「ふるさとづくり'99」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

花いっぱいで地域環境の美化
埼玉県狭山市 新狭山1丁目自治会
 住んでいる住民の数も少なく自治会がないことから、行政のサービスが届きにくい川越狭山工業団地、事実子どもを保育園に入園するのに必要な証明印を地区外の民生委員にお願いしたり、子ども会は、隣の地区に加入させたり、ゴミ収集等も問題となっている地域であった。平成元年「新狭山1丁目自治会」(代表・関根定義さん、メンバー80人・企業60社、住民20人)を結成し、地域問題の解決に取り組むと共に、環境美化活動や高齢者と心の触れ合い活動に励んでいる。


1歩進めた美化活動

 自治会を結成し、改めて地域を点検して見て、問題となったのが生活環境であった。早速、市の環境美化の行事に呼応する形で、ゴミや空き缶拾いなどの活動を続けた。特に西武新宿線沿いの側溝は、草が繁茂した中に、空き缶や弁当の食べ空容器などが散乱しひどい汚れであった。平成6年、市政懇談会で市長に現状を説明、請願した結果、側溝にふたをしてもらうことができたのである。
 そこで、これを契機に捨てられたゴミを拾う美化活動を1歩進めて、ゴミが捨てられない環境づくりに取り組んだ。平成8年6月この線路沿い道1キロメートルにベコニア2000本を植えた。秋には、チューリップの球根2000個を植え、綺麗な花を咲かせ、通勤や散歩する人の目を楽しませた。
 2年目、この通りをベコニア通りと名づけ、「空き缶やゴミを捨てないで」と文言を添え、新狭山1丁目自治会の名前で看板を立てた。この花いっぱい活動の成果は、空き缶やゴミのポイ捨てがめっきり減ってきたことに現れている。


障害者が育てたベコニアを植える

 平成10年6月7日、今日は、ベコニアを植える日である。例年より梅雨入りが早く雨がパラつく中メンバーを始め、この行事に協力してくれる、新狭山地区のお年寄りの会「新寿会」と「新狭山ロータリークラブ」のメンバーが次々と集まった。この日の参加者は55人、運ばれてきたベコニアの苗2000本が、慣れた手つきで次々と植えられていく。
 とはいっても、1人当たりにすれば3、40本を植えることになるので、お年寄りにはかなりの労働であり、時々立っては腰を伸ばしながらの作業である。
 今回から、ベコニアは、狭山市内の障害者が自立のため、施設で育てた苗を購入し、植えることにした。このやり方に、市長や福祉団体から喜びの言葉を頂いた。
 また、3年前に、企業メンバーから、何か地域福祉に貢献したいとの提案があり、「新寿会」のお年寄りと手打ちうどんを食べる活動を始めている。新狭山公民館を会場に、毎回20人前後を招待し、メンバー10人程が腕を振るい、一緒にうどんを食べ、おしゃべりしながら、高齢者と心の触れ合いを深めている。