「ふるさとづくり'95」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

健康で安全な暮らしをもとめて
福井県 福井県生活学校連絡協議会
 福井県生活学校連絡協議会(代表・加藤たま子さん)は、昭和43年に発足。以来、今日まで食品の添加物や残留農薬、安全食品の開発といった問題をはじめ、輸入食品の安全性や地域医療の改善、資源ごみのリサイクルシステム確立のために集団回収を促進する省資源・省エネルギー活動など、生活上の身近な問題を共通テーマに据えて、生活学校同士で手を携え、相互に交流し協力し合いながらこれら多くの問題に挑戦し、成果を挙げてきた。


徹底して食品の安全性を追求

 県内の生活学校が連携して活動を始めた背景には、個々の生活学校では力の限界があったからである。連携の成果が、連協発足直後の43年12月、第1回「あすの地域社会を築く婦人の集い−クリスマスケーキを考える−」で、さっそく現れる。集いで行政や関係機関、メーカー、販売店等も出席した対話集会での要望に沿って、県は生活科学センターの設置を決定、食品の取り締りも強化し、クリスマスケーキに使用した黄色1号や防腐剤などを規定以上使用したようかん製造業者らを5日間の営業停止処分にするなど、活動は大きな前進をみるとともに、生活学校のメンバーに“やれば出来る”という大きな喜びと自信を与えた。
 以後、共通に取り組んだ「あすの地域社会を築く婦人の集い」のテーマは、醤油、農薬、ゴミ、医療、洗剤、家庭電気製品、パン、ハム・ソーセージ、清涼飲料水、スナック菓子、省資源・省エネルギー・空き缶リサイクル、子供のおやつ、ハンバーグ・ミートボール、牛乳、漬物、即席めん、即席カレールウ、食品の安全性と輸入食品1〜3、発泡スチロールトレー、発泡スチロールとペットボトル1〜2となっている。


トレーの店頭回収は県内の小学校に波及

 食品に大きなウエートが置かれてきたのは、福井県は婦人の就業率全国1位で、インスタント食品を多用する傾向が強い、という地域事情も背景にあったからだ。こうして、危険な食品添加物の追放や規制と共に、本物を食べる運動を展開し、メーカーと組んで無添加ハムやソーセージを開発し、無農薬の米や野菜、果実によるジャム作りなどに取り組んだ。
 医療問題でも、県内にはじめて“休日の当番医制度”を実現。また、近年は環境保全とリサイクル社会の確立に向けた活動に力を入れている。平成3年7月には、県内のスーパーではじめてトレーの店頭回収を実現させ、今や50力所以上の店に広がっている。運動は小学校にも波及、トレーを集団回収しプラスチック製植木鉢と交換する運動が実を結んでいる。