「ふるさとづくり'97」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

自然との共生を目指して
奈良県山添村 山添村環境リサイクルの会
 1人でも多くの人に環境について考えてほしいという思いから、平成5年3月に「山添村 環境・リサイクルの会」(代表・井久保和子さん、メンバー10人)が発足した。役場内ではすでに資源のリサイクル回収が毎月行なわれていて、これから役場から村内に働きかけようとしている矢先のことだった。同会が率先してリサイクルに取り組み、自然との共生の大切さを住民に感じてもらおうと活動を続けている。


リサイクル意識を高めよう

「村民のリサイクル意識はまだまだ低い。率先してリサイクルを始めてくれないか」とわが会に言われたのは、役場の生活環境課長を訪れた時のことだった。なんとか住民にリサイクルの大切さを認識してほしいと、村あげてのイベント「山添ふれあい村祭り」にリサイクルコーナーを設けたのをきっかけに、「とにかく自分たちでリサイクル回収をやってみよう」ということになった。まず、2か所の回収場で、牛乳パック、空き缶、トレー等を回収することを新聞折り込みや有線放送で村民に知らせ協力を求めた。ところが、当日持ち込まれた品は、牛乳パックは開かれてない、トレーが汚れカビが生えている、袋の中に缶やびん、危険物が混じっていたりで、住民のリサイクルに対する意識の低さを思い知らされる結果だった。そこで、各家庭で分別をきちんとしてもらうことを働きかけ、回収場所を増やし、回収量に応じた還元金もつけることにした。こうして、回を重ねる毎にリサイクルの輪が広がり、回収量も増え、きれいに洗った品が並べられ、空き缶もきちんと分別されるようになった。


自然にやさしい生活を

「家族の健康や環境を守るため合成洗剤を使わないで」と、水の大切さを呼びかけたが、「店にない」「高い」との声に、食器洗い布と無添剤石けんを会で扱うことになった。老人ホームに置いてもらったところ好評で、早速、粉石けんを使用してもらえるようになった。保育園の保護者にもチラシを配布したりと徐々に理解者が増えてきた。
 また、山辺高校 山添分校がクラブ活動でEMボカシに取り組んでいるのを知り、生徒とともに普及活動をした。各地区でミニ集会を開き、生ごみを活用し、化学肥料や農薬で痛んだ土壌を改良できることなどを学習した。会では、「私たちが何気なく生活している全てが、実は自然と何らかの共生の上に成り立っていることに、多くの人に気づいてほしいと思う。わがふるさと山添村を、昔のきれいな山川にする」ことが私たち主婦が家庭から今できることではないだろうかと考えている。