「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

和太鼓の響きが人と人を結びふるさとを創る
富山県朝日町 あさひ若駒太鼓会
 和太鼓はシンプルな打楽器で、誰にでも音が出せて、しかも奥が深く飽きることがない。この魅力にとらわれていた1人の女性は、平成6年4月、地元JA若妻会「たんぽぽの会」で女性と子どもたちの和太鼓チームを作ろうと話題にし、賛同した7人で、太鼓の借り受けや場所の確保に走り回り、JAの納涼祭を初舞台に定め、2か月間の練習を始めた。
 納涼祭での演奏は未熟であったが、地域住民の励ましや子どもたちの意欲に押され、同年9月「大家庄若駒太鼓会」を結成した。「若駒」とは、活きのいい子馬の意味で、元気はつらつとした姿を連想することで名付けた。今年5月「あさひ若駒太鼓会」(代表・住吉有子さん、メンバー数・47人)に改称した。
 当初は、自前の太鼓もなく、練習時間も実績もない。しかし会員は、一歩前進、太鼓を続けようと想いは共通であった。


女性と子ども、地域へのこだわり

 男性会員がいたら、会の運営は楽になるのではないか、事実入会の希望者もあった。そこで、会の性格や方向性を明確にするため、基本的なコンセプトについて重ねて話し合った。
 その結果、和太鼓の会だが、演奏を通じて、地域住民が手を取り、心を通じ合い、育んでもらえる存在が大切である。大家庄地区にこだわり、無理なく息長い活動を女性ならではの力で継続することを確認した。
 そして、大人の活動が、地域で横のつながりとすれば、子どもたちは、時を越え縦のつながりである。姉や兄が舞台で太鼓を打つ姿に憧れ下の子が入会する。この2つのつながりは、ふるさとに欠かせない存在であり、「女性と子どもによる地域に根ざした和太鼓チーム」の活動が本格化したのである。
 福光町「送熱太鼓」のリーダー林さんに、度々大家庄に足を運んで頂き「楽しい太鼓を打っていこう」と、技術面や曲作りの指導をしてもらい、同町のイベントへの参加・交流を勧められ励まされた。同会の太鼓も上達し、福光町や近隣市町、町内のイベントへの参加と多岐に広がっている。昨年4月、大家庄小学校と隣接の山崎小学校が統合し「あさひ野小学校」が誕生。両地区の児童・生徒、女性を中心に活動を展開している。