「ふるさとづくり'97」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

ホタルに魅せられた地域づくり
青森県横浜町 よこはまホタル村
 ホタルを豊かな自然環境のシンボルとして保護増殖し、より多くの賛同者に啓発活動を積極的に行い、横浜町の自然保護と北のホタルの情報発信基地を目指す「よこはまホタル村」(代表・沖津藤松さん、メンバー120人)を、平成5年5月30日(ゴミゼロの日)に結成した。今日まで、屋外飼育場の環境整備、よこはまホタルサミットの開催、ホタル&湧水まつり、農産物夢人直売所「ホタルの宿」設置などの活動を通じ地域づくりに励んでいる。


ホタルの保護を誓い合い

 ホタル村のメンバーは、ホタルの人工飼育や日常管理の注意事項を専門家に学び、地域に生息する源氏ボタルと平家ボタルを飼育し、小川に幼虫を放流する活動から始めた。さらに、20年前からの休耕田をホタルの屋外飼育場にするため雑草や雑木を伐採し、花菖蒲や芝桜を植栽し緑化推進と歩道の整備も行った。平成5年12月には、地域の南部小学校で「放郷・よこはまかわいいホタルを守るために」をテーマにフォーラムを開き、貴重なホタルの保護を誓いあっている。
 新たに整備した屋外飼育場には湧水があり、ホタルにちなんだネーミングを公募したところ119点の応募があり、審査の結果「吹越ホタルの泉」に決定した。そして、このネーミングはホタル村の最大イベントである「ホタル&湧水まつり」でアピールしている。


きれいな水・土・緑を守りホタルと共生の里に

 ホタルをシンボルにした地域づくりの中で、農業や漁業の新鮮な生産物を安く提供し、消費者との交流、生産者の所得向上とホタル村のPRにと農産物等夢人直売所「ホタルの宿」を開設して好評を得ている。この宿はホタル村メンバーの老人クラブの担当であるが、当初は無人直売所であるがために生じる値段や販売代金問題もあったが、運営協議会を設け、ホタルを通じ仲間づくり地域づくりに発展している。
 また、ホタル村のPRを内外に発信するエコーハガキ・パンフレットの作成、イベント用品に「ホタルがせせらぎ(小川)に飛ぶ」模様をオリジナルデザインした浴衣・ジャンバー・ちょうちん・のぼり・手ぬぐい・天幕を製作、ホタル村を広くアピールするのに役立てている。
 さらに、村だより「北のホタル」の発行、6年6月には東京都小金井市「野川ほたる村」と姉妹村を締結、自然環境の保護を通じての交流を深めている。「北限のよこはま源氏ボタルが青森県の天然記念物に指定されることを働きかける」等、10項目をこれからの目標に掲げ、住民の心の豊かさ・連帯感を醸成し農業を守るため活動を継続している。