「アース・地球環境」31号掲載
来賓あいさつ

省エネルギー・省資源対策推進会議議長 内閣官房副長官 的場順三
「第8回地球環境と資源エネルギーを大切にする国民運動全国集会」の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 まず、日頃から根本議長を始め関係者の皆様が、省エネルギー・省資源と地球温暖化防止の活動にご尽力されていることにつきまして、心より敬意を表しますとともに感謝を申し上げたいと存じます。
 近年、原油価格は高い水準で推移し、今後もアジアを中心として世界的にエネルギー需要の増大が見込まれるなど国際エネルギー情勢は注視すべき状況であります。
 また、地球温暖化問題につきましては、昨年11月に気候変動枠組条約締結国会議が開催され、京都議定書の将来枠組に関する議論が行われるとともに、同議定書の見直しのプロセスが決定されるなど、大きな成果がありました。
 こうしたことも踏まえ、政府といたしましては、次の三つの取組を推進しております。
 第一に、地球温暖化問題についての取組です。京都議定書の約束期間が始まる平成20年に向け、「京都議定書目標達成計画」を着実に推進し、日標達成に向けて最大限努力しているところです。
 第二に、省エネルギー対策です。広報の一層の拡充を図るとともに、石油ショック以降特にエネルギー消費が著しく増加している民生・運輸部門における省エネルギー対策を強化することが急務です。このため、昨年4月に施行された改正「省エネ法」に基づき、省エネ計画の策定などを義務付ける工場・事業場の拡大や対象事業者の拡大を行うほか、家電などの小売店に店頭での分かりやすい省エネ情報の提供を促すなど、更なる省エネルギー対策の推進を図っているところです。
 第三に、循環型経済社会の構築に向けた取組です。これまで、「循環型社会形成推進基本法」や各種リサイクル法に基づく取組を進めてまいりましたが、今後は、昨年6月に改正された「容器包装リサイクル法」に基づき、容器包装廃棄物の排出抑制の促進や再商品化の質の向上を推進することとしております。また、製品のライフサイクルを通じた環境配慮設計の促進や家電リサイクル制度の見直しを進めるなど、取組の一層の拡充・強化に努めることとしております。
 しかしながら、地球温暖化問題の解決や省エネルギー・省資源の推進には、このような政府の取組以上に、国民の皆様の御理解と御協力が不可欠であります。皆様方におかれましては、地域における率先活動や指導などの日頃の運動を通じて、より多くの方々に今一度ライフスタイルの見直しの必要性を強く訴えていただき、地球環境と資源エネルギーを大切にする暮らしが着実に実践されるよう取り組んでいただくことをご期待申し上げます。
 最後に、本大会のテーマである『日本の「つつむ」文化を考える』取組が、実り多い成果を収め、我が国における地球環境と資源エネルギーを大切にする活動がより一層発展することを心から祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。
 平成19年1月31日
 省エネルギー・省資源対策推進会議 議長 内閣官房副長官 的場順
(以上 読み上げ)

 実は、これが役所で書いたご挨拶でございます。一言私の思いを申し上げますと、日本は環境取組の先進国でございます。ただ私も役人時代から、今も役人でありますけれども、民間生活が大体15年以上ありますので、その間に経済評論家として各地を歩いたときに、 一つだけ人々の使っている言葉で気になる言葉がある、間違って使っているのではないか、今日の皆様方のプログラムを見てみますと、環境にやさしいという言葉があるのですけれど、最近少し使われなくなってきましたけれど、一番間違っている言葉は、私は地球にやさしいという言葉だと思います。地球にやさしいというのは、人間が主人公であって、地球はその従者であるという概念が含まれている様に私には思えるんですね、私には。
 実は逆なんです。地球が、母なる地球が我々を育んでくれて、40億年の生命の歴史と50億年に及ぶ太陽系の歴史の中で我々が現に存在して活躍している訳です。したがって、何か環境問題というのは、地球にやさしくしてやる、そうすれば我々に反逆しないだろうという様なことをやっていては埒が開かないんだと思うんですね。むしろ我々は生かされているという謙虚な気持で。というのは、我々の体というのは、地球の形に重力に抗して立つために一番快適な体になっている訳です。実は太陽だって大変な影響がある訳ですね。省エネルギーというのも、太陽光のエネルギーをどういう風に使うかということが必ず項目の一つとして入っております。実は地球という星は極めて希有な星でありまして、太陽からの距離からみて、水が気温プラス50度からマイナス50
度摂氏の間で存在するという極めて希な星なんです。その結果、水が個体と液体と気体の状態で存在するということが人間生活の基本なんです。
 だから、何卒ですね、折角環境問題に取り組んでおられる皆様方に、折角の機会でありますので、内閣官房副長官というポス卜を離れまして人間的場順三としてお願いしたいことは、環境問題大事であります。しかし生かされているという少し謙虚な気持で真剣に取り組んでいただきたいと思います。
 ただし、もう一つだけお願いがあります。謙虚さというのは、日本のある意味では美徳でありますけれども、
国際社会においては通じません。日本は環境先進国でありますから、海外の方と環境問題について議論されることが多々あると思いますけれども、日本を除いて他の国は全部これデイベートの世界、つまり討論の世界、即ち自己主張しないと生きていけない国ばかりなんです。我々は自己主張しない。したがって環境問題について取り組まれるときに、外国の人と話をするときには、我々はこんな素晴らしいことをやっているということを積極的に主張していただいて、やっていることを多少大きめに言っていただくことをお願いいたしまして、形式的な挨拶と本音の挨拶を終わらせていただきます。有難うございました。