「私たちの生活学校」160号掲載
決議・申し合わせ

財団創立50周年記念 平成18年度あしたのまち・くらしづくり全国フォーラム決議
 私たち生活学校・生活会議をはじめとする、まちづくり・くらしづくりに取り組む者たちは、安心して暮らせる住みよい地域社会をつくるために、全国のそれぞれの地域で、子育て支援や高齢者の暮らしを支える活動をはじめ、子どもを地域で育てる活動、食育や食の安全性の確保、地球にやさしいライフスタイルの確立、地震・水害への対応や犯罪等の抑止を目指す安全なコミュニティづくり、まちづくりなどに長年にわたって取り組んでまいりました。
 私たちは、こうした地域で活動している生活学校・生活会議や「あしたのまち・くらしづくり活動賞」受賞者をはじめとするまち・むらづくり活動をする者たちが、全国各地から、財団創立50周年記念「あしたのまち・くらしづくり全国フォーラム」に参加し、8つの分科会で、「地域を元気にする食育とは何か」、「地域の力を活かした子育てを!」、「高齢者の暮らしと地域活動」、「地球環境を大切にするライフスタイルを広める」、「子どもがいきいきと生活できる地域、学校、家庭にするために」、「地球温暖化防止のため−地域の力で減らそうレジ袋」、「地域力を高めるために、生活会議の役割を考える」、「わたしたちの思いをかなえよう!まちづくり」をテーマにして話し合いました。
 私たちは、2日間にわたる討議を通して、「自分たちの住む地域は自分たちでつくり、マネジメントする」という考えのもとに、私たちの地域活動が、それぞれの地域社会で住民が求める価値を実現していく上で、今後ますます大きな役割を持っていくことを認識し、地域の人たちと力を合わせて、地域活動にさらに邁進し、充実させていく決意を新たにしました。
 私たちは、2日間の討議を集約し、次のようなことを決議しました。私たちもこれらの課題解決のために、さらに自ら努力するとともに、決議実現のために、関係各省庁、各地方自治体、各企業、各関係団体とこれまで以上に意思疎通を図り、連携して活動を進めていく所存でございますので、なお一層のご理解、ご協力とご尽力を切望いたします。

第1・食育の分科会 テーマ「地域を元気にする食育とは何か」
1.国・地方自治体は、地域での食の実態を的確に把握し、望ましい食の実現に向けて、より実効性のある施策を進めるように努めること。

第2・子育て支援の分科会 テーマ「地域の力を活かした子育てを!」
1.国・地方自治体は、延長保育や病児保育の拡充、育児休暇の励行、子育て家庭への経済的支援、産婦人科・小児科の拡充などについて具体的な努力目標を設けて、子育て支援施策のさらなる充実・徹底を図ること。

2.国・地方自治体は、子育て支援グループの活動をさらに活発化するために、活動場所の提供、人材の育成、財政支援、広報の充実などに努めること。

第3・高齢者の暮らし分科会 テーマ「高齢者の暮らしと地域活動」
1.国・地方自治体は、地域住民やボランティア団体、NPO法人などの高齢者支援団体と積極的に協働をはかり、高齢者が住み慣れた地域で安全で安心して暮らせる体制の拡充をはかること。

第4・環境の分科会 テーマ「地球環境を大切にするライフスタイルを広める」
1.地球温暖化防止は喫緊の課題である。国・地方自治体は、本年6月の改正容器包装リサイクル法の制定を受け、さらに3Rを促進する必要が高まってきた。長年、ごみの発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)及び再生利用(リサイクル)に努めている環境グループ等の活動を積極的に評価し、それらのグループ等や事業者との連携と協働を促進する。そしてその活動に必要な経費的支援・助成措置の配慮を要請する。

第5・地域と学校の分科会 テーマ「子どもがいきいきと生活できる地域、学校、家庭にするために」
1.文部科学省、地方自治体、教育委員会は、コミュニティスクール制度の導入に積極的に取り組むとともに、制度の導入にあたっては、学校のあり方のみならず家庭のあり方も変える重要な役割があることを住民にPRすること。

2.国・地方自治体、教育委員会、学校は、いじめは社会全体の共通のルールとして絶対許されない行為として、毅然とした対応を行うこと。

3.国・地方自治体、教育委員会、学校、地域活動団体は、健全な子育てを行うためには、現在の食生活はじめ生活習慣を見直し、改善することのできる家庭教育体制を確立すること。

第6・レジ袋削減分科会 テーマ「地球温暖化防止のため―地域の力で減らそうレジ袋―」
1.国は、5年後の「容器包装リサイクル法」の見直しに向けては、発生抑制を最優先課題とし、「拡大生産者責任」の法制化を確立させること。

2.事業者がレジ袋削減努力を怠ることのないよう、国の指導も怠らないよう努め、さらには「レジ袋削減推進に向けた取り組みに関する協定」を各地域が自主的に結べるように、自治体も協力するよう促すこと。

第7・生活会議の分科会 テーマ「地域力を高めるために、生活会議の役割を考える」
1.国・地方自治体は、遊休施設(空き教室、空き庁舎等)を住民活動に積極的に提供する施策を推進すること。

 以上、決議します。

平成18年12月5日

財団創立50周年記念 平成18年度あしたのまち・くらしづくり全国フォーラム 参加者一同

財団創立50周年記念 平成18年度あしたのまち・くらしづくり全国フォーラム申し合わせ
第1・食育の分科会 テーマ「地域を元気にする食育とは何か」
1.私たちは、それぞれの地域における食の実態を把握するとともに、より多くの人たちに、食の大切さを伝えられるような活動に取り組んでいきましょう。

2.私たちは、食育の背景となっている生活習慣に注目し、家族や、地域住民同士の触れ合いが広がり、地域全体に活力が生まれるような活動に取り組んでいきましょう。

第2・子育て支援の分科会 テーマ「地域の力を活かした子育てを!」
1.私たちは、実態にあった子育て支援を実現するために、子育て中の親と積極的に交流し、協働活動を進めましょう。

2.私たちは、父親や定年後の男性たちが、家庭や地域での子育てに積極的に参加するように、男性はもちろん企業・行政に働きかけましょう。

第3・高齢者の暮らし分科会 テーマ「高齢者の暮らしと地域活動」
1.私たちは、地域で日常的に助け合い、支え合う活動を行い、地域の高齢者が安心して暮らせる地域になることをめざして活動していきましょう。

2.私たちは、介護を必要とする高齢者が利用しやすい介護保険にするために、介護保険を利用者の立場から調べ、問題点の改善に向けた取り組みを行いましょう。

第4・環境の分科会 テーマ「地球環境を大切にするライフスタイルを広める」
1.私たちは、地球環境を大切にするライフスタイルを地域社会に広めることが地球温暖化の防止に寄与するとの目的意識を持ち活動しましょう。
 活動に当たっては、地域におけるネットワークの輪を広げ、生ごみの減量効果のある一絞り運動、発生した生ごみを資源として活用する堆肥化、有効な廃食油の利用、資源を大切にするリターナブルびんの活用、輸送時のCO2排出削減に有効な地産地消の活用、省エネ遊具や紙芝居を使って関心を惹く環境教育、利用しやすいフリーマーケットの整備などの中から、それぞれの家庭や地域に合った3R活動を見出し、先例を参考とすることにより、それぞれの活動を拡充させるよう心掛けましょう。

第5・地域と学校の分科会 テーマ「子どもがいきいきと生活できる地域、学校、家庭にするために」
1.私たちは、健全な子育てを行うためには、食生活や子どもの生活時間の管理がきちんとできる親の役割が重要との観点から、地域と地域の学校が積極的に親育ても行うように働きかけましょう。

2.私たちは、市町村行政にコミュニティスクール制度の導入を積極的に働きかけるとともに、積極的に参加していきましょう。

3.私たちは、いじめをなくすために、地域の児童・生徒の日常生活に関心を持つとともに、地域と家庭と学校が連携して対応できるように積極的に協力していきましょう。

第6・レジ袋削減分科会 テーマ「地球温暖化防止のため―地域の力で減らそうレジ袋―」
1.私たちは地球温暖化が危機的な現状であることの、周知徹底を図り「だれでもが直ぐできることから始めよう」を合い言葉に、温暖化防止の促進を図ることを目的として、速やかに行動しましょう。

2.私たちは、行政・事業者・各種団体が連携した地域自主協定または、ポイントカード制・環境ICカードなど、地域に合ったやり方で具体的な目標を掲げ、「レジ袋削減」を図りましょう。

3.私たちの運動が、今日の社会情勢に適応した、効果的な運動であるかどうかを再確認し、目に見える運動・幅広い年齢層に参画してもらえる運動を展開するために、知恵を出し合いましょう。

第7・生活会議の分科会 テーマ「地域力を高めるために、生活会議の役割を考える」
1.地域力を高めるために、思いや願いを具体化できるしくみをつくり、みつめる・かたり合う、ふれ愛のまちづくりを進めましょう。
 ビジョンをつくり、とにかくやってみましょう。

第8・地域づくり(あしたのまち・くらしづくり活動賞)の分科会 テーマ「わたしたちの思いをかなえよう!まちづくり」のアピール
1.少子高齢社会が到来しつつある中、高負担、行政サービスの低下、地球環境の悪化など私たちを取り巻く環境は厳しさを増しています。
 バブル経済が崩壊し、久しくなりますが、贅沢になれた生活の切り替え、意識の切り替えはいっこうに進んでいません。
 しかし、今日はまちづくりの素晴らしい話をいっぱい聞きました。今とは比較にならない厳しい時代(江戸)に生きた先人の知恵や、いち早く意識を切り替え、地域の活性化に取り組んだ仕掛け人に出会うことができました。頑張っている多くの仲間とも知り合いになりました。
 みんなが本気になれば、行動を起こせば、みんなの思いが実現できることがわかりました。
 私たちのまちづくりは、私たちの手で「新しい公共」を実現するための新しいまちづくりです。
 さあ〜みんなで手を携えて『私たちの<思い>が満ちあふれた<まち>を私たちの手で創りあげる』ためにあしたに向かって走りだしましょう。

平成18年12月5日

財団創立50周年記念 平成18年度あしたのまち・くらしづくり全国フォーラム 参加者一同