「ふるさとづくり2000」掲載
<市町村の部>ふるさとづくり振興奨励賞

小杉みこし祭り
富山県 小杉町
 小杉みこし祭りは、「みんなで創り・ふれあい・燃える夏の熱い祭典」をテーマに、毎年7月最終の日曜日に開催、100基を越える創作みこしが参加、大勢の見物客で賑う。
 この祭りは、平成元年、町制施行100周年を迎えるに当たり、全町的な伝統になる祭りを始めようと、町当局、議会、自治会で協議の結果「創作みこし祭り」が考案された。
 町南部の丘陵地には日本海側最大の住宅団地太閤山ニュータウンを有しているが、この地区住民のふれあいや旧町とのつき合いが深まるよう、しかも、子どもから高齢者まで皆が参加し楽しめ、さらに地域交流の促進と全国的な観光祭りを目指したものである。


その年の話題が創作みこしに

 全国に、みこし祭りが数多くある中、手作り創作みこし祭りは、同町が発祥の地と言ってもよく、町内はもとより、県内外からも参加する創作みこしが繰り広げるパフォーマンスは、バラエティに富み、多くの見物客を魅了する。
 毎年、干支のみこしが何基か出る、それに俵や樽みこし、向井さんが宇宙に行った年はスペースシャトルみこし、サッカーJリーグ開幕の年は大きなサッカーボールみこし、五箇山が世界遺産になった年は合掌みこし、長野オリンピックみこし、若乃花の土俵入りみこし、タイタニックみこし、ポケットモンスターみこし、たまごっちみこし等、その年々の話題みこしが次々と現れる。誰もが知っている題材に皆で楽しむ。
 参加団体は、自治会・町内会・町内外の企業・カレッジ等、アイデアを出し合い、子どもも老人も老若男女力を合わせ大作を創る。この作業は、住民が触れ合う場となり絆を深めている。


みこしコンテスト、大賞賞金20万円

 祭りは、実行委員会(自治会・婦人会・児童クラブ・商工会・カレッジ・町関係者)と企画委員会(各地区でみこし作成の中心的役割を担っている人)の構成で、企画立案を実行委員会に提案、実施する。参加団体には、製作費を助成する。
 祭りの内容は、みこしパレードコンテスト(参加団体は、メイン会場で3分程パフォーマンスを行う。審査員は芸術家等。創造性、デザイン、楽しさを審査。大賞には20万円の賞金が出る。大賞を目指し、見事な作品が出揃う)を始め、アトラクション(大道芸、太鼓競演、獅子舞等)、フリーマーケット(応募が多い、古本や洋服、雑貨等)、飲食屋台村(地元の商工会、農協、魚商組合が出店、ビールや枝豆、焼き鳥等)、野菜市(地元産のスイカやとうもろこし、千石つるまめ、新鮮な果物等)、露店(子どもたちが喜ぶおもちゃや、綿菓子等)、民謡の夕べ(町内10地区の婦人会員200人を中心に、町正声会のバック演奏で、小杉観光音頭を始め、越中おわら節等を踊る)、納涼花火大会(祭りのメイン会場である、歌の森運動公園グランドで、みこし祭りのクライマックスを飾る)である。
 また、祭りには、東京小杉会等の参加で交流を深めている。祭り終了後は、JR富山駅等に創作みこしを展示PR。今年、11回目を迎え、新たな1歩と、伝統ある祭りを目指す。