「ふるさとづくり'97」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

地域ぐるみ・全員参加のむらづくり
富山県福岡町 大滝むらづくり推進協議会
 富山県福岡町の大滝地区は、小矢部市と境を接する。かつては農業が80%近くを占めている純農業地区だったが、近年新興住宅地として非農業の住民が増え続け、昭和55年頃からついにその割合は逆転してしまった。住民どうしのつながりが希薄になってきたことに危機感を感じた住民たちが集まって結成された「大滝むらづくり推進協議会」(代表・水野弘之さん、世帯数588戸)は、住民の結びつきを図り、活力のある地域をつくろうと取り組んでいる。


住民の連帯感を取り戻すために

 “新興住宅地”と呼ばれる地域はどこでもそうなるように、大滝地区も住民どうしの交流がどんどん少なくなっていった。地域の行事に参加者がいなくなり、道路や空き地に空き缶が散乱。このままでは殺伐とした地域になってしまう。
 こうした状況をなんとかしたいと、昭和58年、行政の指導を受けて「むらづくり準備委員会」を発足させた。まず、生活・文化・青少年育成などの多岐にわたるアンケート調査を、全地区民を対象に実施した。そしてそれをもとに50回以上もの会合を重ねて、昭和59年「大滝むらづくり推進協議会」が設立された。


より住みやすい環境づくりを目指して

 組織は、役員と町議員とで構成された常任委員会を中心に、生活環境部会、体育部会、文化青少年部会等を設け、みな自主的な活動を展開している。
 例えば環境の問題では、川の汚れ防止のために標語をつくり、上流の小矢部市まで巻き込んで運動を展開した。体育部会では住民の夢であった「大滝コミュニティセンター」が建設されたのをきっかけに、『1人1スポーツ』を目標に掲げて、健康づくりに励んでいる。
 また、もっと連帯感を深めようと毎年行われているのが「むらまつり」である。「地域ぐるみ、全員参加」をモットーに掲げているだけに、うちでとれた野菜を売る人、手作りの漬物販売、大人も子どもも一緒になって練習を重ねてきた余興の披露など、内容も多彩である。
 その他、さまざまな活動を展開している同協議会だが、1人暮らしの高齢者や障害者にも目を向け、緊急の時の連絡網を作成するなど、みんなが安心して暮らせる福祉社会の実現にも目を向けている。
 住民全員が参加して、対話と思いやりあふれる地域づくりを目指して、活動を続ける「大滝むらづくり推進協議会」である。