「ふるさとづくり2000」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

地域に根づいたボランティア活動
山梨県大月市 富浜地区ボランティア連絡協議会
 富浜地区ボランティア連絡協議会(代表・相馬泉さん、メンバー数134人)が発足したのは、昭和59年。市のボランティア協議会に所属し、上部団体の要請で福祉バザーや障害者・老人会の運動会などを支援していたが、受け身の活動に満足せず、地域に根づいた自主的な活動を始めたのが平成3年だった。以来、牛乳パックやアルミ缶のリサイクルを皮切りに、高齢者福祉などで多彩な活動を展開している。


牛乳パック収集して8年、8.8トン、26万枚に

 大月市では、女性の発案で全国に先駆けて、牛乳パックのリサイクル活動が始められていた。それに呼応して、会でも平成3年6月から牛乳パックの回収に乗り出し、今年6月で8年間の実績は約8.8トン、換算枚数26万4千枚に達し、トイレットぺーパー換算で4万4千巻にもなる。その間、会ではトイレットぺーパー2千パック(八巻入り)、テッシュペーパー1200パック(4箱入り)を共同購入している。
 平成4年から、アルミ缶の収集も始めた。住民も家庭や地域の催し、観光バス旅行の折りなどに出る空き缶を集めて持ち寄るなどの協力を惜しまなかった。こうして7年間に収集したアルミ缶は、約33.1トン、換算個数は200万個近く、縦に並べると富士山の約64倍の高さになる。これを溶解して、新たにアルミ缶を作ると、約180万個できるという。
 アルミ缶の売上金は、福祉活動などに使っている。地元の小・中学校で行っている福祉講話や施設訪問、養護学校との交流経費などを助長するよう補助している。また、敬老会に寄付したり、私立病院には20余万円のアルミ製台車を寄贈した。
 市が高齢者世帯などを対象に実施している配食サービスで、機器が不足しがちなのを補うために寄付したり、配食員の不足を補うボランティアも買って出ている。こうして今年5月からは、週2回、月8回の配食サービスが実施され、配食サービス協力員も53人と大幅に増えた。


『ふれあい学級』の開催

 映画「午後の遺言状」や秋田県鷹巣町の「住民が選択した福祉の町」「一本の手」などの高齢者福祉の記録映像から、会員たちは、かねてよりお年寄りが集える場所はないか、を模索していた。検討の結果、地元の小学校に依頼して、お年寄りと学校の児童、会員らのボランティアが集い、交流する場として『ふれあい学級』を開くことになった。
 ふれあい学級は、あそびタイムや校長先生の話、12クラスに別れての授業参観と合同給食。午後の集いは、歌詞カードによる歌や話し合いなどで、楽しい時間を過ごすというもの。参加者の送迎は会員らのボランティアで担当し、給食費用は会が負担した。こうしてふれあい学級は、学校の各学期に1回、これまでに3回開いた。今後はさらに広く住民の協力を得ながら、実施校を周辺の学校にも拡大していくことにしている。
 「自主的な活動、地域に根づいた活動」は確実に実現してきた。またそれを可能にしたのが開かれた運営であり、会員同士や地域住民を交えた相互の信頼関係を会員たちは上げる。この経験を糧に、来年からスタートする介護保険のより良い定着や環境問題の取り組みなどに生かしていくことにしている。