「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

地域環境保全と資源リサイクル
東京都町田市 エコネット町田
 生涯学習の場「まちだ市民大学」で学んだ市民が、まちの環境を良くしようと「エコネット町田」(代表・松尾正さん、メンバー数・65人)を結成。「身近な環境問題から地球環境問題に継続して活動する」をモットーに、川の浄化や市民に親しまれる環境づくり、ゴミの減量運動などに乗り出した。
 市民講座「まちとくらしの環境講座」は1994年に開設されたが、翌年、同講座の第1回修了生たちが、学習した環境に関する知識や情報を生かして地域社会に貢献しようと、当初32人で「エコネット町田」を立ち上げ、その後も環境講座修了生が会に参加してきて、現在では65人を数えている。


市内3本の川の浄化から着手

 市内を流れる3本の川は、1970年代頃には全国有数の汚染された川になっていた。まず恩田川の美化・浄化から取り組んだ。市内約7キロメートルの間に5か所ある親水場所を拠点に、定期的に始めた川床の清掃では、腰痛・膝痛をおしてまで参加してくれる会員もいた。今年に入って、活動を真光寺川(鶴見川の支流)に広げた。ここでは、大量のゴミとともに、20台を超える自転車が引き上げられた。この市民活動に呼応して、東京都の河川管理事務所の南多摩東部支部が、集めたゴミの回収を引き受けてくれるなど、官民一体の浄化活動に発展した。
 流域下水道の整備も進み、川の水質も少しずつ改善されて、鯉やハヤ科のモッゴなどの魚も見られるようになった。こうして、恩田川は昨年、市による公園化も実現し、子どもたちの楽天地に生まれ変わっている。
 一方、ゴミの増加も著しく、焼却の際出るダイオキシンの発生が、都下ワースト2まで悪化していた。そのため、市は焼却設備の性能向上に努め、市民はゴミの減量に努力することになった。これを受けて同会では、ダイオキシンの発生源とされる塩化ビニル系食品ラップの販売や使用を止めるよう、スーパーなどの食品店や一般市民に呼び掛けている。また、再生紙によるトイレットペーパーの使用を増やすために、製品の価格などを調べて、家計に有利な再生品ペーパーをもっと活用していくよう、機会あるごとに市民へのPRに努めている。