「ふるさとづくり'97」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

コミュニケーション高める39のサークル活動
福島県いわき市 小名浜玉川町連合会
 小名浜玉用は、現在人口3636人、昭和41年に造成された通称玉川団地と言われる町で、46年に「小名浜玉川町連合会」(代表・佐久間昭さん)を組織し、52年に集会場を建設した頃からサークル活動が盛んになると同時に、玉川文庫、総合文化祭、花いっぱい運動、自主防災活動、ほほえみ会の1人暮らし老人への給食サービス活動など、25年におよぶ民の連帯と協調のまちづくりに取り組み成果を上げている


玉川会館の建設

 まちづくりには欠かせない集会所建設に向け、50年から1世帯1万円の積み立てを開始した。ほぼ目標額に達した翌年、福島県が立県100年記念事業で4方部にコミュニティセンターを建設する計画を知り、県・市に陳情、積立金860万円を市に寄付し、団地中央の市有地1970平方メートルに52年5月待望の「玉川会館」244.62平方メートルが落成した。会館の完成で連帯と協調のまちづくり集会、心のふれあいの場、趣味・娯楽・生涯学習などのサークル活動が活発になり、現在登録している数は39に及んでいる。弱年には利用サークルが増えて会館が狭縊のため敷地の一角にプレハブ99平方メートルを自力で増築した。
 会館落成を記念して行った総合文化祭は19回を数え、日本画・写真・俳句・川机などの展示、民謡やお琴の演奏、餅つき大会、子ども樽みこし町内1周と3日間は祭り一色で娠う。
 52年12月から始めた玉川文庫も、市立図書館からの図書と自前の図書5,000冊を有し63年には、伊藤忠記念財団の助成を受けて増築し、42平方メートルとなり誇れる文庫である。


住民自治の確立をめざし多彩な活動

 昭和58年7月「自主防災団」を結成、市消防暑の指導、協力を得ての防災訓練の実施、町内の主要道路の電柱に消火器の設置、非常時に備えて日常のPRを活発にしている。昨年暮れに発生した天ぷら鍋による火災は、この消火器で近所の住民が被害を最小限に食い止める威力を発揮した。同年12月には、町内一斉「広報放送設備」に370万円(1世帯月300円10か月積み立て)をかけ、市内では初めて自力で設置、住民生活に効果を上げている。
 61年から始めた緑化推進委員会の「花いっぱい」運動は、知識や経験の豊富な委員会のメンバーを中心に各区で花壇を受け持ち、花植え、施肥、散水などの管理を実施している。
 平成6年には、ボランティア「ほほえみ会」が発足、65歳以上の1人暮らし、70歳以上の高齢者夫婦30人を対象に、空いていた会館の管理人室を調理室に改造し、光熱費は連合会の全面的支援で給食サービスを開始するなど、住民は力を合わせ、まちづくりに努力している。