「ふるさとづくり'99」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

魅力ある新しい寺町のまちづくりをめざして
新潟県上越市 寺町まちづくり協議会
 信越本線高田駅裏に、63か寺の寺院が2列に整然と軒を連ねた寺町がある。この貴重な歴史的資産を守り、新しい寺町づくりを目指し、顔づくりプランの作成、ガイドブック「寺院めぐり」の発行、寺院案内板の設置等活動を実践しているのが、平成7年12月に発足した「寺町まちづくり協議会」(代表・松平正夫さん、メンバー48人)である。


寺町まちづくりプランを作成

 平成6年から広域連携政策の一環で、市街地に寺院群がある7都市の市長サミットが開かれている。平成7年7月には、寺町の浄興寺で開かれ、「寺院を生かしたまちづくり」をテーマに、寺院群と地域住民、町並み、文化財、観光等についての意見交換、研究討議が行われた。
 こうした動きに、寺町の町づくりは行政主導でなく、住民の声を反映させなければ、との気運が高まり協議会を結成、活動を展開してきた。先ず、寺町ウォッチングを実施、現状と課題をまとめた。そして、先進地の金沢や川越市を視察し、まちづくり活動や経緯を学んだ。さらに、住民へのアンケート調査や全体協議会での意見、提言を基に将来の「寺町まちづくり構想」への提案書をまとめあげる事が出来た。
 平成8年6月、ふるさと新潟の顔づくり事業「景観形成地区」の指定を受け「顔づくりプラン」を、現況、特性、課題、将来像、町づくりの基本方針、整備計画等を盛り込んだ「寺町まちづくりプラン」の表題で作成した。このプランは、その後の実践活動の大きな土台となったのである。


歴史と緑が息づく安らぎのまちを目標に

 これまでの活動や討議を踏まえ「歴史とみどりが息づくやすらぎのまち寺町」をスローガンに設定した。この町づくりの目標は、地域住民の共通認識を高め、自分たちで出来ることから取り組む等、積極的な姿勢となって現れてきている。
 昨年は、市教育委員会と協同で「寺院めぐり」のガイドブックを作成した。このガイドブックは、大変評判良く、多くの方々より希望があるので、広く深く寺町を知ってもらうと共に、よりアピールに役立っている。併せて、63か寺の名称を掲げ寺院が配列されている現状を記した、大型の案内看板を作成、寺町が一目で分かるよう通りの2か所に設置した。
 9月には、富山県高岡市の瑞龍寺で開かれた第4回寺町サミットに会員が多数参加し、情報交換や交流を深めた。サミットでの状況報告も兼ねて「寺町まちづくりを考える集い」を11月に開き、活動をアピールすると共に、住民からの意見や提案を活動に生かすことにした。
 今年は、寺院の学習や調査を行う「学習部会」、緑やシンボル樹を考える「花と緑部会」、近日中に、寺町だよりを創刊する「広報部会」を設定し、活動を実践している。