「アース・地球環境」29号掲載
らしんばん

全国会議副議長に就任して
金融広報中央委員会 会長 豊田 武久
 私は、先般「金融広報中央委員会」(金広委)会長に就任し、そのご縁で「地球環境と資源エネルギーを大切にする国民運動全国会議」副議長を務めさせて頂くこととなりました。
 昔から地球環境問題やエネルギー問題には人並みの関心がありましたので、今回こうした形で多少なりとも関与できるようになったことを嬉しく思っています。
 金広委というのは、その前身を含めると50年余の歴史を持つ団体で、現在はその名前通り金融経済情報の提供とその学習支援を、活動の2本柱としています。これを通じて、自分の判断、責任で経済活動を適切に行える自立した人間、換言すれば健全な市民を育成することを究極の目的としています。
 健全な市民であれば、自分達の住む地域や社会の問題、とりわけ環境問題などにそれなりの関心を持ち、何がしかの貢献をしたいと考えるのは当然でしょうから、当国民会議と金広委は共通の土壌に立って活動しているといえます。また、どちらも市民グループによる全国的な草の根運動が基盤をなしているという点でも共通点を持っています。その意味で全広委会長が当全国会請訓議長を兼職させて頂くことには違和感はないと思います。
 ところで、近年わが国でも地球環境問題に対する一般の関心は高まってきていると思いますが、私はまだまだ不十分なレベルに止まっているように感じています。ごく身近な例を挙げれば、夏場などに公園の木蔭に車を停めてクーラーをかけたまま居眠りをしている運転者を見かけることが多いのですが、これなどは、窓を開ければ爽やかな涼気が入ってくるのに、わざわざ高価なガソリンを無駄に消費し、大気汚染や地球温暖化の原因を作っているのですから、二重、三重に害悪を流しているわけで、それに気付かないことにまことに寒々しい思いがします。
 稀少生物保護の試みも、各地で活発に行なわれています。その意図は評価できますが、例えば八丁トンボが生息する狭い地域を囲って保護しても、周囲から汚染された水や空気などがどんどん浸入し、また気候そのものが変化しつつあるのですから、結局大した効果は挙がらないように思います。やはり地球全体として環境保全を図るという観点から有効な方策を講じていく必要があると思います。
 その場合、金融広報活動もそうですが、環境保全活動の場合は一層絶え間ない地道な努力の積み重ねが必要で、少し力を抜くと後戻りしかねません。日暮れて道遠しの感がなきにしもあらずで、正に時間との勝負ですが、決して将来を悲観視せず、強い信念をもって進めていかねばならないと思います。
 ご承知かと思いますが「百匹目の猿現象」という言葉があります。もともと猿集団における芋洗い行動から出た言葉で、ある活動なり現象が一定の規模を超えると、その後は急速に拡がっていくことを指しています。私達も、銘々が「百匹目の猿現象」になる積りで取り組んでいきたいものだと考えています。