「ふるさとづくり'99」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

地域における国際交流、国際理解、国際協力
長崎県長崎市 長崎伝習所「国際交流塾」
 (1)異文化理解、(2)自文化を知る、(3)自分自身を知る、(4)積極的な自分を作る、(5)地球の一員としての自覚を持ち、自分ができるところから行動する、の五つを目的に、平成4年に活動をはじめたのが長崎伝習所「国際交流塾」(代表・牛嶋洋一郎さん メンバー数300人)だ。
 年間を通して行うスポーツ、語学学習、食、お祭りなどのさまざまなイベントなどで長崎在住の留学生やその家族たちとの交流と相互の理解を深めている。


さまざまなイベントで“国際交流”

 同塾の活動は「外国人とバドミントンshoot day」「地引き網体験」、「稲佐山ハイキング」、「紅葉と美しい海岸線を眺める旅」、「忘年会」など数々のイベントだ。
 バドミントン大会は、アジア出身の留学生が多いことから彼らの母国で盛んなバドミントンの大会を企画し毎年1回開催して、今年で6回目になる。試合は日本人と外国人の混合ダブルス。試合後には参加国の国旗をバックに記念撮影を行う。
 その他、班活動も活発だ。「スポーツクラブ」、「世界の話を聞く会」、「歌おう会」、「国際理解教育研究会」、「初心者のためにスペイン語教室」、「長崎を知る会」、「ほっとらいん・長崎の家族を作る会」など実に多彩だ。これらの活動を通じて、異国の地で何かと心細い外国人と信頼関係を築きお互いを尊重しながら国際交流を進めている。


出会いの場“地球館”

 また、長崎市の文化財である東山手洋風住宅群C棟を国際交流の拠点にする目的から、長崎市、(社)長崎県国際親善協会とともに、「地球館」の建設にも協力した。平成9年5月のオープンから同塾が運営の中心を担ってきた。目玉の「ワールドフーズレストラン」では、長崎在住の留学生やその家族などと協力しながら、毎日違う国の人たちに来てもらい、自国の料理つくってもらう。これまでに31か国の人たちがお国料理に腕を奮った。食を通じた国際交流の場に来館者からは、「本場の味が楽しめる」と人気を集めている。
 メンバーは「ここはただのレストランではなく、むしろ出会いの場です」と言う。そのために「作り方を教えて」との客の要望に応えて、台所を公開し、「お国料理」の作り方を教えてくれる。
 地球館では他にもインターネットの利用や国際理解教育、国際交流の資料の貸し出し、途上国の民芸品の販売なども行っている。
 同会では「単に楽しむだけの活動で終わってしまってはもったいないし、活動を続けていると自然に自分が地球市民の一員であることが自覚できる」と考えている。誰もが地球市民の一員をモットーに国際交流活動に取り組んでいる。