「ふるさとづくり'99」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

地球市民として共に生きる
茨城県明野町 明野町国際交流をすすめる会
 日本語教室、生活習慣の学習会やイベントなどを通じて、地域住民と地域に生活している外国人とがお互いに生活文化を理解し、心からの自然な付き合いをする国際交流活動をしているのは「明野町国際交流をすすめる会」(代表者仁平正巳さん・メンバー数121人・8団体)である。


生活に根ざした日本語教室が好評

 明野町は、茨城県の西部、筑波山の西麓に位置する人口1万8千人の町である。ここ数年、外国人の登録数が増え、現在、町の人口比の3.3%を超えている。
同会は、平成5年11月の「国際交流をすすめるシンポジウム」を契機に、地域づくり活動をすすめてきた数人が中心となり、海外派遣を体験した中学生や町民が参加して発足した。
 日本語教室は、町内以外にも口コミで広がり、遠くの市町村からも参加がある。会員が講師となり、生活に必要な日本語の学習はもちろんのこと、悩みごとの相談にも応じている。回を重ねるうちに心の垣根が消え、自然の付き合いができるようになっている。現在生徒の数は、約120人あり、うれしい悲鳴をあげている。これに対応するかのように、町内外からアシスタント希望の若者の申し込みがあり、さらなる広がりを見せている。
 日本語教室の成果はスピーチコンテストで発表される。内容は、日頃の生活や子どもの教育問題等で鋭い指摘が出されている。来場した地域の人たちにとっては、外国人への理解のみならず地域を見つめ直す機会ともなっている。


生活習慣を身につける学習会開催

 生活習慣学習会は、町内に住む外国人の増加に伴い、教育問題やごみ処理などの環境問題、生活習慣の相違によるトラブルなどについて、地域の人たちと外国人とが共通認識を持って住みやすい地域をつくるために開催されている。また、最近、車を運転する外国人が増えていることから、交通ルール学習会も計画されている。
 この他にイベントとして、外国人と気軽に交流しようと餅つきやダンス、民族舞踊などを内容としたお花見国際交流会を毎年4月に開催している。
 また、日本語教室に通う中国人が講師となり、町民を対象とした中国語教室が始まっている。会員同士のコミュニケーションを図るために、毎月1回開催される定例会や年2回発行の会報「ロード」などがある。
 活動を始めた頃は、外国人に対しお客様扱いをしていたが、現在は地域を共に考え築き上げようとイベント等にも一緒に取り組んでいる。今後も共生していくための問題に、その都度知恵を出し合いながら取り組み、外国人と心からの自然な交流を深めていく地道な活動が続いている。