「ふるさとづくり'88」掲載

高齢者の住みよい地域づくり
和歌山県日高町 日高地方生活学校連絡協議会
幸せは、みんなのねがい
ひとりなんかじや できないが
互いに励まし 力をあわせ
住みよい地域を つくりましょ
みんなとつくろう 住みよい日高
みんなでつくろう 明るい日高
 日高地方、1市八ケ町村にある22校の生活学校は、抱擁力、熱意、ともに抜群の坂本トシエ会長のリードのもとに、こんな替え歌を作って歌いながら頑張っている。全体的な取り組みは、主として日高の中心地である御坊市を拠点として実施している。


スーパー協力による空き缶買い上げ運動

 まず例年取り組んできたことは、会長はじめ本部役員の骨折りで、市内のスーパージャスコ、オークワの協力をえて、店内の一等場所を提供していただいて、いろいろなイベントを実施してきたことである。
 第1回は各生活学校の取り組みの紹介をする生活学校まつりで、第2回は、5月30日に消費者の日を記念する行事として、公害のない台所洗剤(米ぬか油)や粉石けん、クリンネルの販売フェアを行った。昨年と今年62年は同様の消費者の日に、各地域のふるさと特産品を持ちより展示即売フェアを実施させていただいた。
「継続は力なり」との言葉通り、回を重ねるごとに生活学校の趣旨が、心ある来店のお客さんたちに理解され、前もって新聞やチラシでPRしたこともあるが、各地の産品が1ケ所で買っていただける便利さも手伝い、今年などは、待ち望んでいた人もあって、展示の品物を見て「○○は持ってこなかったのか」などと催促する人も現われるという調子で、この催しは少々しんどい目はするけれど、うかつにやめるわけにはいかない、と思うまでに、走者してきたことを感じている。
そしてもうひとつ、このスーパーの理解と厚意によって、年に1度だが、空き缶の買い上げ運動に協力いただいている。毎年お盆過ぎの8月20日頃、日高地方の生活学校が空き缶回収運動として各地域別に一斉清掃を行う。そのとき拾った飲料缶100個に対して100円の商品券を発行していただくというもので、勿論その交換の労はすべて生活学校が責任をもって当たっている。毎年約20方個の空き缶が集められ、その商品券が発行される。これにより各地域は清掃されると同時に商品券で有効な買物をさせていただくことになる。
 生活学校によっては、メンバーがその商品券を買い取り、その代金を活動資金にあてたり、また南部地区などは、少々遠いので商品券を一括して雨傘を30本、40本と買い地元の小、中学校や幼稚園、公民館などの公共施設へ寄附をして大変感謝されている。


高齢化社会を考えるでアンケート

 高齢化社会問題への取り組みとしては、60年、県の担当課へお願いして映画と講演による研究交流集会を催して、高齢化社会の現状、高齢者の生き甲斐づくり、住みよい地城づくりの学習から、在宅福祉、地域福祉の大切さを学習させていただいた。そして昨年は10月〜11月に、「高齢化社会を考える」をテーマに食品、交通、福祉問題について、日高地方の各地域に配分して、55歳以上の700名にアンケート調査を実施した。続いて12月2日に、このアンケート調査を中心に、県の先生のご指導をいただき、学習と分散会討議を行った。
 以上の取り組みの結果、まず食品とバス交通問題について対話集会を行うことを決め2月24日に開いた。
 食品問題では、「買い物のとき、商店やスーパーの商品など、高齢者への心くばりがされていると思いますか」の問いかけに対して
(ア)心くばりがされている。 55人(8.0%)
(イ)そうは思わない。   466人(69.2%)
(ウ)わからない。     152人(22.6%)
右の「(イ)そうは思わない」の理由として、
@製造年月日や賞味期間がわかりにくい。295人(43.8%)
 A品質表示が分かりにくい。      257人(38.2%)
 B必要な量が買えない(小量)     254人(37.7%)
 Cレシートの文字が読みにくい。    195人(29.0%)
 となっており、表示の分かりにくい@Aを合わせると552人(82.0%)ということにな
る。


お年寄りに分かりにくい表示

 この点についての話し合いでは、メンバーは、各地域から商品を買って持参し実例を示して訴えた。とくに製造年月日の書いている場所の分かりにくい例を、いくつか示したが、なかでもナイロンの袋に入れた中華まんじゅうは、分かりにくいよりも、袋のどこを探しても見当たらないとの申し出に、「そんなはずはないのだが」と、一人の店長さんが手に取って、ひねくり回した末に、「ここです」と示してくれたところは、なんと2センチ角くらいの緑色のプラスチック製の板に穴を明けて袋の口をしぼって結び付けているその留め具でした。これには一同唖然とした、という一幕もあった。さすがに業者自身も「ぼくらも分かりにくくて困ることがあるんです」ともらしていた。そこで私たちは声を大にして「どうぞ製造元へ、この消費者の苦情を伝えてください」と強く要望した。
 続いて賞味期間のことや、豆腐半丁売り、卵の6コ売り、野菜、果物のばら売りなどで話し合った。とくに少量販売については、業者の方々も、今後は当然、そうしていかねばならないと思っている、と同意していただいた。
 最後にレシートの問題について、アンケート調査の時点では、『レシートで品名が分かるようになればよいが、無理だと思う』との意見が出ていたが、12月に開いた学習会でメンバーから、「御坊市の個人スーパー1店では、買った品物全部がレシートに記入されているので家計簿記入がたいへん便利である。そして、そのお店は大流行で、品物は新鮮だし、みんな喜んでいる」との発言があり、一同びっくりしたのであったが、対話集会で早速この発言を話題にして、ぜひ消費者にとって便利なレシートに改善してくださるよう強く要望した。


高すぎるバスの乗降台

 次にバス交通問題では、
(ア)心くばりがされている。          54人(8.0%)
(イ)心くばりがされていると思えない。    431人(64.1%)
(ウ)わからない。              188人(27.8%)
心くばりがされていると思わない理由としては、
 @料金の表示がわかりにくい。        216人(32.1%)
 Aバスの乗り降りの台が高すぎる。       75人(26.0%)
 Bバスの乗り降りのとき、心くばりがほしい。 166人(24.7%)
 その他の意見として「ブザーの位置が高すぎる」などがあり、これらについて話し合った。
 乗り降りのステップの高さについては、会社でも検討中であるとの話であった。料金の表示は、田舎のバスは停車場所が多いために、表示がどうしても細かくなるとのことであったが、メンバーは今後さらに見やすい表示を検討してほしいとお願いした。
 またブザーの位置や方法については、いままでいろいろ試行錯誤をくり返した結果、もっともよい方法として現在の方法になった、との話しで、乗り合わせている人たちで助け合ってほしいとのことであった。
 近年マイカーの普及でバス会社は経営困難の折柄であるが、一人でも多くの人に安全で便利に利用していただくために、できるだけ要望に応えてサービスしますから、せいぜい利用してほしい、と申された。
 以上の対話集会について、地方新聞が当日の模様を写真入りで大きく取りあげ、PRしてくださったおかげで、各方面に大きな反響を呼んだ。
 そしてまず、スーパー千寿堂がいち早く豆腐の半丁売りを実施し、6月からは、支店を含めてレシートの機械20基を品名の入るものに改善され、同時にハム、ソーセージなどに賞味期間を明記してくれるようになった。また、ジャスコ、オークワでも7月から全店で品名の入るレシートに改善され、卵6コ入りが置かれた。つづいてダイエー、ミドリでも、近くレシートを改善したいということである。


さらに地域福祉の充実をめざして

 バス交通については、御坊南海バスは、この夏から乗降のステップが旧車に比べて10センチも低く、冷暖房完備という新車を5台も購入して定期運行されはじめた。おかげで高齢者や子供が安心して楽しく利用できる、とたいへん喜ばれている。
 以上、各販売店やバス会社のサービスに対しては、地域のみなさんが必ずや応えてくださることを信じるとともに、私たちも、行動をもって応えていき、持ちつ持たれつ明るい地域をつくっていかねばと思っている。
 なお私たちは、今年は残された福祉行政問題について、昨年のアンケート調査のなかの未解決の問題もあり、もっとこの問題について学習する必要を感じている。そのために、12月頃、県の先生方にお願いして研究交流集会を開き、そのうえで、2月頃には、適当な行政関係の方たちにおいでを願って、対話集合を催し、各地域の在宅福祉、地域福祉をさらに充実させることができるよう、頑張りたいと話し合っている。