「あしたのまち・くらしづくり2008」掲載
<子育て支援活動部門>あしたのまち・くらしづくり活動賞 主催者賞

出会い・触れ合い・学び合いの場創り―虐待予防と脱密室育児―
東京都清瀬市 NPO法人ウイズアイ
取り組んだ活動記録と現在までの成果

(1)遊ぼう会
 平成7年度より、友だちがいない・孤立している母親たちを横につなげる出会いの場所づくりとして開催。来所した母親たちが自由に子を遊ばせ、おしゃべりし合いながら、ゆったりと過ごし「ママがおしゃべりして、遊ぼう会」がキャッチフレーズ。母親同士がお互いに知り合えるキッカケ作りや、いろいろな月齢の子と親に出会うことにより、子どもの成長発達過程を感じてもらうとともに、先輩ママから学ぶ機会となる。平成17年からは、新興住宅街に、外遊びも取り入れたひろば事業を定期開催。近所の顔見知りが増え、地域ぐるみの助け合い・支え合いの子育ての土壌を創る。

(2)オッパイママの会
 平成7年度より、母乳育児を長く自信を持って続けてほしいと願い開催。母乳育児の大変さ・辛さ・喜び・不安や悩みを話し合う。卒乳相談目的で来所する母親もいる。体重測定・助産師による母乳個別相談も実施。母乳のトラブルが減り、母乳育児をする母親たちの増加につながっている。

(3)新米ママの子育て講座
 平成11年度より、生後8〜11か月前後の子を持つ保護者(定員15組)を対象に、6回連続講座を開催。6回のプログラムは、参加者同士の話から発展されていくが、子育てについての不安が軽減し、また自分の生き方や人間関係についても振り返るようになっている。連続講座なので、参加者の仲間意識が育ち、終了後はすべて子育てサークルとなる。

(4)サークル代表者会議の開催
 平成13年度には、八つの子育てサークルができたので、サークル間の横の連携をはかること・サークル間の情報交換を目的にサークル代表者会議を開催。子育てネットワーク「ママ・ネット」が立ち上がる。子育て支援への様々な要望が市に提出される原動力となり、平成14年度に市内2か所の学童保育の部屋が、子育てサークルに無料開放される。

(5)新米ママと赤ちゃんの会
 平成14年度より、生後5〜6か月の子を持つ保護者を対象に、カナダ生まれの子育てテキスト「完璧な親なんていない!」のプログラムを取り入れた連続講座を実施。育児不安の解消・密室育児からの脱出を目的とした。参加者の希望で、ベビーマッサージ体験やオモチャ作りを取り入れ、早い時期に父親を如何に子育てに巻き込むか、自分の時間を持つこと等を話題にして取り組む。
 参加者が、今困っていることや気になることを話し、参加者同士で知恵を出し合い、自分がやれることを見つけ、どう行動を変えるか、自分で選択できるよう構成。
 参加してくる母親たちは真面目で熱心・エネルギーがあり、完璧を目指したがる傾向にある。積極的に外に出て友だちも多く求めようとし情報量も多く早い。意識の高い母親たちは、本来あまり支援は必要ないと思われがちであるが、思い通りに育たない焦りと不安は、それ故に多く深いといえる。肩の力を抜く子育てのヒントに役立っている。

(6)新米パパママ講座
 終了後は夫婦の共通の話題が増え、パパたちも子育て仲間ができ、家族ぐるみの付き合いに発展。

(7)アドバンスママの会
 高齢初産婦の悩みは、語られにくいのではないかと考え実施。不妊治療で授かった、いわゆる「貴重児」ベビーの子育ての重さを、仲間で話し合うことで解消し合う場。会のメンバーは、今不妊症で悩んでいる方々の相談も受けつつある。


15年度市の受託事業となり活動が拡大

 平成7年から丸8年間は全くの無償ボランティアの活動だったが、15年に予算がついたことにより事業を大幅に拡大。保育付きの講座に取り組む。

(1)双子・年子仲間作りの会
 15年度は今までの事業がすべて市の委託事業となり保育付き講座を実施できるようになる。母親たちが如何に常日頃鬱積し疲労しながら子育てしているかを改めて感じさせられた。この事業に参加した母親たちで「きよせ双子・三つ子の会」が立ち上がる。双子のマタニティママも会に参加し、力を得るような会に育っている。また入園した双子の先輩ママたちが保育に入り、地域でも万全のサポート体制を創っている。

(2)サークル代表者会議の充実をはかる
 各サークル間にサークル活動マニュアルを配布し、活動しやすいよう配慮。サークル活動の利点を確認し合う機会を持つことをねらいとしアンケート調査を実施。代表者会議からママ・ネット運営委員を選出し、「ママ・ネットだより」の発行や、バザーの企画が提案され実現。幼稚園情報交換会や定期的なリサイクルバザーの開催へと発展。リーダーシップやコミュニケーションスキルの向上をねらい、リーダー研修会なども定期的に開催。

(3)同級生サークル・異年齢サークル交流会の開催
 オムツのはずし方・幼稚園選び等も、先輩サークルの母親たちと交流することで、よいヒントをもらえる。サークルを超えた出会いの場創り。

(4)よちよちフォローの会の開催
 新しいメンバーが増えたり、子どもの成長とともに悩みは変化するので、お誕生前後の時期のサークル会に入り、今までを振り返り・認め合い・褒め合い、2歳に向けて、メンバー間でエンパワーし合うような時間を創っている。

(5)アトピーっ子ママの会
 多くの母親たちは、現代病ともいわれるアトピーに悩んでいる。同じ悩みを持つ母親が集い情報交換をしながら、力づけられる会になっている。

(6)すくすく親子教室の開催
 発達がゆっくり・育てにくい2歳以上の子どもを主に対象にし、リトミック的な親子遊びを中心に取り入れた活動を通し、小集団に慣れ発達を促すプログラムの提供。赤ちゃん返りが人見知りの激しい子どもたちにも利用してもらい、弟妹は保育し親子でしっかりかかわり合う時間を保証している。7回連続講座は親子ともに変化が見られ、入園への自信にもつながっている。

〜成果〜(1)赤ちゃんを対象にすることの意義
 母親たちは同月齢であるからこそ、子の発育発達にはこんなにも個人差があるということをまざまざと感じるようである。そして、母子一緒のグループワークであるので、他の母親のかかわり方からお互いに自然と学び合っているようだ。早い時期から一緒なので、わが子以外の他の子へも愛着が沸き、みんなで育ち合おうという雰囲気が作られやすい。子どもがいても活動できるという経験が、子育てサークルの活動につながっている。
〜成果〜(2)ボランティアの効果と、参加者主体の活動
 ボランティアはボランティアを生む。支援された経験のある母親は、支援する側に回れるのだと実感している。今、子どもが幼稚園に入園したことで手が離れ、少しだけ自分の時間が作れるようになった母親たちが、保育に入って助けてくれている。上手に相手をしてくれ、遊ばせてくれ、先輩ママとしての体験も話してくれ、これらの活動がますます活性化されてきている。後継者が育っている手応えがあり、担い手の裾野が広がっている。
〜成果〜(3)地域の活性化と地域ネットワーク
 20年度に入り、自主サークルは40を超えて現在活動中である。市内の各施設は子育てサークルに活発に利用され、いろいろな催しに誘い合って参加する母親たちが増え、市全体がいきいき活性化されたように思う。
 街で声を掛け合う人が増え、一人では何もできないが母親たちが結束することで、様々な要望を市に堤出する原動力にもなっており、子育て状況が一変した感がある。
 母親たちは知り合いが増え、赤ちゃんの時から、わが子だけではなくたくさんの子どもたちとかかわり合い、一緒に成長してきた。数年後子どもたちが小・中・高校生、特に思春期に入ったときに地域で見守り合え、また、支え合える絆が育ったのではないかと考える。