| 「アース・地球環境」26号掲載 |
| らしんばん |
| 環境自治体づくりの戦略と挑戦 |
| 環境自治体会議 環境政策研究所 所長 中口 毅博 |
| 環境自治体会議は環境政策に熱心な市町村が集まって作ったネットワーク組織です。全国には「環境自治体」を名乗る自治体がいくつかありますが、環境自治体会議では「環境自治体」のあるべき姿を次の3つの視点から捉えています。1つめは、地域全体を環境配慮型社会に導くための環境優先の取組みや持続的発展の考え方に基づく政策が、あらゆる分野で実施されていること(エコアクションー環境活動)です。2つめは、政策が総合的・体系的に整理され、政策の客観的・科学的な評価・見直しのしくみが取り入れられていること(エコマネジメント:環境経営)です。3つめは、市民の意向に沿った政策決定や、市民主導による政策が実行されていること(エコガバナンスー環境自治)です。 ISO14001の普及によって、2つめのエコマネジメントは多くの自治体で進んできました。しかし単に環境マネジメントシステムを導入しさえすれば政策の客観性が保障されるわけではありません。1つめと3つめの要素もすべて一定水準にあってこそ真の環境自治体といえると考えています。 ところがこれまで、自治体の環境に関する取組みが環境自治体としてふさわしいかどうかをチェックするための“目安”が存在しませんでした。そこでその目安として、環境自治体スタンダード(LAS-E(ラス・イー):Local Authority’s Standard in Environments)を設けました。LAS-Eは環境自治体を3つの視点から3段階に分け、認定する制度です。 LAS-EはISO14001の自治体版ではなく、より広い領域を扱っています。例えば本庁舎だけでなく、自治体のすべての施設で取組みが求められます。また政策の中身が問われるのが特徴です。さらにLAS-Eは、住民主導で個性的な取組みが実現すること、すなわち「市民自治=ガバナンス」が実現することを期待して、地域住民の手による監査のしくみを内在しています。すなわち地域住民が環境に関する取組みがきちんとなされているかどうかを定期的に点検し、改善を求めていくことができるのです。そして地域住民と行政職員の開に対話が生まれます。監査に参加して行政の取組みをみた地域住民は、「自分たちもやらなくては」と思い、取組みが地域に波及していきます。 本来の自治体とは、国などに依存せず、地域住民の意思に従った独自の意思決定を行うものと考えます。認定制度は地域独自の取組みを阻害し、全国一律の画一的な取組みを促進することを意図したものではありません。地域の個性的な取組みがより促進されることによって、環境と調和した持続的な経済活動が行われることを期待しています。 環境自治体会議は、この「環境自治体」の活動の輪が全国に広がっていき、地域から日本、世界を環境保全型社会に変えていくことを願って活動しています。 |