「ふるさとづくり'97」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

地域に根ざした国際交流活動
茨城県明野町 明野町国際交流をすすめる会
 明野町には、13か国300人の外国人が住んでおり、平成5年、町の主催で海外派遣を体験した中学生や町民が参加し「国際交流をすすめるシンポジウム」を開催し、それが契機になって、「明野町国際交流をすすめる会」(代表・仁平正己さん、メンバー143人・8団体)が発会した。同会は、町内の外国人と気楽なお花見交流会、日本語教室やスピーチコンテストなどを開催し交流を深めながら、国際化に向けて住民意識の高揚を図っている。


お花見国際交流会

 会の活動は、毎月1回定例会を開き、事業の計画や年2回発行全戸配布の機関紙編集、会員のコミュニケーションを図るなど、様々な事業を実施している。その一つが、4月に町のシンボルである樹齢40年の満開の桜の下で、町内の外国人や筑波大学の留学生、町民など400人が参加して開かれる「お花見国際交流会」である。ここでは、慣れない手つきでの餅つき、老人会自慢の手打ちそばを食べながら、ダンスやサンバ、タイの民族舞踊を楽しむなど、1日をなごやかに過ごすイベントである。準備から後始末まで全員参加の実施で、メンバーはトラックを出したり、道具を持ち寄っての協力で少ない費用ではあるが内容は充実している。
 昨年はオーストリアのアルテンブルグ修道院少年合唱団員35人を、16人のメンバーがホームステイを自主的に受け入れ親睦を深めた。その後、下妻一高の管弦楽団が日本選抜代表でアルテンブルグ修道院を訪問した際に、ホストファミリーの皆から手紙や写真を託し交流を深めることができ、これからの活動が期待されている。


日本語スピーチコンテスト

 会では、日曜日の午後と月曜日の夜にメンバーを講師に初級・中級別の外国人向け日本語教室を開いたり、家族と一緒のバス旅行やお国自慢の料理を持ち寄っての忘年会、また、悩み事の相談に応じるなどを通じ、本来あるべき姿の人的交流を大切にした活動を展開している。
 これまで、茨城県国際交流協会は「外国人の日本語スピーチコンテスト」を年1回開催しているが、参加者に制限がある。そこで日本語教室で勉強した成果を町レベルで発表できるコンテストを近隣市町にも呼びかけ実施した。その結果、外国人が見た日本、その家族や子どもの躾、自国の文化紹介など多彩なスピーチがあり、さらに、アトラクションではサンバや日本のお囃子の披露があって、より国際理解が深まり住民は地域を見直す機会になった。
 さらに、今年から中国語講座を予定、言葉と文化の吸収や若いメンバーの拡大をめざしている。