| 「アース・地球環境」25号掲載 |
| 調査報告@ |
| 4週間の省エネ調査でドラム缶換算約1千本の原油を削減 |
| 「平成16年度冬の省エネ・10ポイント」の実践結果から |
| 財団法人省エネルギーセンターが毎年実施している「冬の省エネ、10のポイント」の調査結果がこのほどまとまった。調査には、全国の省エネルギー普及指導員、省エネモデル校など約6,000人が回答したが、当協会が関係した全国の生活学校からも948人が回答した。ご協力いただいた方々ご苦労様でした。 この調査は、12月から2月までの冬季に家庭生活を中心にした「暖房の温度を20度にします」などの10項目(表「行動項目」参照)を「良くできた」「まあまあできた」「できなかった」の3段階で評価し、これを4週間にわたり所定のカレンダーに記大していくもの。10項目の実践度(該当する項目を選択)は、平均で7割となっている。
この省エネ調査は、冬季に実施したものであるので、調査項目には暖房に関する用語が多く見られるが、夏バージョンは7月後半から開始され、更に多くの方々(世帯)が参加すると見込まれているので、「省エネには休みはない」の気持をもって、常に省エネを心掛けると、更なる効果が上がるものと期待される。 こうした調査は、それぞれが何らかの達成目標を立て、それに向けて努力することが良い成果を得られるもととなるが、同時に、他のグループの実践結果を見て、そのグループがどのような努力・工夫をして(また、失敗や反省をして)その成果を上げたかを参考にすることが大切である。 ここでは、調査を実践した生活学校のうちから、著しい成果が上がった2校の取組み状況を紹介する。(以上 事務局) 東京都あきる野市 いずみの会生活学校 千田 洋子 梅の実が黄色く熟し、時にはカッコウの声も聞こえるここあきる野市は、東京都の西部人口9万弱の緑豊かな渓流と田園の街である。 子どもの通った小学校のPTA・OBたちの生涯学習グループとして誕生したいずみの会生活学校は、25年間常に100名前後の会員が和気蕩々と活動を続けている。 初めての省エネ活動は平成1年。夏秋冬の年3回、2年間にわたって「家庭用エネルギー省力化」に取り組み、会員120世帯の家庭におけるエネルギーの使用状況をチェック・集計した。その結果は新聞等にも取上げられ、会員たちは節水節電を心がけるようになり、エネルギー問題を自分自身の日常のこととして自然に考えるようになってきた。 ラッキーなことに東京電力(株)との繋がりもでき、原子力・火力・水力各発電所、六ケ所村核燃料再処理施設等の見学をはじめ、各方面からいろいろな講師を招いて講演会・シンポジュウム・映画会など数多く開催。市民文化祭で展示・パネルディスカッション・小学校で指導等地域への啓発活動も行ってきた。 『冬の省エネチェック』は、啓発の意味も兼ねてできるだけ初めての人を選んで用紙を届ける。大方の会員は子育てを終えた夫婦二人暮らしの50・60歳代である。2・3世代の同居世帯が半数になるよう配慮し、実施期間も全員同一に設定した。過去の例では、個々に任せた省エネセンター宛の「チェック結果報告」のハガキを出し忘れたり、記入に不備の点も多かった。そこで、今回は会で集め一括発送した。お陰で回収率は100%。回答漏れのないようチェックもできた。 左記は反省会での発言の一端である。 ・暖房は健康のためもあって、一昔前の生活に倣って、炬燵以外は極力使用しない。 ・孫が遊びにきていたので、一緒にチェックシートを貼って楽しんだ。 ・夫が定年で家にいるので、手まめに節電・節水に協力してくれたが「風呂は順番に続けて入れ」と口やかましいのには閉口。 ・風呂の湯は、入浴・洗濯・ふき掃除・庭の水撒きと有効に使い切る習慣になっている。 ・この地域は不便な場所なので、家族数が車の所有数という家も多い。我家は1台廃車して2人で1台に。一ケ月でガソリン50リットル節約。CO2減少に貢献? ・洗車は、ホースでの流し洗いは止めてバケツに水を汲み雑串で拭くようにしている。 「あなたの学校ではドラム缶2.1本の原油を省エネしました。」 (財)省エネルギーセンターから『冬の省エネ・10のポイント』実施報告書が郵送された。全国平均(244点)を上回るいずみの会生活学校(266点)のデーターである。 この調査対象は10人である。これを100人の会員に広げれば、ドラム缶21本の省エネになる。私達の生活はますます便利なものになり、それに慣れ親しんでいくだろうけれど、小さな心遣いでこんなにも大きな差が出てくることに改めて驚いた次第である。 地球というこの小さな星の上で、いま急速に進む経済発展と消費の急増。このままではあと何十年かの内には破局を迎えるといわれている現在。それが政治やマクロ経済だけのことではなく、いま、手許のこのスイッチ1つ切ること。それがどんなに大切なことであるかを知り、その意識をもつようになったという点で、このアンケート調査を繰り返してきたことは大きな意義があると考えている。 東京都葛飾区 わか草生活学校 谷茂岡 正子 わか草生活学校は、都区内東部の住宅地を活動地域としている。省エネ10ポイントの実調査で好成績を上げることができた一因に、地域のFM放送を活用し、省エネを呼びかけたことがあると思われるので、その概要を紹介する。 6月14日(火)葛飾FMの情報番組(生放送番組。午前10時から1時間)に、わか草生活学校の山茂岡会長(筆者)と藤田さんが出演し、東京電力(株)上野支社の地域コミュニケーショングループの担当者(上田さん、望月さん)と、省エネに関する放送を行った。番組では、東京電力担当者から、省エネに関する取組みについて紹介があった後、二人から、本調査の実施状況を紹介した。 「私達生活学校は、夏と冬1ケ月間の省エネ10ポイントの実施調査をいたしました。 実施結果(全国生活学校で948人参加)によると、生活学校全参加者分で原油にして36,469リットル(ドラム缶182本分)削減、金額にして約372万円、杉の木の年間吸収量にして4,619本分のCO2を削減したことになり、一人世帯当たり原油にして38.5リットル、金額にして3,924円、杉の木にして4.9本分の削減になります。 省エネをすれば、CO2が減る、家計も節約できますので、関心を持つことは大切です。また、友人や近所の人、家族も話をすると関心を持ってくれますよ。家族などは、言わなくとも、いつの間にか無駄な電気は消すなど協力していますので、やっていていいことだなと思いました。」 番組では、この後、東京電力担当者から、CO2削減の重要性、京都議定書発効の意義、企業の廃棄物のリサイクルの説明があり、家庭の省エネの3ポイント(家電製品の使い方、家電製品の選び方、高気密高断熱住宅)について勧めがあった後、最後に生活学校側からまとめとして「夏になれば、また、夏の省エネ調査にチャレンジするんですけど、身近なところから省エネをやっていった方がいいと思います。」 「省エネ3ポイントを考えて、新しい物(家電製品)を買うときは、便利だけを買うのでなく省エネルギー性の高いものを。また、クーラーは使い過ぎないように1度でも我慢すると大きな成果がありますので気を付けていきましょう。」と呼びかけを行った。 省エネ調査に参加し、何がムダか、必要かと語り合いながら、自分達のできることから行ったことが、成果が上がった原因と思われる。これからも、FM放送の活用などを通じて、地域に広めていこうと話し合っている。 |
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