「ふるさとづくり'97」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

芝居小屋「ながめ余興場」を守り・育て・活用
群馬県大間々町 ながめ黒子の会
 大間々町の誇れる文化遺産「ながめ余興場」を守り育てて行くには、町民をはじめ多くの人々の支援、協力が必要、この芝居小屋を核にして町の伝統と文化を大切に、まちづくりを進めるために住民に広く呼びかけ、平成5年に「ながめ黒子の会」(代表・椎名祐司さん、メンバー403人・22団体)が発足した。同会は、裏方として舞台には欠かすことのできない黒子のように、縁の下の力持ち的存在で地域づくりを実践している。


ながめ余興場の保存、利・活用

 この芝居小屋は、6年前に取り壊し、移築される運命にあったが、何とか地域住民の手で利用活用し、保存しようと黒子の会が誕生。町当局の理解や支援で「改修」された。余興場は、芝居、歌謡ショー、講談、愉快な音楽会、チャリティコンサート、ジャズフェスティバル、各種講演会などを年間4〜5回開催し活用している。催事の内容によっては、ライオンズクラブとの共催、町や教育委員会よりの委託もある。余興場の活用に当たっては、同会の総会や世話人会で活動内容を話し合い、(1)企て衆(企画委員会=事業の企画や実施運営計画の立案)、(2)お知らせ衆(広報委員会=ながめ黒子の会発行の機関紙「はなみち」年3回の編集)、(3)ながめお庭番(施設委員会=ながめ公園や余興場の清掃、施設の点検や管理)の3つの専門委員会が主体となってその役割を果たしている。そして、公演など催事の際は会のメンバーである世話人会や助っ人衆が全面的に協力している。


全国芝居小屋会議開催へ

 同会は、余興場を核に個性ある地域文化の研究や町の伝統文化を大切にしたまちづくりを目指し、全国芝居小屋会議、群馬県地域づくり推進協議会、全国生涯学習まちづくり研究会への積極的な参加、町内の各種イベントへの参加協力活動などを積み重ねている。
 全国芝居小屋会議は、全国に数少ない芝居小屋のある自治体や支援団体との交流を図り、芝居小屋を活用したまちづくり、文化の継承に関する情報交換や他市町村に残る芝居小屋の調査研究活動を行っており、平成9年11月には、ながめ余興場で第5回全国芝居小屋会議の開催が決定している。この会議に向けて準備委員会や町づくり研修会を月1回程度開催し、各種団体とのネットワークづくりに励んでいる。一方、県内の地域づくり活動に取り組む団体等とのネットワークを広げ、大間々町の個性豊かな地域づくりの推進に取り組んでいる。
 また、360年の伝統を誇る大間々まつり(おおまま祇園)や各種イベントの中で、多くの住民や団体と交流を図りまちづくりの核集団となってその役割を果たしている。