| 「アース・地球環境」29号掲載 |
| 基調講演 |
| 「買い物」行動を通して地球環境との関わりを考えるの会場聴講者との質疑応答 |
| 武蔵工業大学環境情報学部 教授 中原 秀樹 |
| (質問)川口と申します。生活学校の福岡県の代表をしております。福岡県は、先程先生が触れられましたけど水の問題があります。日本の水の需要ですね、工業用水が全体の10%ぐらい、飲料用水が10%で、後の80%は農業用水でございますよね。この農業用水が何なのかってことを余りにも知らないで、節水々々って言って、私達は山に水を植えに行ってました。 私達は、輸入食糧で、今食糧を袖って食べてます。だけど将来は輸入がなくなって、また食糧難の時代が来るんじゃないかと心配しております。そうなったら、山に登って、緑を食い尽くすんじゃないかと心配しております。日本の農業問題をどうしたらいいのかお考えをお聞かせいただきたいと思います。 (応答)最初の降水量の話ですけれども。日本はご存知の様に、真ん中に高い山があって、川がものすごく短い距離なんてすね。ですからあっという回に流れちゃうんですね。そういう意味では、水はいっぱいありそうで、使える水は僅かしか無いということです。 国連が2000年に水の世紀だということで、琵琶湖会議を開きましたけれども、水を巡る問題は非常に大きい。そのために、それを気付かせようということで製品のエネルギーの使用量であるとか、資源消費量の管理を水に置き換えたらどうなるんでしょうかということで、バーチャルウォーターという新しい単位の求め方をして、水の大事さを訴える様なことをやっております。 輸入食品の問題に関しては、例えばカボチャ、トンガから来るらしいんですけれども、どのぐらいの資源消費、エネルギー消費があんのかってことを気付かせる。家庭科とかで、今冬なのに、トマトベースにしたスパゲッティか何かの作り方をやったら、これはきっと、暖かいハウスで作られたに違いないと、じゃハウスのトマトを作るには、どのぐらいのエネルギーと資源使ってんのかしらと、先生達が考えてほしいということで、文部科学省のカリキュラムの中でテキストを作りまして、そういうフードマイルのことについても触れております。 今後日本の食糧問題。一つ言えるのは、高くても健康にいいものを少し食べて下さい。どんな旨いものでも腹八分目という先祖の伝来の考え方をちゃんと守るということですね。そしてなくなったら、おっしゃるように、山に食糧求めに行きましょうよ。 ただ、労働者が農業に向いていないという問題がありますよね。それは今の国家の制度システムがおかしい訳であって、そういうものを全廃した後に、どういう風に農業を持続可能なものにするのかという発想の転換をして考えないといけないと思います。 いずれにしても、地方行政を一番圧迫しているのはゴミ処理なんです。そのゴミ処理の中でも最も多いのは、私達の残飯類なんてすね。生ゴミなんです。 私達は生ゴミを減らす方法として、どれぐらいの摂取量が一番いいのかということを考えて下さい。 私達はこれを詳しく研究して、エンバイロンメンタルスペース、環境容量という計算式を使って日本国民一人当たりどのぐらいの食糧を摂ったらいいのか、よその国はどのぐらいなのかという計算をしておりますので、その辺をインターネットでも当たってもらえれば、答が出てくると思います。びっくりします。たったこれだけなの?って。因みに日本人はお肉を1日当り40gで暮らして下さいってこと、ほんのこのぐらいです。 私達は、資源は有限なんですけれども智恵は無限にありますから、蛋白質を吸収、摂取するためには他の代替物を考える。そして、1週間に1回、まとめて40×7=280gのステーキを食えばいいんだと思うんですよ。 そういう意味で、持続可能な農業、食糧をちゃんと出していくためには、どのくらいの量を摂っていったらいいのか、国民一人当たりの容量を決めております。農業も、そういう経済のパイをシェアしていく、労働をシェアしていく、そういう風に考えていけば、何とか乗り切れると思います。 (質問)生ゴミのことをお話になったんですけど、私が子供の頃は生ゴミなんてあんまり出なかったんですね。イヌやネコは、私らが子供の頃は、残飯を食べさせて働かせていたような記憶がするんです。 ところが今は、イヌやネコのために素晴らしい食糧がどんどん出回っている。そういった食糧に対して、或いは生き物に対する考え方が日本の人間が何か驕っているんではないかなぁと。 食糧がないのに、昔の良いことを辞めちゃって、必要でもない食料にお金を賭けているっているということを、先生どう思いますか?(笑) (応答)何故私達がペットに依存をせざるを得ないのかということを考えますと、心が寂しくなっているんですね。特に老後病にある人若しくは一人で生活している人にとってみれば、ペットはかけがいのない、優しさを裏切る人間に比べりゃよっぽど忠実なんですね。自分の心を満たしてくれるために、残飯は申し訳ないかなと思って食わせているのが現状だろうと思います。 ですから、家族の中で差別をしてないかということなんです。お母さんは残り物を食べて当たり前だっていう風に感じてる。父ちゃん一所懸命働いてるのに、子供は受験だから子供に精付けなきゃと。家族だったら平等で一つの大皿で盛り付けてね、ちゃんと食べようよと。そうすると家族円満になる訳でね。 ある研究者の調査を見ても、やっぱりペットに頼らざるを得ない状況があると。これは私達日本人が、物で心をもう埋めることが出来なくなってるんです。だから、何で心の隙間を埋めようとするのかを、皆さん方もう一度原点に帰って頂きたい。それを先人の智恵として、伝統ということで伝えることも結構です。 しかし説教がましいことは、次の世代は絶対受け付けません。頭の中でもったいないの分かっているんですけれども、そこは一ひねりも二ひねりもやって表現することが大事。ですからローハスなんて考え方ありますよね。それが受けるんならばそれに乗っちゃうことが大事なんて。我々の目標は、どんなやり方をしても、どんな手を使ってでも、この地球環境を守るために何かできるかということを考える訳で、とれる手は何でもやると。 残飯食べさせましょ。だって同じものを食べるから愛着が湧くんでしょ。いつもビーフジャーキー食ってるイヌネコの気持になって下さい。家の残飯だったら、いろんな食料が毎日メニューが変わる訳ですから、そうすると好き嫌いが動物も出てくる訳でね、それをイヌやネコの顔を見ながらですね、ちょいとネコも食わないんじゃまずいのかなっていう(笑)反省をすりゃいい。 (質問)高知生活学校から参りました安岡でございます。飲み水の枯渇が世界的に叫ばれている中で、日本は森林があり、水田があるということで、まだまだという部分があるんですけど、これからかなり深刻になってくると思うんです。いろいろ調べましたところ、二次処理水というのを海外ではかなり使っているという。日本では、まだまだ二次処理水に目が行っていない。きれいな水でトイレに使うってことは非常にもったいないことでございまして、このあたり先生どうお考えでしょうか。 それと、今森林がかなり破壊されて、保水力の少ない山が多いですよね。ぶな林とかは本当に僅かなところに限られてしまった。この山を、何とかいろんな種類を植えた木に植え替えて、水をいただける山にしていかないと大変なことになるんじゃないかと思いまして。 それと、日本人が米を食べなくなったことで、水田がなくなりつつある、これも私は半年間ダムと捉えておりますんで、日本人がもう一度国内のお米を食べて水田をもっともっと維持しようというような方向性というものを大事だと思うんですけど、どの様にお考えでしょうか。 (応答)森林の問題、水の問題で一つ言えることは、これ日本の経済成長のあだ花なんですね。換金が非常にいい杉の木を植えたということですよね。杉の木は植えたんだけれども、さあ売ろうと思ったときには、もう市場は全部外用材に取られてしまった。 森林は、人工的に手を入れて、下草を刈ってやれば根が張るんですけれども、それじゃ割に合わないというコスト計算がもたらしたこれは災いであります。ですから広葉樹針葉樹をうまく植え替えることが大事で、そういう視点で自然を守り緑を守る形になるんだろうと。 食糧については、日本の米を食べよう、食べて下さい。でも日本の米が安全だっていう保証は全くありません。単位面積当たりの農薬使用量は、世界の中でも滅茶苦茶多いんですからね。現実をちゃんと見て。 重要なのは、安全を求める権利、そして、知る権利を私達は持っている、即ち買い物をするときに、その安全を求める権利と、そして知る権利、それがちゃんと企業や行政が担保しているのかということを見ることが大事。 その上で、選ぶ権利が保証され、こういう商品、こういうサービスを提供して下さいよという意見が反映される権利が確立されるということであります。 (文責 事務局。紙面の都合で、要旨のみ掲載しています。) |