「ふるさとづくり'95」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

和田町ふるさと街道美術館
千葉県和田町 和田町観光協会
 和田町は、「過疎地域活性化特別措置法」による対策指定地域に、2期連続指定されている。自然環境に恵まれた気候温暖な町で、「美しい自然と豊かで住みよいふるさとを守り、受け継いでいく」ことの大切さを自覚し、実現するために、自分たちの力で出来ることからと、町民から自分で好きな宝物を、大きな絵にしてもらい遊歩道に展示し、町のPRにしているのが「和田町観光協会」(代表・辻貞夫さん、主要メンバー7人)である。
 平成4年度に、和田町花園地先にある県有保安林の一部、約5ヘクタールを「保健保安林」として整備。きれいに下刈りされた松林の中に林内歩道が整備され、東屋や、ベンチ等が設置された。また、その中には町ゆかりの童謡「浜千鳥の碑」に連なるメインストリートもあり花も植えられた。


青空美術館をオープン

 こうした環境整備と連動させて、地元観光協会が「ふるさとを描こう」運動を行ったのである。「町民が推薦する場所を取り入れ、住んでいる人の声を反映させた、観光マップを作ってみてはどうだろう」という意見から発展したものであった。「オラが勧めるふるさと百選」といった感じである。
 コンパネ1枚分の大きな絵を、町民や幼稚園児、小学生の協力を得て描いてもらった。これは「町自慢の場所」を捜すことで、自分たちの町を見直すきっかけとなった。キャンパスが大きいため庭や外から見える土間などで絵を描く人が多く、たくさんの人の目に触れて話題となり、コミュニケーションの場を作ることにもなった。こうして描かれた絵は、「浜千鳥の碑」への遊歩道と国道128号線沿いに「和田町ふるさと街道美術館」として掲げられている。


美しい和田町のPR

 この皆の目によって描かれた場所、物、話を大切にし、磨きをかけ続けていくこと。そして今後は現在約40枚の絵を100枚くらいにまで増やし、和田町紹介の小冊子を発行するとともに、町外、プロの画家、大学の美術部等にも参加を呼びかけ、その輪を広げていくように活動を続けていくことにしている。