「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

なんでも手作り! 山間部の村づくり
兵庫県青垣町 東芦田村おこしの会「ごりんかん」
 200戸ほどが点在する山間農村で、豊かな自然と地域文化を観光資源に、21世紀の村の展望を見出そうと、地域の有志で「東芦田村おこしの会『ごりんかん』」(代表・塩見峰一さん、メンバー数・40人)を組織。会員たちみんなで知恵と力を合わせ、何でも手作りのオリジナリティあふれる活動を展開してきた。
 平成2年に発足した同会は、まず拠点づくりからスタートした。有志40人が各自30万円を拠出して、「館」を作ることから始めた。山裾に70平方メートルの平屋を建て、炊事場や会議室などを配置し、多目的に使えるよう配慮した。建設は会員の中に土建・大工・製材・左官などあらゆる業者がいて、それらの人々のリードで完成した。この手作りの素朴さが人気を呼び、一般への貸し出しも年間70件にも及んでいる。


都会との交流農園も軌道に乗って

 田舎で農業体験をしたい、という都会の人々のニーズに応えて、神戸を中心に交流農園の希望者を募った。農園は休耕田などを借り受け、稲作りから白菜、枝豆、スイートコーン、甘藷、レタスなど播種から収穫までを会員の指導のもとで体験してもらい、時間があれば山菜取りなどにも行く。今や交流農園は8年を経過し、軌道に乗るとともに、汗を流して得た収穫物に喜ぶ都会の人々の笑顔が、会員の一層の励みになっている。
 豆腐づくりにも挑戦した。地区の豆腐屋が高齢で廃業する後を引き継ぐことになった。その豆腐屋から技術指導を受け、機械一式を譲り受け、場所も新たに建設して保健所の許可も得た。こうして国内産白大豆を使って週1回作る豆腐は大変好評だ。また、婦人団体や高校生の豆腐作り体験学習も定期的に受け入れ、観光協会の体験学習の場としても利用さている。
 地区内外のイベント行事などにも積極的に参加し、雰囲気づくりに努めている。会の農場で収穫したキビや餅米でキビ餅などを製造販売しているが、餅つきをしてみたい一般住民の飛び入りもあり、これも大変盛況だ。
 会員はもとより、地区民の人間関係は抜群に良くなっている。しかし、メンバーの平均年齢が60歳近くなっていて、今のように作業を続けるための後継者育成が今後の課題となっている。