「ふるさとづくり'95」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

まちづくりへの挑戦
宮城県唐桑町 株式会社まちづくりカンパニー
 宮城県唐桑町の「株式会社まちづくりカンパニー」(代表・佐藤和則さん、メンバー45人)は、魚の宅配事業、唐桑探訪マップの作成、まちづくり実践塾の開催など地域の活性化の活動を進めている。


まちころがしで活性化

 まちづくりカンパニーは平成元年に27人の株主によって設立された。まず取り組んだのが「唐桑お魚クラブ」という鮮魚直販事業だった。唐桑で獲れた新鮮な魚介類を、その日のうちに仙台の会員に届ける事業で、「今日の魚はこうして食べればうまい」という調理情報を載せた「お魚通信」と一緒に届けた。お魚クラブは開始早々から会員数を増やし好評を博したが、仙台まで片道3時間をかけての直販という強行軍を継続するには多くの負担が伴ったために、結局、お魚クラブ直販事業は2年間で終了した。現在、お魚クラブは宅配事業に切り替えられ、サンマ便、お歳暮、お中元などとして受け継がれている。


まちづくりカンパニーはもうひとつの顔

 「唐桑探訪マップ」の作成は、長い歴史の中で蓄積してきたさまざまな地域の財産にスポットを当て、それを一つひとつ丁寧に掘り起こしていく活動である。毎年、一つのテーマを定め、徹底した取材により小冊子にまとめる。これまでにまとめたものとして「唐桑御殿」「人物」「浜ものがたり」「国際交流」「お参詣」の各マップがある。
 まちづくりの方向性を考えようと、平成5年9月から「まちづくり実践塾」がスタートした。企画、教養、実践の各講座があり、毎月1〜2回のペースで開催している。その成果は1冊の報告書にまとめられている。
 また、まちづくりカンパニーは唐桑町体育協会が主催する「大漁マラソン大会」の事務局を引き受けたり、毎年1月14日、15日に行われる御崎神社のお祭りでは協賛行事を担当し、ロックコンサートやカラオケ大会などのさまざまなイベントを企画運営している。
 このようにまちづくりカンパニーは「一流の評論家よりも三流の実践家」を合言葉に、力を合わせながらまちころがしに取り組んでいる。