「ふるさとづくり2002」掲載
<集団の部>ふるさとづくり賞 振興奨励賞

あやめの植栽と「アヤメ運動」
秋田県大館市 釈迦内地区まちづくり協議会
 私たちの釈迦内地区は大館市の中心部に近い地域で大館市のベッドタウン化として発展しつつある地区だと考えています。しかし現在は大部分が農業地域でもあります。
 地区内の芝谷地は湿原地帯(約5ha)で、あやめ、花しょうぶ等の湿原植物が昭和11年に国の天然記念物に指定されています。昭和38年頃、当釈迦内地区の住宅地や農地の真下に日本一の黒鉱鉱床が発見されて、国内大手の日本鉱業、三菱鉱業、同和鉱業で大々的な開発が進みました。
 現在は金属価格の低迷によって、まだたくさんの残鉱があるのですがいずれも閉山してしまいました。しかし、開発のため約200haの住宅地や農地に広範囲に地盤沈下が起こり、最大9mにもなり大きな社会問題となっています。天然記念物に指定されている芝谷地にも鉱排水が入り、あやめ、花しょうぶにも大きな影響が出まして絶滅寸前になりましたので地域の住民が何とかして環境を守ろうと平成3年頃からあやめ、花しょうぶを釈迦内鉱山から市に寄贈された土地のうち約1万m2の土地を借り受けて、あやめ等を植栽しました。年間約450人の地域のボランティア活動に支えられてあやめ園の整備に頑張っています。現在順調に生育しています。あやめ園の拡張については全国宝くじ協会の助成もいただきました。また毎年開催しているあやめ祭りの各種イベント事業に際しては県や市からも助成をいただきましたが、私たちは将来は地域の名所にしようとさらに頑張っていく決意です。小学校児童の学習エリアもあって児童たちも一緒に頑張っています。
 当釈迦内地区はアヤメ運動が活発に行われています。「ア」は進んであいさつをしよう、「ヤ」は約束を守ろう、「メ」はめやすを持って行動しようです。地区の中学校の校章はアヤメ、小中学校や公民館の校報や館報もアヤメです。公民館の別館となっている茶室もアヤメ苑です。また地区内の各団体もアヤメの名称がついた団体も多く、地区はアヤメ一色です。私たちは今後もアヤメ運動に積極的に取り組んで立派なまちづくりをしていきたいと思っています。

※ここ数年間でまちづくり協議会で取り上げ、行政の協力で解決した事項。

1.地区の高校廃止となった校舎を利用して大館市郷土博物館を建設。
2.天然記念物指定の芝谷地に木橋、遊歩道、アヅマヤの建設。
3.JR踏切で死亡事故が発生したりして危険踏切を10数年来要望した地下道実現。
4.地区内に将来日本海沿岸高速自動車道の建設とインターの建設中。
5.高速道の測道を釈迦内本郷まで延長する工事(現在50%完成)。
6.地区にデイサービスセンターの建設を要望していたが完成。
7.地区の市立保育園の移転新築を実現した。
8.釈迦池(農業用大規模貯水池)の環境整備事業が昨年から、国県市の予算約1億5000万円で実施中。
9.平成19年度開催の秋田国体の運動公園(テニスコート等)が地域内に工事中。
10.平成17年度開校の中高一貫校の新築が地区内と決定した。

 以上が主な事業ですが地域諸問題を解決して住みよいまちづくりのため懸命に地域一丸となって努力しています。