「アース・地球環境」28号掲載 |
ブロックフォーラム |
21世紀 くらしの叡智 |
第34回愛知県生活学校大会 |
愛知県生活学校連絡会(太田和子会長)は、食品の安全性の確保、循環型社会の構築、高齢者福祉等の課題を生活者の立場でとらえ、さまざまな活動を展開している。 今年度は、愛知県新生活運動協議会と共催で、レジ袋削減に関する意識調査を行い、その結果を踏まえて、「ごみ減量〜レジ袋の有料化に向けて〜」をテーマにパネルディスカッションを行った。 1月20日に岡崎市で開催された、第34回愛知県生活学校大会の概要を紹介する。(愛知県新生活運動協議会事務局 野呂 健一) ■『レジ袋に関する意識調査』結果報告 愛知県内の一般消費者1,000名を対象に、レジ袋に関する意識調査を実施。愛知県生活学校連絡会企画運営委員長の中島和子による、結果報告の概要は、以下のとおり。 ・今回「レジ袋に関する意識調査」を実施したのは、国内のレジ袋の年間使用枚数が合計305億枚に達している現状を踏まえ、排出抑制を図るためにも必要であると考えたから。 ・レジ袋をいつももらっているという人は90%もある。レジ袋を使い捨てるという消費生活スタイルから、繰り返し使えるマイバッグヘという新たな消費生活ヘの転換が必要。 ・レジ袋を削減するためには有料にするのが効果的だと答えた人は、男性で45.4%、女性で40.9%。レジ袋を有料にする場合は、スーパー、コンビニ、デパート、個人商店など全ての店舗が一斉に行わないと意味が無いのではないか。 ■基調講演「循環型社会と廃棄物問題」 パネルディスカッションに先立ち、元豊橋技術科学大学教授で工学博士の笠倉忠夫氏による講演が行われた。 ・2003年に世界中で排出された温室効果ガスの総量(二酸化炭素換算)は、252億トンと大変大きな量であるが、注目すべきは、アメリカ、中国、インドの3カ国で全体量の半分近くになる。アメリカは温暖化防止のための京都議定書を拒否し、中国、インドには、発展途上国として削減義務がない。日本及びEC諸国は、京都議定書に基づき、温室効果ガスの削減を熱心に考えているが、世界中が一丸となってこの問題の解決を図る必要がある。 ・日本の一人当たりの廃棄物排出量はアメリカ、ドイツに比べて少ないが、日本は可住面積(人間が活動できる面積)が37.8万平方キロメートルのうちの8万平方キロメートルしかなく、可住面積当たりの廃棄物発生密度は、日本の655に対して、ドイツは193、アメリカは46であり、日本は他の国に比べて可住面積当たりの廃棄物が非常に多いことが分かる。 ■パネルディスカッション「ごみ減量〜レジ袋の有料化に向けて〜」 コーディネーターに笠倉忠夫氏、パネリストに小出里使氏(日本チェーンストア協会中部支部事務局長)、半田直幸氏((株)ドミー専務取締役営業本部長)、小野利比呂氏(名古屋市環境局ごみ減量部減量推進室主査)、今野福代(愛知県生活学校連絡会企画運営委員)の4氏が出席し、活発な意見交換が行われた。 【愛知県生活学校連絡会 今野福代】 愛知県生活学校連絡会では手作りマイバッグ(買い物袋)を配布するなどレジ袋削減について啓発活動を実施してきたが、「レジ袋はただでもらう物」という意識が強く、マイバッグ持参は非常に少ないのが現状。レジ袋を削減するには有料化が効果的と考える人が半数近くあり、有料化すれば削減できると考える。小売業者には、自主的な有料化への取り組み、行政には、レジ袋有料化の法制化について検討してほしい。 |
くらしの中で環境にやさしい輪をつなごう |
生活学校運動等宮崎県大会(環境大会) |
標記をテーマに、先の要領で開催した。 一、日時 平成十八年一月二十一日(火) 二、会場 宮崎県立芸術劇場イベントホール 三、主催 (財)あしたの日本を創る協会、宮崎県新生活運動協議会、宮崎県生活学校連絡協議会 四、後援 宮崎県、宮崎県教育委員会 五、内容 講演、シンポジウム 主催者である新生活運動協議会長の安藤忠恕宮崎県知事(代理として出席した坂佳代子宮崎県副知事代読)・有馬妙子宮崎県生活学校連絡協議会長あいさつのあと、宮崎県議会より坂口博美副議長のこ祝辞をいただいた。今回の大会では、当初200名の出席者を予定していたが、他団体等との連携を深めて、約270名の出席者があり、近年にない盛会となった。(宮崎県新生活運動協議会 事務局次長 小野田 健一) ◆講演 講師に、気象予報士の岩倉尚哉氏を迎えて、演題「地球温暖化の現状」について、データーを基に詳しくお話をしていただいた。 講演要旨は、次のとおりである。 地球温暖化によって、台風など種々の現象が世界各地で表れている。地球温暖化を完全に防止するには、私たちの生活のレベルを半分にしなければならない。そこで、今、私たちがなすべきことは、身近な小さな実践が、地球温暖化防止につながるものであると自覚して、それぞれに応じて実践し、また、他団体等との連携を深めて、輪を大きくしていく必要があり、そのことが重要である。 最後に、地球がよくなるよう頑張ってくださいとのエールを戴き、好評の内に終えた。 ◆シンポジウム シンポジスト事例発表の概要 越智睦雄氏(串間市本城地区自治公民館長会会長) りんりん本城コスモス街道とめだかの里づくり 地域の大切な資源、を次世代に何をつなげるのかと考えるとき、環境づくりを地域で取り組むことにした。りんりんとは、中学生の命名で、花の一輪一輪の総和のことである。地区の自治公民館を中核にして、青少協・社協や各種のボランティア団体等と連携して、街道1km(道路沿いの両サイドの休耕田を借用)にわたってコスモスの花づくりに努めた。 めだかの里づくりのために、地の利を生かす一方、地域を見直し、荒れ果てていた広場や見捨てられていた湧水地を再開発して、ほたるの里づくりからつなげて活動を展開した。 段 伸子氏(JA宮崎県女性組織協議会代表) 水を守ろうみんなの力で 創業五十年の歴史を刻む、JA宮崎県女性組織協議会の記念行事として、環境問題の指標としての水について考え、活動することとした。日常排出する家庭排水が、川を汚し環境を破壊しているという現状を認識して、環境にやさしい洗剤を活用して環境保全に努めている。 EM菌を活用すると、物の酸化を防ぎ、台所や豚舎等の臭いた解消し、蠅も発生しなくなり、家庭菜園では、薬を使用しなくても緑濃い元気のよい野菜ができる等の効果がある。このように、EM菌は水を浄化し環境保全に役に立つものなので、今後も活用したい。 武田 令子氏(宮崎県生活学校県中ブロック会代表) レジ袋削減とマイバッグ持参の推進 一人ひとりが、くらしの中から地球環境を考え、日常の生活の中から改善していこうとして、標記のテーマを設定した。実態を把握するために、2市5町の8生活学校が、800人にアンケート用紙を配布し、100%回収した。 分析の結果、スーパー等の業者は努力と取組みが必要であり、消費者は意識と行動、自治体は指導が必要である事が分かった。 今後は、一人ひとりが責任を持って、一人でもマイバッグ持参者が増えるように、地道に運動に取り組むこと。これにより、ゴミを減らし自然を大切にすることとなり、地球温暖化防止に寄与するものと思う。 コーディネーター 佐々木玄子(西都はにわ生活学校運営委員長) シンポジウムを、つぎのようにまとめた。 一、地域おこしは楽しくやること 二、夢をふくらませ、習ったことを活用して実行すること 三、一人一人が責任を持って仲間を増やして運動を進めること 見直す点はどこにあるのか、また、すばらしい宮崎の自然を守り、次の世代に伝え、住みよいふるさとづくりを目指して、他団体や行政と連携・協力して、実践していきましょう。皆で環境について気を配りつつ智恵を出していけば、きっと地域が元気になる。地域が活性化すると、個々のくらしが生き生きすること間違いない。本大会での情報を生かせば、必ず前に進む。と結び、盛会裡に終えた。 |