「あしたのまち・くらしづくり2010」掲載
あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞

住んでも来ても楽しいユニバーサルな観光地づくり
北海道弟子屈町 弟子屈ユニバーサルデザインプラザ
弟子屈UDプラザ活動記録

前身は「車椅子マップつくり隊」
 1999年4月にプチホテル「ピュア・フィールド風曜日」が開業いたしましたが、その際当館の設立趣意に賛同した町民が集まり、2001年8月「車椅子マップつくり隊」が設立されました。
 その目的は障害をもつ観光客(特に車椅子利用者)に必要なトイレマップをつくり、安心して我々の町に来ていただこうというものでした。

「車椅子マップつくり隊」活動略歴
(1)2002年7月車いすマップ「主な公共施設トイレ編」発行。
 町内公共施設約30箇所の障害者用トイレを検証し、入り口経路やスロープ、呼び鈴等の状況を把握し、車いすマップを作成。周辺駅や空港、公共施設などに1000部配布。
(2)2004年3月車いすマップ「主な公共施設トイレと民間宿泊施設編」発行。
 町内約80軒の宿泊施設に対し、車いすでも不便なく宿泊できる施設24箇所を選別、調査・検証を行ない、公共施設編と合わせてマップ作成、同時に英語・韓国版も作成し、関連事業所に配布。
(3)2005年3月車いすマップ「飲食店編」発行。
 町内約70軒の飲食店を調査し、受け入れ可能の店51店を選別。段差やトイレなどの施設面に加え、提供メニューやおすすめ品も紹介。2000部を関連事業所に配布。

「車椅子マップつくり隊」の成果
 これらマップ作成活動は飲食店にスロープ設置を促し、公共施設に補助犬マークの表示を義務付け、さらには車いす利用者が行動しやすいようにとトイレ入り口のスペースや売場通路を拡張、トイレそのものをリニューアルした商店も現れ、地域のバリアフリー化促進に貢献することとなりました。
 また、高校ボランティアサークルからは、マップ作成活動に対し調査協力の申し出を受けるなど、バリアフリー化促進に関して世代を超えた地域の強い絆が生まれることとなりました。

「弟子屈ユニバーサルデザインプラザ」は2009年5月設立。
 「車椅子マップつくり隊」の活動が一応の目安がつき、次のステップヘ進む段階となった時、当ホテルの目指す「高齢者や体の不自由なかたでも誰でも安心して宿泊できるユニバーサルデザインのホテル運営」の企業理念を地域全体に拡大することとなり、「住んでも、来ても楽しいユニバーサルな観光地づくり」という行動目標が生まれました。
 当初、「弟子屈バリアフリープラザ」という名称を検討しておりましたが、我々の最終目的はユニバーサルな社会の実現にあり、「弟子屈ユニバーサルデザインプラザ」と名称変更を行なった次第です。


弟子屈UDプラザ活動経歴

新たなニーズヘの対応・発想の転換がUD観光地化へのキーワード
 高齢者や体の不自由な方が、旅に出かける際に生ずるニーズがあります。それは、入浴介助やディサービスの利用方法、歩行器やポータブルトイレの借用、滞在の間の簡単なサポート要請等々であり、今まで観光業界が経験したことのない新たなニーズであります。また、バリアフルな観光地であっても、視点を変えれば視覚・聴覚障害者にとって楽しい観光地に変貌する可能性があります。
 新たなニーズヘの取り組みや発想の転換が、UDの観光地化には必要不可欠な要素であると考え、プラザ活動を通して実践していく所存です。

弟子屈UDプラザ活動施策
実施施策 具体的活動内容
車椅子トイレマップのメンテナンス 変更・追加を行ない、最新情報へ更新
観光地のバリアフリー度再チェック 結果を行政サイドに対し、再提言を行なう
周辺観光地へのUDツアー実施 観光客の希望に適した観光ルートの提案・実施
(各地の福祉移送サービス業者の紹介も含む)
宿泊施設の紹介 観光客のニーズに沿った宿泊施設の紹介
身体の不自由な方でも参加できる自然体験プログラムの開発、実施 アウトドアガイド、自然ガイド、NPO団体と協業し、弟子屈ならではの自然体験メニューの開発、実施


観光客に安心して来ていただくための地域の福祉・医療サービス事業所との連携策
弟子屈町社会福祉協議会との連携
(ボランティアセンターを含む)
①福祉機器の貸出と地元トラベルサポーターの紹介
②観光客と地元住人との交流会開催
障がい者福祉サービス事業所「てつなぎ」と協業 ①障害疑似体験講習会等を通じて町民と交流、心のバリアフリー化を進める
デイケアセンターとの連携 ①入浴・介護サポート体制の確立
②滞在型観光客に対し、デイケアセンターの利用紹介
安全・安心な医療サポート体制の確立を目指し、医療機関との連携を図る ①リハビリテーション施設見学会の実施
②人工透析者の受け入れ、しくみづくり


在住の移動弱者に対する取り組み
実施項目 具体的活動内容
買物、グルメツアー、並びに日帰りミニツアーの企画、実施 ①リフト付きマイクロバス活用により、移動困難な高齢者・障害者に対し外出を促し、個人の「楽しみ」や「生きがい」を創出する


弟子屈UDプラザ活動経歴
日時 活動内容 評価
2009年
6月27日
地元福祉関係者と東京からの障害者団体との交流会開催 地元にも観光客にも好評。エコツーリズムのモデルケースとなりうる
6月28~29日 上記団体を「旅」のお手伝としてツアーに参加。弟子屈町ならではの観光コースを案内 個別対応への評価が高く、旅行記としてまとめた冊子を送られる
7月3日 町内向け「お花見モニターツアー」実施 3名の参加者あり。移動弱者の存在が明確となる
11月8日 厚岸町「こう福祉21」フェステバルヘ出席。ルパネル説明・壇上プレゼンを実施 福祉に観光の視点を入れた説明に関心が寄せられる
11月10日 網走社協主催のUD観光に関する懇談会出席 知床・斜里にも福祉観光を模索する動きがあり、広域連携の可能性あり
2010年
3月23日
弟子屈UDプラザ主催のユニバーサルデザイン講演会開催 町民30数名が参加。UDへの関心が多少高まった
5月21日 地元障害者団体の催事に参加し、車イス利用者の散策をサポート 障害者の中には、名前を覚えていてくれる人もあり、活動の輪は確実に広がっている
6月3日 環境庁より「UDの足湯」建設の打診あり。現場を視察し、提言を行なう 環境庁としても、11月を目安に完成を図りたい意向
6月25日 障害者でも楽しめる乗馬体験メニューを開発 ラフテンィグボート・カヌー・パークゴルフに次ぐ、自然体験メニュー開発に成功
7月3日 釧路多機能型通所施設「はばたき」の宿泊研修をサポート 予定外の出来事にも柔軟に対応することができた
7月19日 札幌テレビによりUDプラザ活動の紹介番組が放映される
番組名:北海道の力「障害者をむかえる町」
UDプラザ活動の内容が良く表現されており、今後の活動展開が期待される