「ふるさとづくり'99」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

ポニークラブが生み出したもの
鳥取県八東町 ハーモニィカレッジ
 可愛くてパワフルでプライドが高く、悪戯好きの5頭のポニーとの集いを通して、子どもから大人まで性別や年齢を超えた人びとの輪が広がっている。鳥取県八頭郡八東町の八東小学校の隣にポニー牧場が出来たのが平成7年5月だった。以来、ポニーは子どもたちの人気の的で、9年春にはハーモニィカレッジ(代表・坂本正誠さん、メンバー200人)を発足。ポニークラブやポニーキャンプなどで活動を盛り上げている。
 子どもたちが休日や放課後牧場に来て、馬小屋の掃除や馬に餌や水やりなどの馬の世話をしたり、乗馬練習、外乗りなどを楽しむのがポニークラブの日常活動だ。クラブの子どもたちは小学校低学年から中学生まで、弟や妹を連れてきたり、親たちも出てきて子どもたちの元気な姿に目を細めている。
 動物との交流をテーマにしたポニー教室を開き、8年に大阪・藤井寺市の青少年リーダー協議会のキャンプリーダーたちを招いて始まったポニーキャンプは、5泊6日の日程で行われ、9年には大阪や京都、神戸からも参加して1回平均20人、6回で延べ120人が参加するなど、確実に活動の輪を広げている。


学校教育にも取り入れられたポニー教室

 学校教育の一環として、町内外の小学校が生活科の授業でポニー教室を取り入れている。馬にブラシをかけたり自分の手で馬に餌をやったり、乗馬を体験したりする。隣町の小学校では低学年の生徒自身が鉄道の切符を買って、八東駅から地図を見ながら牧場に来てポニー教室を開く、といったユニークな教室もある。また、放牧した馬たちを描く図画やポニーゲーム、牧場周辺でのオリエンテーリングとポニー教室は多彩だ。
 幼稚園や保育園、小学校、子供会などで、ポニー牧場を訪れる遠足会などを恒例行事にしているところも多く、そうした子どもたちの歓声で牧場はいつも賑っている。


農村と都市と環日本海諸国の子供交流事業

 9年、ハーモニィカレッジの会員が中心となって企画した「農村と都市と環日本海諸国の子供交流事業」が、文部省の「青少年交流推進事業」の一環として認められ、事業費も交付された。同事業では、6月、大都会で暮らす大阪の子どもたちを自然豊かな農村に招き、農村に住む八東町の子どもたちは大都会の大阪を訪ねてそれぞれの体験交流を交換しあった。
 8月、鳥取県境港市で開催されていた「ジャパンエキスポ、夢みなと博」に来日していたモンゴルの音楽家を町に招き、「モンゴル音楽会」を開き、150人からの参加者を集めた。
 10月、「在日東アジア子供交流キャンプ」では、中国の子どもや韓国の国際交流員を招いて町のふるさとの森キャンプ場を会場に、心ゆくまでキャンプファイヤーを楽しんだ。また、「子どもの暮らしと祭り」では、各種模擬店が並び、絵本原画展や子育て座談会が開かれ、ポニー乗馬や「昔遊びなんでも選手権」など各種の行事に、参加者800人と盛会を極めた。