外と赤信号皆で渡ればこわくない」と、「皆がやれば自分もやるけども一人ひとりではなかなかできない」というのが一つですね。それからもう一つは、「こういう自主的な行動というのは、危機的な状況になれば日本人は積極にするのですけれども、日常的に取り組もうとすればなかなかそれができない」ということ。それから三番目は、「CO2なんて目に見えませんから、そういうことへの工夫がなかなかおり得ない、そのために環境問題の中には採りにくい。」言い換えると、逆に言いますと、「皆で何らかの法制化をして義務化をされると何とかやらざるを得ない」という形になりますし、それから、ある程反目に見えるといろいろな人達が環境家計簿とかいろいろな形で見えるのが、いつの間にか「環境にやさしいけど懐にやさしい」というところがありますからやれると。 だから、市民とか国民の温度差がかなりバラツキがあるということ、それから二つめには、多様な価値観を持った人達がいますから、そういう人の価値観にとって押しつけてもできない。そうすると、やはり基本的には自主的な行動をしていかなくてはいけこいということが基本だろうと思いますね。 ただ、自主的といっても、先ほど言いました様に、強制されるんだったらやってもいいけれど、なかなか自分ではやれない、そうすると「一人でやってるとやれないんだったら、皆でやってるんだよ」ということが目に見えるような、そういう形を作っていくことが重要だと思うんですね。 1973年以降の省エネ・省資源の運動というのは、ある意味で国民運動になりましたよね、その辺から言うと、そういう形のやり方をやっていくというのが非常に今から必要なんじやないか。 言い換えると、個人の努力というものをどうやって強化しながら全体の中で効果があるんだよという、正に「ゴミも積もれば山になる」と言いますか、そういう形の中で個人個人の努力が全体として大きな評価になるんだよということを見せる様な、そういう仕組みというものを全体として評価するということが必要なんじやないかなと最近考えています。 容器包装の検討の動き 金森 省エネ型ライフスタイルというのは、結局循原型社会を作っていくことに関連して一つの役割を担うと思うんですけれども、関連して国の法令或いは自治体条例の整備が進んでいる中で、先生が本年6月に環境審と産構審の合同部会の中間答申をまとめられた容器包装リサイクル法の改正案についてお伺いしたいと思います。これはまだ最終案まで待たないと流動的な部分が多いと思うんですけれども、今のところどういう状況でしょうか。 郡嶌 そうですね。今、国の方の容器包装リサイクル法の見直しに掛からせていただいていますけれども、基本的に重要な問題だと思います。我々は買い物の中で社会を変えていくといいますか、その中で容器の問題も、それから昨今新聞に出ていますレジ袋の問題にしましても、結構これはCO2の関連なんかでいっても循環型だけでなくてCO2を削減する上においても重要なことだろうと思います。 その中で、できるだけ循環型社会の精神は、ご承知の様にリデュース、リユース、リサイクルということですので、10年経った経過の中で、少しずつリデュース、リユースを中心とした形のものに変えていく。それから、リサイクルも資の高度化と言いますか、資源的な観点からも含めて或いは廃棄物処理の観点からも含めて、より高度化していかなくちゃいけないというのが基本的な中で、もう一つ浮かび上がってきますのが、そういう中で、やはり一番大きな問題は、プラスチック類ですね。これは石油ですから資源の問題にしてもCO2の問題にしても重要だと。 そういう中で、とりわけ今レジ袋の話をどう考えていくかまだ紆余曲折があるのですけれども、特にレジ袋の法制化の問題ですね。これが今、一つの話題になって来ておりますけれども、ご承知のように、これは我国の商取引の中での規制緩和の中でですね、公取との関わりの中で意味を持ってますし、まあおそらく法制化ができる可能性があるとすれば、強制ではなくて、ある程度の訓示規定といいますか、そういう形の中で何かの形でガイダンスを示して、それを重視するような緩やかな計画を立ててもらって、そしてそれを遵守を皆で評価しながらする、という形のものになるだろうという気がします。 環境先進国韓国に見習おう ただ、日本は環境先進国といいますとドイツばっかり見に行きますけれども、お隣の韓国の中では、かなり市民団体がレジ袋の削減に取り組んで成功した事例があるんですね。これはスーシンショップというNGOなんですけれども、スーパーと一緒になってレジ袋を無料で配ってはならないという。有料化でなくて。そうすると、無料で配ってはならないとはどういうことかというと、勿論有料化をしてもいいということなんですね。それから二つめには、レジ袋を配るけども回収する。これは貸してる話ですよね。それからもう一つは、レジ袋を渡してその後回収をしたら景品を渡すと。これも無料じゃない。と言う形の様々な取組みの形を追求しながら、あるスーパーと実質的な協定を結びながらやっていたらかなり効果があったと。それを国の方で評価をしまして、そしたら、そういう形のものを有料化していこうということと、もう一つは例の日本でやってますマイバッグ運動ですね。あの様な形の二つの流れが一緒になりまして、うまくいった事例なんてすね。 だから我々も市民と行政が一緒になって、新しい自主的な取組みをする中で 取り組むようなことができればという訳で、京都の中島さん進生活学校の方にご協力いただきながら、今スーパーさんと動きを変えていこうという話をしているところです。 金森 そうですか。韓国はユニークですね。 郡嶌 ユニークですよ。結構。韓国というのは、環境政策については、世界でもやっていない様なことを結構やってまして、特に消費者団体、環境団体の非常に広がりがありますし、それからかなり力を持ってるんですね。 金森 そうですか。 郡嶌 だから、韓国には度々行って、タクシーの運転手さんに会うと、自分のとこで環境保護をしましょうと、自分が入っている団体のステッカーを貼ったりですね。日本よりも意識が高まっているといいますか。その辺からいくと日本は学ぶべきと思います。 環境家計簿の効果 金森 ありがとうございました。今、環境団体とか韓国の話などが出ましたけれども、生活学校として中島会長のところは家庭でできる省エネについて環境家計簿の実践をなさった構ですから、先ずその取組みからご紹介下さい。 中島 郡嶌先生が理事長をしておられる京都府地球温暖化防止活動センターからいただきました環境家計簿につきまして、夏と冬の最もエネルギーを使うときに3ケ月間ずつつけた訳なんです。一番初めに、日常生活の中でできることはどんなことか、例えば、一緒の部屋に家族で住むとか、不要の電気はこまめに消すとか、テレビは見たいときだけつけるとか、或いは使わないスイッチは取ってしまうとか、そういう日常生活でできるエコチェックです。 それからもう一つは、家事の面でどういうことができるかということで、冷蔵庫に物を詰め込まないとか、長いこと扉を開けっ放しにしないとか、或いは給湯器の温度を低めに設定するとか、洗濯はまとめて洗いなさいとか12項目ありました。 その次は、外出のときにできるということで、例えば、野菜は旬の物を買いましょうとか、買い物袋を持参してレジ袋を断るとか、ペットボトル等は資源ゴミに出していますとか、自家用車を使わないで、自転車とか公共を使いますかとか、そういう風に3つに分けてチェックをした訳なんです。 そしてできました後に結果を個々にいただきました。そうするとその部分が出来てどの部分が出来ていないか、形になって出てくるということで、良く分かりました。センターには専門家がいらっしゃいまして、自分達の生活診断書を書いていただきました。この家計簿をつけるに当たって、消費量を書かなくてはいけない、例えば、8月、9月、10月の電気がいくらかかって何キロW使ったか、前年度のは領収書に使用量を書いてありますから、前年度と比べてくると自分ではっきり分かりますので勉強になりました。 環境家計簿を付けることは、私達の生活をもう少し環境にやさしいライフスタイルに変えるには的確な行動に移せることじゃないかな、今まで知識としては分かっていても行動に移せないとおっしゃいましたけれども、そのとおりだと思う、一般の府民の中にもこういう家計簿によって、自分達で反省して気を付けなければいけないことが分かる材料になると思います。 市民には府の方から府民だより等で呼びかけがありました。 金森 何人ぐらい参加したんですか。 中島 15人ぐらいだったと思います。 金森 目に見える数字で示されると、客観的に自分のライフスタイルを見直す手掛かりになりますね。 中島 古いエアコンを新しく買い替えてかなり省エネになったとか、調査を終えた後で話し合いをすると、省エネ機器による効果が目に見えて気付いたと話合いをして分かりました。 省エネラベルと省エネ商品の勧め 金森 省エネ機器の話が出ましたけれども、省エネラベルの店頭表示も取り組んでおられますね。家電の省エネ性能表示の動きは、昨今、各地に広がっている様ですが、その発生の地である京都で初めから活動してこられた状況についてお聞かせ下さい。 中島 省エネラベルは皆さんに知っていただくまで時間がかかることなので、京都市が地球温暖化防止条例が出来上がって発効したものですから、その中に省エネラベルを使うという情報を入れていただきました。そしてポスターを全市の広報板に貼っていただきました。小さくて見にくいですけれども、AAAとは何だろうかと見ていただけた方々は少しは分かったんではないかと思います。 2004年度には府内に160店舗になりました。その前の年は、そのうち26店舗が量販店とスーパーなんですけれども、熱心なところは確実に貼っていらっしゃいました。 今、他のラベルがいっぱい貼ってあるんですね。安くしてますよとか、何々できますよとかのラベルと混同する部分があって、貼るところを替えてほしいとお願いしました。 2004年8月に全国省エネラベル協議会というのが発足しているらしくて、東京、札幌、埼玉、静岡、大阪、香川、高知などで始まっているようで、府内でも、宮津市が熱心に取り組んで下さっていて、これからだんだん広がっていくと思います。 特に京都市は、条例の中に入れ込んでおりますので、義務化という形でやっていかれると思います。京都発信ということで頑張らねばということで、今年2005年は小売の電気屋さんの方々に省エネ製品の販売促進をしていただけるようにこれからお願いするんですけど、その前に、研修会を聞いて小売屋さんの店主に来ていただく様にお願いしましたが、なかなかお忙しくて来ていただけないので、私たちが回って個々にポスターを持ってお願いをしている訳です。ただ、(家電業界の)皆さんが非常に熱心に省エネを図ってきて、200%を超えるのがたくさん出て来ているので、協議会としては、AAA、A、B、Cという基準をもう一度見直さないと、Cは殆んど見当たらないと思います。ともかく、少しずつ浸透していると思います。店員の方とお話しますと、「この頃の人は消費者の方から電気代の安くつくのはどれですかと聞かれます。大型化していますので、電気代のことを考える人が多くなった」と言われます。 それから、3月から4月にかけて、京都は大学が多く新しい学生さんが入って集まりますから、大学生協を通じて、新入生の方に気候ネットワークのNPOの方が冷蔵庫の電気製品を買うときは、省エネに注意してお買いなさいと呼びかけることをしています。 郡嶌 今、府の条例に京都地球温暖化防止活動センターもかかわっていますので、後押しをしようということで、省エネを促進している電気店にエコマイスターという認定をすることを考えています。 消費者に対して環境の観点から、或いは省エネという観点からきちんと説明できる人を置きなさいと義務付けをすることの検討がなされています。ポスターを貼ってますから読んで下さいというだけでなく、双方向のコミュニケーションをやるためにも、正確な情報を知っておられる店員から説明してもらって買ってもらうことを検討しています。 金森 谷口さん、京都の省エネラベルの取組みをご存じでしたか。 谷口 知っています。 金森 省エネ商品が出回っていますが、どの程反省エネになっているのか分かりにくいですね。そして例えばテレビの様に大型志向が強くなったり、以前は一世帯に一台だった保有台数が複数所有の時代になり、トータルするとエネルギーの消費が増えているのではないかと懸念されます。家電製品のエネルギーの消費効率は著しく向上しているそうですが、顕著なものはどういうものがありますか。 家電製品の省エネは著しい進歩 谷口 家電メーカーでは、省エネを超え、今は環境性能と言っています。省エネは当たり 前。 シャープも業界も大体同じレベルで考えて良いのですが、例えば、エアコンについて比べますと、94年賀は1,938Wだったものが2004年賀で922Wと、10年間で約1/2の省エネ化か進んでいます。冷蔵庫はもっと極端でして、900リットルクラスで94年度が1,382Wだったものが2004年度で170W大体1/8まで下がっています。テレビの液晶とブラウン管では、32型で40%くらいW数が少なくなっています。ということで、大型化になっても、消費エネルギーが増える訳ではないと。このように、皆様の声、世の中の動向の中で省エネは大変進んでいます。 家庭の消費電力の中で、エアコン、冷蔵庫、テレビ、洗濯機の4品目で大体7割電気を使っています。1年間に4,500kw普通の家庭で使うんですが、それを如何に下げるかこれからも努力が必要だと思います。ユーザーの方の観点から言いますと、待機電力が約10%あります。如何に待機電力を下げるか、残りの9割の電力を如何に上手に使うか、如何に省エネタイプのものを使っていくかということです。 ユーザーの方には、分かり易く話すことを考えています。CO2やってると言っても分かりません。例えば、エアコンの温度を1で高めに、暖房を1度低くすると、1年間でCO2が31kの削減に繋がると言うと何となく挑戦的になる。物差しをどう知らしめるかです。 これからは環境性能。 これからは、省エネは当たり前で環境性能です。一つは安全性ということで、ヨーロッパでも化学物質の規制が始まっている。日本もそう。これが二番目。三つ目は省資源。家電リサイクル法に基づいて昨年1年間に1,120万台をリサイクルしました。全国的にリサイクルプラントが38ありますのを共用し、軌道に乗りつつありますけど、これはこれで品目を拡大しようと言う話も出ています。 安全性の次は省資源の観点で、リサイクル性も含めて設計から最後までどうメーカーが理解するかです。メーカーとしては、作るのにどのくらいのエネルギーを使っていたかとか、最後にリサイクルに回ってきたときのリサイクルするためのエネルギーとか、それをライフサイクルアセスメント(LCA)と呼んでいますが、そのトータルをメーカーは知ることが必要です。要は、作るときの環境への優しさです。LCAのうち、例えば洗濯機ですと、作ってリサイクルまでメーカーの手の中で消費するエネルギーは100分のうち40くらいなのです。この40を減らす努力をする。残りの60はユーザーさんが如何に賢く使うか、メーカーとして賢く使っていただくようにいろいろ考えなければならない、そして、メーカーとしては、環境を視野に入れたときに、どこまで地球にやさしいか、或いは、ロングライフの製品にすることです。或いは再生材にする。シャープは、環境性能を企画段階と商品化するときに62項目を全ての製品でチェックしています。トップランナー方式ですから、来年になるとまた見直す等最大限努力しています。ユーザーさんも、賢く選んで使ってほしいと思います。 金森 店頭では、買う側からみると、他社の製品と性能が比較しにくいんですよ。店員が各社の製品情報を特っていてお客様に環境性能としてこういう特色があるということが十分説明できるように販売員の指導をされていますか。 谷口 各販売店の方に新製品の説明会をやるときに、エコロジーライフで行きましょうということで、エコロジーの観点で、製品の特徴と同じかそれ以上の説明をお客様に聞かれたことにきちんと答えられるように努力しています。また、それが買替促進に繋がっています。 リサイクルの活用状況 リサイクルヘ回ってくる量は、5〜6%と、家電生産量を上回っています。ユーザーは、環境なり省エネで判断される時代になっていますね。 金森 現在、テレビ等の廃棄時に消費者が支払うリサイクル料は各社同じですが、小型テレビでも大型テレビでも同じ料金なのはおかしいのではないかという苦情を聞きます。この点については如何でしょうか。 谷口 リサイクル料金は、回収してリサイクルするシステムの予測の中で考えられた料金で、リサイクル法の中で大切なのは、「メーカーはリサイクルする義務がある。販売店はユーザーのところから集配して来て届ける義務がある。ユーザーはリサイクルするコストを負担する義務がある」ということで、三位一体のこの仕組みは良く出来た仕組みだと思います。小型か大型かは言われるとおりですが、だんだん大型化になって来ますので、長い目で見たリサイクルシステムです。リサイクルコストは、外部機関がきちんと計算しています。5年経てば、コストも品目の拡大も見直すことになっています。2007年度春の法制化に向けて検討されています。 郡蔦 リサイクル法も進化していくと思います。リサイクル法の中でいろいろな改善が進みます。メーカーも学ぶし、行政も学ぶという形の中で進行していくと思います。製品の耐久性も進みます。 住宅の省エネの工夫 金森 それでは次に、住宅の省エネについてのお話をお聞きしたいと思います。住宅については、規模も大きいし、消費者も家電のような頻度で購入するというちのではありませんので、その省エネの知識を学ぶ機会も少なく、情報不足という面も多いんじゃないでしょうか。設備としてできるものと、建ててるときしかチャンスがないものと、大きく分けて二つあると思うんですね,今住んでいる住宅のままで採り入れられる省エネとしては、どんなことができますか。 木戸 暮らしの器である住宅を提供していますので、いろいろな方法が考えられますが、住んでいただきながら減らしていくとなると、先程からお話に上がっています家電製品や給湯器がメインになると思います。 金森 給湯器なんか随分大きいですよね。CO2の負荷が。 木戸 そうですね。生活の中で排出されるCO2のうちの大体3割くらいが給湯で占められていますので、給湯器の効率アップによるCO2削減効果は大きなものになります。 最近ヒートポンプ式のエコ給湯器ですとか、ガスの給湯器でも今まで廃熱されていた熱を更にもう1回利用しようというエコジョーズというのが開発されていますので、そういうものを交換することも効果的だと思います。 金森 日本独特のニーズらしいんですけど、温水洗浄便座が普及していますが、これはタイプによっては消費電力量が多いようですね。こういう使い方をしないと電力が無駄になりますよというアドバイスなどはしておられますか。 木戸 住宅メーカーとしては、ある住宅を提供して、プラスを意識して暮らしていただかないと、なかなか意図した効果が発拝できないということがありますので、こういうエコブックというのがありまして、こういう暮らしをすればCO2なり光熱費が下がりますよという情報と、技術的な情報と、お客様ができるライフスタイルの情報を提供していただいています。 もう一つインターネットのホームページを立ち上げて、その中でエコアイテムとエコライフを提供しています。 金森 屋上の緑化が進むにつれて水漏れなどの苦情が多くなっていますね。植栽する屋上の対策が的確でないせいでしょうか。 木戸 当社の場合、住宅全体を考えてシステム開発をしていますので、屋上緑化のシステムについても荷重や防水等を考慮した設計になっています。 金森 そうですか。 木戸 その分、費用は高くなりますが、住宅全体を考えるとちゃんとした設計をしておかなければいけないと考えています。 金森 安全、安心に繋がる価値を理解することも必要でしょうね。 断熱性能を上げるには 金森 一番多く省エネのために住宅に利用される方策は何ですか。 木戸 住宅全体になりますと、住宅の断熱性能向上にも取り組んでいます。現在、国内で最も高い基準が次世代省エネルギー基準というもので、当社ではすでにすべての戸建住宅でその基準をクリアしています。大手住宅メーカーを中心に普及は進んでいますが、全体で見ると、クリアしているところはまだ2割ほどしかないようです。国の目標でも京都議定書に関係して、2008年までにそれを50%に持っていきましょうという目標は出されています。 住宅の断熱性能の向上は光熱費が安くなるというメリットがありますし、夏涼しく冬暖かいという快適性の向上にも寄与するため、比較的住まい手にも受け入れられやすいと思います。 省エネラベルの工夫と普及の努力 金森 産業界の取組みが進んでも、消費者の方が追いつかないのが現状です。電気製品もどんどん省エネ効率が改善されていると分かっていても、10年毎に買い替えるのは難しいです。癘{先生からご覧になって、どうしたら無駄なく効率よく省エネが実現できるかご意見を聞かせて下さい。 癘{ 東京の省エネラベルは、A、B、C、Dになっていたようですが、まだ分かりづらかった。京都で工夫したのが、シングルA、ダブルA(AA)、トリプルA(AAA)というものです。平均使用年数による予測電気料金も明示したので、作る方、売る方、また買う方にも支持され易いと思いました。Aランクで省エネ性能としては合格したが、省エネの点で、Aの中にももっと良い物がありますよということを考えたのが京都の一つの工夫です。売る立場、商工会議所の方、消費者団体の方々が入って話し合いの中でこうした下地があって生まれてきたのです。 ただ良いから、分かり易いから貼ろうというだけでなく、こういう仕組みを作っていかないと中身のある活動になりにくいのです。生活学校などを通じて、なるほどと思っていただいたことが重要なことです。理解して積極的に使うか、単にラベルを貼ってあるかで大きな差が出てきます。 それからもう一つ京都で努力しましたのは、家電の販売店の方々に研修を受けていただいたことです。これが非常に大きなことだったと思うんで、店員の方々に理解して話していただくことが大きな効果を上げると思いました。その方々が地球温暖化ということを考えて、見掛けは高いかも知れないがいろいろプラスがある、使っていけば安い、なおかつ売る方にもプラスになるということを理解されれば、このラベルも積極に活用されるということです。 そういう丁寧な取組みがないと、もしこのような運動が他県に広がったとしても、単にラベルを貼ってあるだけじゃあeマークより分かり易くなっただけです。 そのラベルを活用していく地域的な活動が必要なわけです。これは、成果と同時に教訓も得られたと思っているんです。 自転車・バスの活用は社会の仕組みが大切 日本では、交通の問題もなかなか進みません。北欧やドイツ、オランダでは自転車交通がかなり進んでいます。日本の今の状況からすると、自転車に乗ろうとしても現実の道路では限界があります。しかしある程度社会がそれに応じていろいろのことをすれば、もっと乗り易くなり、乗る人も増えます。社会の仕組みが重要かなあと思います。それも自治体や政府を待っているんじゃなくて、我々の方から働きかけることが重要なんじやないかな。 京都でコミュニティバスが走っているところがあります。これが本来は京都市交通局の方でやってほしかったですが、なかなかウンと言っていただけなかったので、地域の人達が自分達が考え、NPOやいろいろの方が協力して自分達の力でコミュニティバスを走らす活動に繋がりました。マイカーに出来るだけ乗らないようにしましょうと個人の努力に訴えるのではなくて、乗らなくても代わる乗り物かおりますからと、乗らない人のライフスタイルを支える仕組みが大切です。少しでもやろうという人が出来るような情報や社会の仕組みや環境を作る、そこを作っていくことが重要だと思っています。 温暖化問題を伝える努力と工夫を 日本は、温暖化についてまだ伝わり切れていないと実感しています。環境省やいろいろな調査によりますと、8〜9割の方々が温暖化について関心があって、怖いと思っていらっしゃるんですけど、じゃあ日本の人達の生活でどんな影響があるかということに、実際の行動にはあまり反映していないのが現況です。やはり緊急や危機でないと人々は動きません。ただそれだけに科学的に予測されている大きな影響について、誰にでもわかりやすく伝えていかねばなりません。 あとは、環境に良いことと他のメリット、おいしいとか、新鮮だとか、健康に良いとか、生活に豊かさを感じるとかと併せる形の提案が受け入れやすいと思います。 金森 そうでしょうね。 癘{ そのときに、旬の野菜はおいしくて、安くて、栄養価もあってという風に併せて、皆で考えなくてはいけないかなと思います。 私が期待しているのはリフォームです。今後大事なことは、リフォームに関してもっと住宅メーカーから提案していただきたいということです。どのようにリフォームすれば断熱性も上げることが出来るとか考えていけないのかなということです。今後は住宅は30年〜40年で建て替えることがない社会に入りますから、これは重要な問題だなあと思います。 金森 日本もリフォームをやっていく上の課題はないんでしょうか。 木戸 積水ハウスで考えても、既築のものが70万戸、新築は2万戸ぐらいです。90年から急に断熱性能がぐんと上がっていますが、それ以前の住宅をどうするかが課題です。当社は、リフォーム専門の別会社を今年創りました。リフォームには、これから力を入れて、単発のリフォームだけじゃなくて、省エネなどパッケージ提案していこうと思っています。 CO2削減に向けた研究 郡嶌 環境省の外郭団体に、地球環境戦賂研究機関というのがありまして、そこで我々がやっていますのは、ヨーロッパは2050年に対して今のCO2の排出量を少なくとも50%から80%削減が可能かどうかという計画を持っているんですが、なかなか日本では新エネがなくて省エネだけでしんどいんですけれど、私か担当していますのは、ヨーロッパでP・S・S(プロバット・サービス・システム)と言われているんですが、何か大きな問題かというと、一つは製品の環境性能を上げて、環境負荷を減らそうということ、その次には、それを作る段階でCO2を出来る限り減らすこと、最終的に出来ることは、物を売らないで、環境負荷を減らす機能を売っていくことです。例えば、京都でやっている「一人で車を持たずに共同で使いましょう。また、パーウォッシュという共同住宅で洗濯機を一軒ずつ持つのでなく、コインランドリーみたいな形の実験をするというようなことです。また、オフィスだけですが、蛍光灯を売るのでなく、メンテナンスをしていく、そういうビジネスモデルをしていこうと。 ビジネスとしては、儲からないといけませんが、物を売らなくてもサービスや機能を売れば、CO2が減れば、ということで、少しずつでも減らす形を提案しながら研究をしたいと思います。 金森 省エネのいい機会ですね。 郡嶌 流れは変わり始めています。ビジネスも、少しずつ環境負荷を考えるようになり、更にそれをどうやって減らしながら提案していくかですか。それに消費者がついていけるかが問題です。 企業の志向する先は 癘{ 企業では省エネに熱心に取り組むところが増え、会社の中では省エネを考えることが当たり前で、やらざるを得ない。ところが、働いている人が家に帰ってからそれに近い事がやれているか問題です。システムが出来上がっていて、それに乗ってしまうと、モチベーションがなくてもある程度の成果が上がります。家の中でも同じようなことができるかということです。そうしないと、主婦の方が中心で、お父さんや働いている人は変えにくいんじゃないかな。鈴鹿のホンダ社員有志が、会社でやっている省エネを家でもやろうと実行しています。知恵も知識も持っている方々ですからものすごく効果が高いということです。 レジ袋有料化は、理解を求める努力があって実現 金森 そうですか。ISO14001の認証を取得する企業が増えても個々の従業員のライフスタイルヘの波及効果がないと残念ですね。 郡嶌 皆で渡れば怖くない。(笑)横並びですからね。 癘{ レジ袋も皆で渡らざるを得ない運動が要望されているところですが、ご承知のことですが、オーケーストアーズというスーパーチェーンは、仙台市の一店舗を除いてすべての店でレジ袋は完全有料化になっています。新しく出店された店舗では「いろいろと文句言われませんか」と聞きますと、初めの1ケ月間一所懸命説明したら理解していただけるようになって、どこでも8割の方が袋を持って来るようになったと言われました。理解を求めていく努力がすごいのだと思うんですけれども、消費者の中にも理解し、行動する人が増えているんじゃないかなと思います。 郡嶌 ただですね。関西の方で、レジ袋を減らす運動の中で、ポイント制にしてシールを貼り最終的に環境団体に寄付する仕組みの所がありましたが、ところが消費者の要望は、「何で環境団体へ?自分たちへ返して」と言う声がありまして、地域によって温度差がありますし、他所で成功したからというのでなく、そこのところがどういう形で取り組むかということをきちっとしないと、ただ形だけ真似ても難しい訳です。 豊かさとは 言えるのは、ヨーロッパで理解されても、わが国ではなかなか理解されないのは、クオリティ・オブ・ライフ、生活の質の問題です。例えば、環境の先進国といわれているオランダでは、調査によると国民の半分は豊かさを捨ててまで環現問題に取り組みたいとは思っていないといわれています。それなのに、何故あのような環境先進国になり得たかというと、基本的に、環境を守ることは豊かさの一部である、言い換えると、クオリティ・オブ・ライフという考えです。環境と経済を両立させないと、自分のクオリティ・オブ・ライフは獲得できない、そうすると、環境を守ることがそういう風に生活を豊かにすることだと。何とか環境と豊かさを両立させるべきだし、する進があるはずだから、知恵を出していこうという形の中で、自らの問題として内在化する。 環境の問題が皆の中に内在しているところが日本と違うところでして、日本ではまだ環境の問題は意識はしても内在するまでにはいたっていません。それには、皆が分かるようにしていくことが必要だと思います。 経営と環境は同軸 谷口 先生の言われるように、企業でも、経営と環境が同轍でないと駄目です。どちらが欠けても受け入れられません。家庭と一緒の考えです。我々企業としてもいくつかの小さい事の積み上げと思っています。ライフスタイルを変え、オフィスでビジネススタイルを変える中で、地球にやさしい活動をもっと定着させねばと思っています。シャープとしては、物を作る工程ではスーパークリーンファクトリーとしてゼロエミッション(ゴミを出さない)の工場になっています。プロダクト(製品、生産物)の観点でも、マネジメント(経営管理)もきちんとやっています。後はマインドであったり、社員が家に帰ったときの問題であったり、物流、オフィスと4つの面に関わっていますが、今後はオフィスと家庭における省エネを肌にしみこむ形でマインドをどういう風にするか会社の枠を超えて呼びかけていこうと思っています。 郡嶌 よく冗談で言うのは、家の中で具体的に省エネに効果のあるのは、昨年一年間の電力料金を調べなさいと。それより少なかったら今年の料金の差額を子供たちに小遣いとして上げましょうと。そうすれば、省エネした分だけ得になりますから、家の中の電気を消すようになるでしょうといったことなど我が家の環境悦という形ですね。家庭の中でも会社の中でも、工夫次第でいろいろの環境の取り組みが出来る気がします。これは家庭の中だけではなく、企業の中では環境行動がボーナスの査定に響くようになりました。 金森 面白い提案ですね。 中島 少し話は違いますが、省エネラベルの活動でやっている中で、今は大型量販店が中心で、小売店は店の規模からカタログで売らなければならない。カタログには省エネマークが付いていません。だけど高齢化社会となってきたら、町から小売の電気扇さんがなくなってしまったら大変なことになってしまうから、きちんと研修を受けてそこまで話せる小売店でなくては困るという話が出ています。そういうときに、冷蔵庫、エアコン中心にやっているけれど、折角、省エネ商品がいっぱい出てきているんですから、蛍光灯1本を取り替えるときでも、切れにくくて長持ちする、電気代も安くなると電球を勧めるようにすれば、また次の機会もということにつながります。 環境家計簿もこまめに電灯をつけましょうということで終わっていますので、町の電気屋さんが生き残るためにも省エネ商品を勧めてほしいと思います。 金森 蛍光灯は白熱灯より省エネといわれていますが、蛍光灯の場合、国民生活センターの調査でも点滅の頻度で寿命が短めとなるといわれています。今はどうなのでしょう。 谷口 今の蛍光灯はインバーター(周波数変換方式)の機能になっていますので、そのようなことはありません。冷蔵庫のコンデンサーと一緒です。 金森 そういった情報がもっと早く消費者に伝わるようにしてほしいです。製品や性能の基本的な情報がもっと消費者に適切に伝わるようになると良いと思います。たとえば照明器具のそのような特色を紹介した広告を余り見たことがないです。 谷口 そうですね。その辺を正しく伝えなければと思います。照明が家庭のエネルギーの15%というなら、きちんと伝えなければと思います。液晶がブラウン管に比べて30%以上省エネになるということを申し上げました。実際は、省スペースか発熱の話なども含め、トータルの環境にやさしいことを説明すれば、もっと買替え促進になるかもしれません。(笑) 癘{ 「テレビショッピング」のような説明方法でもっと具体的に何かどう良いのかを話すのも良いかと思います。先程の町の電気屋さんについてですが、エコショップ制度の提案があったのですが、目本ではあまりエコショップの成功例がないのです。メリットを感じないのです。それよりもマイスターとして人に注目した方が良いと思います。町の電気屋さんでこのマイスターの方達が環境のことをきちんと理解して、一人一人のお客様のライフスタイルに合わして提案してあげることが、非常なサービスになると思います。こうすれば大型店に無いサービスが出来ます。この制度はまだ始まっていないのですが、入が人にちゃんと説明する道具と、「電気屋さんは高いのを売りたがっているのでは…」と言われないような社会の保証が必要で、電気屋さんが言ってるだけじゃないんだと消費者団体や環境団体がバックアップするという両面がないといけないと思います。 金森 そうでしょうね。 郡嶌 重要なことですけど、昔は大きな影響力をもっていたのは「暮らしの手帖」ですね。今は環境関連のことを、消費者の側に立ってちゃんと評価している雑誌はありませんね。エコテストという形で環境に関する消費者向けの雑誌が必要だと思います。昔は消費生活センター等でかなり商品テストをしていましたが、だんだん消費者も興味を示さなくなり、日本の製品のブランドでありながら中国でどんどん作るようになり、安かろう、悪かろうになり始めている。そういうものづくりを日本の消費者が求めているのではないよということを考えていかないと。戦後のものづくりの流れの中でもう一度見直していかなくてはいけないと思いますね。 癘{ グリーン購入ネットワークでもそうした話が出ています。今まではガイドラインとデータベースという形で情報提供しているだけで、これはこれよりも良いという判断はしてこなかったのです。これをきちんと言わなければいけないんじゃないか、それを言おうとすると、やはりきちんとしたテスト機関を持ち、きちんとした商品情報を提供できる媒体を持たないといけないと思いますので、グリーン購入ネットワークでは話し合っているのですが、金がないので直ぐには実現できません。しかし、グリーン購入ネットワークをもっと広げるためにも必要と思っています。 郡嶌 同じようなことがエコマークでも言えるんですね。エコマークも前までは普及を図ろうというころで、基準が緩かったのですが、今は厳しくしています。ただ、日常的に使わない商品には付いているが、家電は基準がない。エコマーク商品は一応トップランナーを育てているのですが、信用できるようになっているんですが、殆どが企業側の提案で、消費者の立場にたった提案がないんですね。独立した調査をする機関がないとなりません。全体として新しい環境情報をどう消費者に与えていくかという形の次のステップが、今までのやり方の中での成果として更なる進化が必要かなと思います。 まとめ 金森 いろいろなお話しをお聞かせいただきました。 基本的には、消費者の行動を変えるのにも、社会のシステムを変えて行くにも、必要な環境情報をもっと消費者の視点に立って、充実させる必要かおるのではないでしょうか。そのための情報発信機関も必要なのではないかなど将来を見据えてのいろいろなご意見も伺いました。 オイルショックのときは、単に無駄遣いをなくさなくてはというだけで、原油の需給が緩むと、省エネ行動もダウンしがちでした。今日では単に資源の問題だけではなく、環境問題の側面からも世界的課題になっていますから、もっと家庭においても省エネを進めなくてはなりません。それにはいろいろな世代がさまざまな家庭環境の中で、それぞれに活用できるように、環境情報をもっと消費者に分かりやすく、いつでも手に入るように、そして信頼性のある物が提供されることが重要です。適切な情報を増やしていくには、消費者も、事業者も、行政も、協力が必要です。 省エネに対する新しい視点や価値観を基盤とし、適切な情報を上手に利用することによって、家庭での省エネの成果は一段と高めることができると思います。 今日はいろいろな情報やご指導をいただき有難うございました。今後活動に生かしていきたいと思います。 特に言い残したことはありませんか。 木戸 環境情報を伝えることも大切ですが、環境以外のメリットをいかにして消費者に伝えるかが人事だと思っています。家族の健康のことを考え、その延長で環境を考えるという価値観が広まりつつあり、さまざまな業界でも注目しています。 有機野菜を求める方が増えていますが、まずは美味しいから、健康に良いから、それにプラスαとして地球環境につながるということが普及している理由だと思います。例えば、先ほどのレジ袋の削減でもおしゃれなマイバックを作れば、マイバックを持つことが格好いいということになり、自然にレジ袋削減につながります。環境以外の付加価値をいかに消費者の方に提供できるかがポイントだと思っています。住宅ですと、節約生活とスローライフが一例として挙げられます。どちらもやっていることは似ていますが、節約というと我慢をする、頑張るという印象を受けます。一方、スローライフというと楽しむ、豊かに暮らすという提案になります。両者の違いを考えて、節約生活ではなく、スローライフという伝え方をすることがメーカーにとっても大切だと思います。 金森 情報の提供にも、そういう基本的理念を生かしていただけたらと思います。貴重なご意見ありがとうございました。 ※冷蔵庫の省エネラベルについて JIS(日本工業規格)に基づく冷蔵庫の消費電力量表示及び省エネ基準達成率が、家庭等での使用実態と乖離しているとの指摘を踏まえ、京都など一部地域では、現在冷蔵庫への省エネラベルの貼付を一時中止しています(座談会開催日の後の情報)。 |