「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

自然景観の涵養で地球環境の保全活動
鳥取県岸本町 岸本ガーデンクラブ
 岸本町では、大山水系・別所川の砂防工事に合わせて渓流を整備し、緑地帯をガーデニング風の植物園に予定していた。その植物園づくりを担ったのが、平成8年に発足した「岸本ガーデンクラブ」(代表・山本朋伸さん、メンバー数・13人)で、町の事業に協力する過程から生まれたボランティアグループだ。


雄大な背景のもと町独自の景観植物育てる

 町の背景には、雄峰大山、境港、米子平野を眺望する360度の見事な景観が開けていた。渓流植物園は、こんな景観にふさわしいものにしたいと会員たちは考え、今後のモデルにもなるようにと、人の5感(視覚、聴覚、臭覚、触覚、味覚)を充足させる景観植物を中心に植生することにした。
 カラフルな葉色を持つ樹木や美しい宿根草、球根類、グランドカバー類が総合的に生産供給され、調和とともに、デザイン化して植えられた。会員たちは、苗木づくりを平成8、9年で1万5000株生産し、平成10、11年で1万株を植物園に植栽し、平成12年3月、渓流植物園が完成した。
 また、平成11年3月には、役場前ロータリーにある10坪の緑地をデザインし直して植栽を作り変えた。10月には、こしき団地の入り口90坪の空き地に緑地をつくった。12月には、JR岸本駅構内に正月用植栽を設けた。平成12年3月には、小野地区の空き地300坪に芝生と景観植物を入れ、アプローチやベンチ、オブジェ風道標などを配した緑地帯を完成した。
 さらに4月には、B&G体育館の駐車場入り口40坪の空き地に、古タイヤでアプローチを設け、自然石で池を配置した緑地帯を作り、5月には、放ってあった八郷地区の大山開拓碑のある緑地20坪を、景観植物で作り変えた。
 町の美しいまちづくり事業に呼応して4年、会はボランティアとして、苗木の生産や植樹、緑地帯のデザインなどを手掛けてきた。それだけに、素人集団では満足できず、県外などのガーデニングコンテストなどに応募して、腕を磨いてきた。平成11年には兵庫県主催のコンテストで優秀賞、翌年には、淡路花博での会期中、7回のコンテストで4回の連続優勝を勝ち取っている。研究と経験、実績に裏打ちされた所産と言えよう。