「ふるさとづくり'96」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

外国人に日本語を教える非営利団体の活動
愛媛県松山市 えひめJASL
 愛媛県内の留学生やその家族に、日本語を教えるボランティアグループとして「えひめJASL」(代表・小暮照さん、メンバー98人)は、昭和62年に発足した。当時県内には、3、000人の外国人が生活していたが、日本語が話せず日常生活に支障をきたしていた。そこで主婦など3人で個人授業を始めたところ、数ヵ月の間に外国人の口こみで広がり、メンバーでは対応できなくなって増員、愛媛大学の専門家の指導を得ながら、設立8年目の現在メンバー98人、平成4年から組織の目標や構成を明文化した会則も定めた活動に発展した。


草の根ボランテイア団体に認知

 草創期のグループからメンバーも増え、組織規模も拡大し、活動も広範になり事業の実施内容などからして愛媛県行政などは、真の草の根ボランティア団体に認知するまでに成長した。最近の主な活動内容は、
(1)日本語個人授業では、会員の教師が1対1で日本語を教え、1時間500円の授業科を徴収、会員の交通費に当てる。年問300人からの外国人が受講している。
(2)日本語集中講座は、3月と8月に、約2週間の日程で行う日本語の能力別クラスの集中レッスンで、1期当たり100人からの申しこみがあり、最近は、噂を聞いて他県からの外国人も受講。
(3)技術研修生日本語指導は、7月に企業に研修生として働く外国人を対象の集中講座。
(4)日本語教師養成は、需要の拡大に対応するため、会員の増加や資質向上を図る、日本語教師資格取得特別勉強会など自主的な研修も毎年行っている。


国際交流・国際協力での貢献

 外回人に対する日本語教育が、国際交流の進展に果たす役割やボランティア活動の素晴らしさを一般に啓蒙し、新しい会員加入に繋げるイベントを開催。その一つは、日本語ラリー大会で外国人が、郵便局・警察・病院・小学校等を訪れ、生活に必要な日木語を使いタスクを行い点数を競うラリーで大好評を博している。また、要望に応じて地地域のコミュニティが行う交流事業等に参加し通訳を行ったり、県内の他団体が招聘する外国人グループヘ、日本語教援を引き受け協力し、併せて、えひめJASLの存在をアピールしている。
 えひめJASL(Japanese As Second Language)は、外国人に日木語教授をボランティアで実践するを基本に発足以来活動している。ボランティアといえば福祉活動のイメージが強く、日本語教授の言葉自体が当時は一般的でなかった。今は国際協力・国際交流の時代、同会は質と量の充実を図り「プロのボランティア」を目指し、海外への発展を夢みている。