| 「アース・地球環境」30号掲載 |
| 事例紹介 |
| ドイツ情報(パートV) |
| 熊代聖子(汝の花生活学校) |
| 今夏は、2006年サッカーワールドカップがドイツで開催されたことで、私の訪独を少しずらし、ワールドカップ終了後の8月に行って来ました。 フランクフルトはまだ活気に満ち、各催し会場では、いろいろな選手権を競う大会が引き続き催されていましたので、私はトライアスロン世界大会を見て来ました。世界から集まる選手達の力強さに加えて、自国をアピールする気持には愛国心が満ちていて、日本では味わえない緊張感を覚えました。 フランクフルト(北海道ぐらいの緯度)の夏は、30度もある暑い日でも、木陰に入るとひんやりとした空気に包まれ、カラッとした夏で凌ぎよいものです。 私の生活の中で夏の季節に欠かせないものに蚊取線香があります。蚊取線香の香りを夏の香りとして懐かしむ気持もあって(森林公園の中にある我家とて、虫が家に入って来る)、蚊取線香の用意を!と、早速買物に出掛けました。 驚いたことに、スーパーには全然殺虫剤がありません。やっと見つけた街の薬屋さん、殺虫剤の使用目的と購入者の住所氏名を書くように言われました。「殺虫剤の中には農薬等も入っているので、日常生活には殺虫剤を使用しない様に。何故なら、虫には虫の世界があって、害虫は益虫が食べてくれるのに、殺虫剤を撒くと益虫まで殺してしまうことになる。小鳥達も虫を食べるのに、殺虫剤がかかった虫を食べてしまう。森林には森林の住人(生や小鳥や動物達)の世界がある、それぞれ共存しているのに、人間が入り込んで来て、森の住人達を怖がらせている。虫達も人間の家には怖くて入りたくないのに、追われて入って来るので、そっと森に返してあげるのです。」と説明されました。 更に、「虫が家に入って来ない様にするには、窓側やテラスに沢出花を植え、虫達を花壇に集める様にするとよいです。花壇には、虫を集めるための花を植えたり、虫が嫌う花壇があって、それぞれ目的を持った花作りをしています。」と教えられました。 私は、今まで「花いっぱい運動」で、沢山お花を植える活動をして来ましたし、現在も「花咲かせ隊」として、街を美しく人々の心を和ませるための活動をしていますが、ここに新しい意味を持った「花咲かせ隊」ができる発見をしました。早速、虫が嫌う花、虫が集まる花の種類等々の勉強を始めています。 ここで感じていることは、ドイツと関東の地域差、温度差、湿度差等異なった環境の下で、ドイツ形式をそのまま日本で生かすことは難しいということです。日本では日本の風土に合った虫除け花や虫集め花の研究をする必要を感じています。 また、ドイツの環境に対する姿勢にヒントを得ながら、フランクフルトの我家の花壇は、近所に住むおじいさん、おばあさんの指導を受け、花をいっぱい咲かせています。地域のお年寄りが親切で、一つ一つ教えてくれます。自分達の地域は自分達で守り、美しい街、良い街にするため、目を輝かし見張り役もしています。 特に、ゴミの出し方は厳しくチェックしていて、大変厳しいです。近所のいたずら盛りの子供達も時々叱られて、お年寄りの言うことを素直に聞いて従っている姿を見ると、幼いときからゴミ分別を身につける躾を地域ぐるみでしていることに気が付きます。 ゴミの分別は、@行政が回収する一般ゴミと、A企業が回収するゴミ(生産者責任で)の2種類あって、@の行政は、生ゴミと燃えるゴミ、燃えないゴミ、Aの企業は、自分達が生産した物(容器)、缶、ビン、PETボトルの他、プラスチック製の物、金属類、尾見顕等の回収をしています。 この場合、日のマークが付いている物を回収するので、消費者はRの印付きの商品を選んで買います。回収されない商品のゴミは一般ゴミとされ、行政回収ゴミの中に入れられてしまうので、ゴミの分別のため余分な人の手を煩わし、その労働が増えてしまいます。この労働のため住民のゴミ収集料金が高く請求される(税金が使われる)ことになるのです。 住民は、このことをよく理解しているので、ゴミを出さない、作らない(発生抑制)を子供の頃から生活の中に入れています。 @の行政(地方自治体)が回収する一般ゴミで感じることは、日本の我家の捨てるゴミの量と、ドイツの我家のゴミの量の違いです。日本はやはり容器包装ゴミが多く、私達は余分な物(ゴミになる物)も買っていることに気が付きます。 また、ゴミの分別で驚いたことがあります。ドイツでも地域によって違うそうですが、生ゴミボックス邸冷凍庫になっているのです。凍った生ゴミを大きな冷凍庫の車に積んで回収しています。その生ゴミは、また直ぐ処理工場の冷凍庫に入れられ、処理され、肥料化されています。生ゴミが処理され、肥料化されるため、市民も分別するときは注意深く、清潔にしています。 この生ゴミ冷凍費用はとこから出費しているのか聞いてみました。やはり住民税で賄っているとのことで、税金が高いわけが少し理解できました。 ドイツ人の税率は平均17%〜20%に対し、私共外国人は40%の税金を課せられています。税金は高いけど、子供は大学まで月謝無料や交通費(電車)無料、病院も無料等恩恵を受けて育っているので、この子供達が社会人になったとき、社会の一員としてお返しする気持で税金を払っています。 「ドイツは良い国だなあ〜」と申しますと、「ドイツ人はドイツ人で沢山悩みがある。むしろ、日本の国が羨ましい。」と申します。何故なら、「日本が島国であるから。」 ドイツは、国と国が陸続きであるため、川の水も上流は外国、下流もまた外国を流れ海に注いでいる。空の雲(空気)も共有しているので、ドイツが(京都議定書を守るため)一所懸命に酸性雨を出さない様にしているのに、近隣諸国の協力にバラツキがあり、共同で地球温暖化のために働くことが守られていない現状を嘆いています。 森林の国ドイツは、枯れてしまった森林や枯れかかった森林を守るため、酸性雨防止策として、生活の中に、自動車は主にお年寄りが使用、元気な若者は鉄道と自転車を利用しています。 また電気も、原子力発電をせず、風力発電、水力発電をしています。そのため電力不足となり、お隣の国のフランス(原子力発電)から電気を買っているので、電気代がとても高いです。市民は、できるだけ電気を使わない省エネ生活、ドイツ人は普通の様ですが、日本から来た私には、とても暗い感じがしますし、地味な生活です。 でも、休日になると、それっとばかりフランスやイタリアにおいしいものを食べに行き、ショッピングできるのも、また楽しいものです。陸続きなので、鉄道で日帰りで遊びに行けますし、ユーロ共通貨幣なので、買物も便利、行ったり来たりしています。 経済に重点を置くフランス、イタリアの様に、贅沢に楽しむことを知っていても、環境に重点を置き、地球温暖化防止に努力しているドイツは、とても素晴らしい国だと思っています。 |