「ふるさとづくり'98」掲載
<市町村の部>ふるさとづくり振興奨励賞

スポーツの振興による町づくり
宮城県 女川町
 女川町民は、1月の10000人寒稽古に始まり、11月のうみねこマラソンにいたるまで、その時々に応じた多様なスポーツの機会を上手に利用している。また、いつでも誰とでもともに快い汗を流す喜びを大切にしながら、自らの体力に合ったスポーツに主体的に取り組み、町民一人ひとりがスポーツによる健康保持に努めている町だ。


多様なスポーツの機会を用意

 女川町では、夜明けとともにジョギングに汗を流す人びとが陸上競技場に集う。日中は、ゲートボールとグラウンドゴルフに親しむ人びとの声が山々にこだまする。夜は、ナイターテニス、ママさんバレー、ラグビー、スポーツ少年団や各種スポーツ団体の活動で広い施設がいっぱいになる。
 スポーツ愛好者で組織する体育協会には、19の単位協会が加盟し、独自の事業展開でスポーツ人口を増やしている。スポーツ少年団も成人に負けじと、12団体が組織され、学校間の垣根を越えて同じ町の子として活躍する。
 女川町(町長・須田善二郎さん)主催の各種スポーツ教室などは、1年を通じて住民が好きな時に参加できるように多くの機会を設定している。
 女川町は平成3年度全国高等学校総合体育大会の女子ソフトボール競技会の会場となった。1行政区が1チームを応援する体制をとり、町民挙げてこのスポーツの祭典を盛り上げた。住民の熱い応援によって住民と選手たちの結びつきは強まり、大会終了後も交流が続いた。個人的な交流が今でも続いている。
 この大会が契機となって女川町がソフトボール競技の開催地に選定されるようになり、「スポーツ観光」の基盤ができた。石巻圏内の大会は言うに及ばず、宮城県大会、東北地区大会、そして全日本選手権大会など多くの大会が開催されるようになった。ソフトボール競技以外にも東北学生陸上競技大会、県下選抜中学校リレー大会、県高校ラグビー選手権決勝大会県高校柔道選手権大会等多くのスポーツイベントが開催される。


ファミリーからシニアまで参加

 昭和61年から開催している「うみねこマラソン大会」には、北は青森県から南は神奈川県までのランナーが集う。中には毎年参加するランナーもいる。ファミリーからシニアまでを対象にした多様な種目を用意して、遠来の客を交えて魚の町を走り抜ける。
 一方、平成3年から毎年10月10日に開催している「ニュースポーツ・フェスティバル」は、バドルテニス、インディアカなどのニュースポーツ10種目を用意して、来場者がその場で気軽に参加できるようにしている。会場ではサンマの塩焼きサービスやサンマのつかみ取り等も行われ、地場産品のPRにも怠りない。この一日限りのイベントに、昨年は町内外から実に12000人が訪れ、秋の1日をスポーツと味覚で堪能した。