「あしたのまち・くらしづくり2010」掲載
あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞

こどもまつりで地域パワーアッププロジェクト
大阪府羽曳野市 NPO法人南河内こどもステーション
活動の特徴とアピール点

 2010年の5月16日のこどもまつりで、20回になったこどもまつりは、4~5年前までは会員の組織内で企画運営され、内容も大人が考えたものに、こどもが取り組むという情況でしたが、その後「こども中心に」と青年たちに委ねてからたくさんのアイデアが出てきて、行政にもっと積極的に働きかけて、市内の幼稚園・保育所・小学校にチラシが配布できるようになり、来場者が増加したり、お店の募集もそのチラシや広報で一般公募も行なうことで、こどもまつりは、一般の市民にも広がりを見せています。また、こどもまつりのサポーターの募集を始めたところ、地域の方や地元の大学生が少しずつ関心を持って協力をしてくれる人たちも出てきました。
 今、実行委員会では地元の企業や青年会議所にも協力を呼びかけていこうということと、今現在こどもステーションと交流のある、地域の障害者施設の方にも働きかけて、こどもまつりにかかわることで、社会参加へとつながっていけたらという考えも出ています。
 このようなこどもたちの自主的な発案から企画が進み、こどもまつりを通して地域のいろんな団体やさまざまな立場の人たち、こどもから若い青年世代、子育て世代、子育てを終えた世代、シニア世代の大きな異年齢の交流を活発にし、地域へと働きかけていき、しっかりとした人が育つ仕組みを築きながら地域がパワーアップしていけるプロジェクトだと考えています。


プロジェクトの概要と目的

 「こどもまつりで地域パワーアッププロジェクト」のねらいは、こどもたちの持つ力を活かした青少年健全育成の活動〈=こどもまつり〉を、どのように作り上げていくかを地域の人たちにも参加してもらいながら、一緒に考えていくことだと考えています。こどもまつりは、こどもまつり実行委員会で企画運営しています。小学4年生から高校生がその対象です。また、実行委員のこどもたちをサポートするサポート隊も、同時にチラシを配布したり、掲示したり市の広報に掲載してもらったり幅広く一般に公募します。
 月に一度の「こどもまつり実行委員会」では実行委員、サポート隊、こどもステーションからのプロジェクトメンバーが世代を超えて集まり、こどもが中心となって5月のこどもまつりに向けて話し合います。
 こどもまつりのメインイベント“こども市”は4歳以上の幼児であれば、誰でも店長さんになって手作りのお店を出すことができます。お友だち同士、兄弟で、グループで…等毎年60軒ほどの工夫したお店が並びます。
 こども市では現金は使えないことにしていて、こども銀行でドラ券(10円=10ドラ)に両替して楽しんでもらいます。また、このこどもまつりは毎年1500人を超える来場者があり、この点をうまく利用して何かできないかと考え出されたのが「エコプロジェクト」です。①空き缶のプルタブを集めて車椅子を贈ろう、②ペットボトルキャップを集めて“ポリオワクチン”を贈ろうという2つの企画です。以上のような色々な取り組みをすることで、こどもまつりに関わったすべての人や、次代を担うこどもたちが活き活きと豊かに育つ社会の一員となり、地域がもっとつながりあえるよう、より多く地域の人たちの協力を得ながら、進めていきたいと考えています。


実施内容

〈こどもまつり実行委員会〉
・こどもまつり実行委員は、小学4年生から高校生までが対象で、チラシを学校に配布したり、店舗などに掲示してもらったり、市の広報やミニコミ誌に掲載し一般公募する。
・こどもまつりサポート隊は18歳以上の学生・社会人が対象で上記と同じように常時一般公募。
・こどもまつり実行委員会は、実行委員・サポート隊・こどもステーションスタッフで構成され、月に一度「こどもまつり実行委員会」を実施し、どんなまつりにしたいのか、から始まり、担当の係に分かれて話し合ったり、こどもまつり実施に向けてすべてのことを決める場です。
・こどもまつり実行委員会に向けて事前に会議を行ない、各係からの進捗状況や予定や申請等の詳細部分を話し合い、各係同士もしっかり連携を取れるようにする。
・こどもまつりが終了したら、その年のこどもまつりを振り返り「こどもまつり報告集」を作成する
〈バックアップ〉
・地元の店舗にもサポート隊募集のチラシをポスティングしたり、地元の大学に掲示を依頼したり、広報に掲載したり、青年会議所の人たちとも連携をはかり、幅広い年齢層の人々に地域ぐるみでのこどもまつりのサポートを呼びかける。
・地元の企業や店舗に協力・協賛をしてもらえるよう、実行委員会の後みんなで手分けしてお願いして回る。
・行政関係はプロジェクトの担当者が会場をおさえたり、後援申請をしたり、会場を借りる社会教育施設との打ち合わせを行なったりする。
・こどもステーションと普段から交流のある地域の障害者施設の方たちとも一緒に取り組み、みんなで集いふれあう楽しさを知ってもらい、その方たちの社会参加へとつなげる。
・ペットボトルキャップの回収をし、ワクチンに交換している大阪のNPO法人e-kotonetにもこどもまつりへの参加協力を呼びかけて、活動をもっとたくさんの人たちに知ってもらい、広がっていくようにするためにも共催してもらう。
〈こども市・イベント〉
・こどもまつり実行委員会で決まった内容や約束に基づいて、こども市のお店募集を行なう。実行委員会の中の宣伝係が書いたチラシを幼稚園・保育園・小学校に配布したり、広報やミニコミ誌に掲載したり、店舗や公共施設に掲示したりして幅広く一般公募する、
・上記と同じように、こども市中の舞台でのイベント出演者・団体を一般公募する。
・こども市の出店希望者には、2月の出店説明会、4月の店長会議に出席してもらい、まつりでの約束ごと・説明などをきちんと行ないみんなで共通認識を持って実施できるようにする。
・こどもまつりのクロージングで、プルタブ・ペットボトルキャップの収集結果を発表する。
〈その他〉
・近年こども市への出店・舞台パフォーマンスヘの出場は、様々な年齢の人たちや団体の人たちが参加するようになり、地域への広がりを年々見せている。
・行事保険に加入しておく。
・食べ物のお店を出店する人には、書類を出してもらい、まとめて保健所へ申請する。また当日は出品した物のサンプルを提出してもらい、2週間保管し食中毒には万全の体制で行なう。
・ペットボトルキャップの回収を行ない、ポリオワクチンに交換し、世界の困っている国や人たちに贈ること。空き缶のプルタブを回収して車イスを施設などに贈ることというこの2つのエコプロジェクトは、3年前に実行委員の発案からスタートしました。このエコプロジェクトも定着してきて年々集まる量が増えていて、とてもうれしく思います。小さなこどもがビニール袋いっぱいにたまったプルタブとキャップを持って来てくれたり、当日来られないのでと事前にたくさん集めたキャップを届けてくださった方。捨てればゴミになってしまうものでも少しずつ…の気持ちが集まれば大きな力になる! そんな大切なことにも気付くことのできる、こどもまつりに必要不可欠なプロジェクトになりました。