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令和7年度あしたのまち・くらしづくり活動賞発表
 独自の発想により全国各地で活発に展開されている地域づくり・くらしづくり・ひとづくりの活動に取り組んでいる地域活動団体等を表彰する、令和7年度あしたのまち・くらしづくり活動賞(主催:公益財団法人あしたの日本を創る協会、読売新聞東京本社、日本放送協会)の各賞が以下の通り決定しました。今年度の応募総数は223団体でした。

■内閣総理大臣賞
新潟県新潟市中央区 沼垂テラス商店街(株式会社テラスオフィス)

■内閣官房長官賞
千葉県銚子市 一般財団法人銚子円卓会議

■総務大臣賞
宮城県気仙沼市 特定非営利活動法人水梨かふぇ

■主催者賞(5団体)
北海道札幌市中央区 特定非営利活動法人札幌微助人倶楽部
岩手県宮古市 NPO法人みやっこベース
新潟県三条市 株式会社TREE
京都府京都市東山区 六原まちづくり委員会
徳島県神山町 神山しずくプロジェクト

■振興奨励賞(20団体)
宮城県気仙沼市 子育てシェアスペースOmusubi
宮城県仙台市泉区 仙台市松陵生活学校
福島県西会津町 奥川地域づくり協議会
千葉県千葉市緑区 大木戸台シニア支援の会
千葉県柏市 北柏楽しいことやっちゃおうプロジェクト
東京都東久留米市 学園町自治会
東京都昭島市 昭島市コミュニティ協議会「まちづくり昭島北」
東京都北区 特定非営利活動法人子育てママ応援塾ほっこりーの
大阪府茨木市 医療的ケアを必要とする児童に対する就学支援の拡充をめざす会
大阪府八尾市 みせるばやお
兵庫県神戸市東灘区 労働者協同組合甲南げんき村
兵庫県宍粟市 特定非営利活動法人奥播磨夢倶楽部
兵庫県猪名川町 大島小学校区まちづくり協議会
和歌山県かつらぎ町 JMT大作戦実行委員会
広島県呉市 大道田まちづくり支援の会
愛媛県松山市 松山市自主防災組織ネットワーク会議
愛媛県伊予市 いよ本プロジェクト運営委員会
福岡県福岡市早良区 こころふくよか
福岡県福岡市早良区 脊振の自然を愛する会
鹿児島県屋久島町および埼玉県狭山市 特定非営利活動法人こそだて支援comono

内閣総理大臣賞
衰退したシャッター通を商店街として再生
新潟県新潟市中央区 沼垂テラス商店街(株式会社テラスオフィス)
【活動内容】
■概要
 ひと昔前は青果中心の市(いち)が立ち、人とモノが行き交い活気にあふれていたが、高齢化や郊外化で徐々に衰退し寂れ、シャッター通りとなってしまった「沼垂市場通り」。自らが生まれ育った町でもある沼垂に「にぎわいを取り戻す」ことを使命として、2014年3月に姉弟で小さな会社を興し、「まちづくり」に着手、まちの再生・活性化を目標に、2015年4月に新たに『沼垂テラス商店街』を誕生させた。
 途中コロナ禍で厳しい環境に置かれた時期もあったが、2025年4月、誕生から10周年を無事迎えることができ、現在、周辺地域の方のみならず、県内外、また海外からも観光客が訪れる場所として成長。出店の問い合わせもあとを絶たず、交流人口が増加、人と人との触れ合い、賑わいが戻っている。

■活動内容
 周辺には空き家や空き店舗も多く、高齢化率の高いこの町に、「地元の人たちがちょっと便利に買い物できるお店を作ってみよう!」、はじめはそんな小さな試みだった。
 最初にできたのはソフトクリームと手作り惣菜の店、2010(平成22)年のこと。その1年後のにカフェが、その1年後に陶芸工房ができ、メディアやSNSなどにより注目を浴び、来街者が少しずつ増えた。この時は1年に1店舗と、ゆっくりとした流れだったが、町の風景やここを訪れる人たちが、少しずつ、しかし確実に変わっていく様子を肌で感じとれたという。
 3店舗ができたことが契機となり、その後、新たな商店街を誕生させるため小さな会社を興した。2015(平成27)年4月に、店舗や工房、オフィスなどが揃い、新商店街「沼垂テラス商店街」をスタートさせたことで、地元のみならず、新潟市内、そして県内へ、少しずつその名と取り組みが知られるようになった。

■現在までの成果等
 それぞれの店を小さな点に例えると、その点がひとつの場所(商店街)に集まり、連携する、それが大きな発信力につながり、想像以上の相乗効果を生み出した。今では商店街の域を越え、「沼垂テラス・エフ」と名付けたサテライト店8店舗が周辺にでき、またそれだけに限らず、沼垂エリアにある企業や店舗が少しずつ連携していくことで、地域内における点が線で結ばれ、「沼垂」にムーブメントが起きていることを実感している。
 この商店街の店主たちは30〜40代が中心層で、また工房などを営むクリエイターが多く、その感性に惹かれて足を運ぶ人たちが集まってくる。彼らは、発想も豊かで柔軟性があり、また各店どうし、何か楽しいこと、面白いことを一緒にやろうという連携意識も高く、それがこの地域でイベントやワークショップ、企画展、ライブなどを開催するということに繋がっている。そういった連帯感や一体感は、このエリアの独特な雰囲気=地域ブランドと言うべきものを形成している。

【評価された点】
 商店街を核にした地方活性化で目に見える成果をあげている例として、他の地域の参考になる取り組みである。元からある商店街の活性化ではなく、出店を募っての新たな賑わいの場の創出という点でユニークである点が高く評価された。
内閣官房長官賞
協働を紡ぐまちづくり中間支援活動
千葉県銚子市 一般財団法人銚子円卓会議
【活動内容】
■概要
 銚子円卓会議は、約10年間の活動を経て、令和6年6月、地域内外の企業、市民からのご寄付を設立資金として法人化。基本3事業―地域課題の解決に取り組む市民活動への助成事業「この指とまれ!」の実践、地域力を活かした「共助の循環備蓄OSUSOWAKE(おすそわけ)」の創造、次世代と地域をつなげるキャリア教育「DELKUI(デルクイ)」の展開―の継続的な推進を通して、市民一人ひとりの挑戦を支え、共助を育み、成長を促す土壌を耕し、市民協働による持続可能なまちづくりの基盤としての歩みを進めている。

■活動内容
 「銚子円卓会議」では、制度の隙間を柔軟に埋めながら、市民の自発的な活動と地域資源の活用を促進するプラットフォームとして機能することを目指し、千葉県事業を契機にまちづくりの多様な主体が連携する協議体として約10年間の活動実績を重ねてきた。そして2024年6月、地域の企業・個人からの寄付によりコミュニティ財団化を実現。これにより、活動の持続可能性と信頼性を高め、行政依存型ではない市民協働型まちづくりの基盤が強化された。

■主な事業
1. 地域課題と人を寄付でつなぐ「この指とまれ!プロジェクト」
 地域課題に向き合い、「この指とまれ!」と自ら手をあげ、仲間たちと共に、解決に向けた活動に取り組んでいる方々を、寄付を媒介して応援する人の輪を広げていこうとするプロジェクト。2013年から19団体に対して寄付金を媒介している。
2. 地域資源の循環を生む「共助のローリングストック OSUSOWAKE」
 パートナー地域の災害時には支援物資として、災害が起こらなければ参加者の手元へ備蓄品が届く、日常からの防災活動が、銚子発、日本初の「共助のローリングストック OSUSOWAKE」である。お米、鯖の文化干し、煎餅や木の葉パン、醤油セットなど地元企業の自慢の逸品を備蓄品として活用し、石川県珠洲市など全国4地域とのパートナー連携を構築。さらに地元千葉科学大学など教育機関との協働による防災教育、地域資源活用の実践として高く評価され、令和3年度には千葉県知事賞(ちばコラボ大賞)を受賞。昨年度、第4期では、備蓄品がはじめて石川県珠洲市への支援品となった。
3. 次世代と地域を結ぶ「DELKUI(出る杭)」
 次世代と地域との良質な関係を育もうとするローカルキャリア教育支援事業。中高生など次世代を対象に、地元企業人との対話の機会の創出、学生・おとなインターンシップの推進、プロボノ活動の受け入れ、地域課題への関与などを通じて主体的に地域の多様な大人と関わる機会を創出しながら、多様なキャリア形成を丁寧に支援している。今年度からは教育委員会の後援のもと小・中学校のキャリア教育に活用されることを想定する『地域人財データベース』の構築を高校生と共に取り組む事業に着手する。

【評価された点】
 複数のまちづくり団体が連携する協議体で中間支援を行うプラットフォームとして、多くのユニークなプロジェクトを広く支援している。市民主体型の身近な課題解決、地場産品などの地域資源の活用による災害対応型の交流、ローカルキャリア教育はいずれも地域活性化にとって参考となる先駆的な活動といえる。
総務大臣賞
廃校校舎を活用して地域づくりと福祉施設
宮城県気仙沼市 特定非営利活動法人水梨かふぇ
【活動内容】
■概要
 宮城県気仙沼市の山間部で廃校になった校舎を活用して地域づくりと福祉施設へ取り組んでいる。地域づくりは,地域との連携で,子どもの居場所づくり・子ども食堂としてのイベント水梨キッズかふぇを開催。法人単独では、地域の高齢者の方々のサロン陽だまりかふぇを実施している。また、福祉施設も地域の理解と協力を得ながら順調に運営している。福祉施設が福祉避難所に指定され,地域と一緒の防災活動にも目を向けている。

■活動内容
 気仙沼市水梨地区は小学校が廃校になるほどの過疎の地域。地域のコミュニティの中心であった水梨コミュニティセンターも統合され、実質廃止になり、それに加えて、2017年に水梨小学校の廃止予定が発表。地域の方々とどうしたらいいか話合いの中で、「子どもを集める活動をしよう」と団体がスタート。
 「水梨キッズかふぇ」という名前で,子どもの居場所づくりと子ども食堂のイベントを開催。水梨地域の総意で開催ということで,当法人に加えて,自治会役員や民生児童委員,地区PTAや有志の方々が運営している。市内の高校生ボランティアも手伝ってくれることになり、第1回目の開催は2018年4月だった。主な内容は、昔の遊びや地域探検、大型遊具や季節の行事、バザーや野菜の販売、読み聞かせコーナーなどと、地域の高齢の方々が作る郷土料理「ばっぱのはっと汁」を提供する。毎月1回第4日曜に廃校となった校舎で実施。地域の高齢者サロン「陽だまりかふぇ」は月に2回程度のペースで開催。参加費無料で毎回約20人の方々が集まり、地域のことを学んだり、カラオケをしたりして過ごす。
 障がい児者の通所福祉施設として、2018年10月には賛同者が集まり,NPO法人水梨かふぇを創設、同年12月に理事長の自宅の納屋を改造して、「放課後等デイサービス いっぽ」を開設。スタッフに看護師が多いので重度心身障がい児や医療的ケアに対応できる,気仙沼市唯一の障害児施設になった。

■現在までの成果等
 団体の活動をはじめてから、子ども食堂などの地域活動の事業において、地域住民と共に活動の機会を増やし、着実な成果をあげている。また、福祉施設の事業においては、重度心身障がい児や医療ケアに対応できる、気仙沼市唯一の障害児施設を運営し、高い成果をあげている。また、児童発達支援、居宅訪問型児童発達支援などの新規事業を開設している。子どもも高齢者も障がいのある人も、共に過ごすことが出来る場を、様々な形で作り続けている。

【評価された点】
 廃校で子どもの居場所づくり、子ども食堂等を運営しつつ、高齢者のサロンにもなるなど「ごちゃまぜ」の拠点形成に励んでいる。地域づくりの拠点でもあり、福祉の拠点でもあり、防災活動の拠点ともなっており、制度のタテワリに陥ることなく住民本位の活動が展開されるインフラ的な役割を果たしていることも評価された。
主催者賞
ささやかな助け合いで大きな安心を!!
北海道札幌市中央区 特定非営利活動法人札幌微助人倶楽部
【活動内容】
■概要
 札幌微助人倶楽部は、1996年に北海道・札幌を拠点に高齢化・核家族化社会の中で、地域住民がお互いを支え合う有償ボランティアとして設立し、家事援助などの訪問サービスや通院・外出などの移送サービスと幅広い支援を提供。今年12月、活動が30年目を迎える。高齢者だけではなく多世代が混ざり合う共助社会の“札幌モデル”として長年、活動を続けている。

■活動内容
 1996年(平成8年)12月、高齢化と核家族化社会を見据えて、福祉・介護に関心を持つ企業経営者や団体役員、ヘルパー有資格者らが「会員同士で助け合う」目的で結成。1999年8月にNPO法人として認証を受けた。設立以来、有償ボランティア団体として、公的介護保険サービスの隙間を埋める“ささやかな助け合い”をモットーに、会員同士が支え合う仕組みを構築してきた。

〇訪問サービスと移送サービスによる地域密着の支援活動
 主な活動として、家事援助。外出付き添いの身体介助、見守り、安否確認、話し相手、託児・送迎、ベビーシッターの育児支援。パソコンや読み聞かせなどの相談サポート、庭仕事と、日常生活の中で困りごとを抱える方々に寄り添った訪問支援サービスを行ってきた。
 冬季における庭の冬囲い、雪による生活困難が増える高齢者世帯に対して、雪かき支援を積極的に実施。家事援助などは1時間1,200円で行い、2024年(令和6年)度の活動時間は約4,042時間。
有償ボランティアの「移送サービス」を会員の自家用車を用いて提供し、高齢者や身体が不自由な方の日常生活を支えている。2024年(令和6年)度の活動件数は4,018件。

〇社会との連携、今後の展望など
 これまで各賞の受賞や、各種広報媒体にも取り上げられている。2024年3月には初めてのイベント「楽しく話そうびすけっと」、2025年5月にはセミナー「楽しく学ぼう びすけっと 高齢者の暮らしと安全」と題して開催。今後もセミナー等の開催により情報提供を行っていく。札幌市在宅福祉活動団体ネットワークや各種市民活動サポートセンターとも協力・連携をしている。
 「公的サービスでは対応しきれない細かな支援」の重要性が再評価されており、訪問サービスや移送サービスの提供者不足は喫緊の課題でボランティア確保に努めている。今後は、地域ニーズに即した支援基盤の強化を図り、会員数の拡大、訪問・移送サービスの拡充、市民との連携・協働を通じて、「ささやかな福祉のネットワーク」を札幌に根付かせていく。

【評価された点】
 高齢者に細やかな支援・助け合いを行う福祉活動団体として、運営については、会費の徴収と有料サービス、有償ボランティアとしており、資金的に持続性を担保している。公的サービスの行き届きにくい細やかな支援を実施しており、会員数が多く、福祉サービス団体として活発に活動を進め成果をあげている。
主催者賞
子どもの居場所づくり・体験機会づくり
岩手県宮古市 NPO法人みやっこベース
【活動内容】
■概要
 みやっこベースは東日本大震災を機に岩手県宮古市で設立され、子ども・若者が“望む未来を自ら創る力”を育むため、幅広い年代の子ども若者を対象に、居場所や体験活動を12年間提供してきた。高校生の地域活動や小学生向け自然体験、探究学習の支援などを通じて、自己肯定感や地元への愛着を育成。高校卒業を機に市外へ転出する若者が多い中、OBOGのUターンや地域での活躍が広がり、宮古に人と学びの循環を生み出している。

■活動内容
 震災からの復興が大きなテーマであった設立初期では、「高校生サミット」と称したワークショップ形式の対話の場により、高校生が街の現状や未来を考える機会を作り続けた。毎月1回開催し2019年までに合計50回、参加者のべ800人にのぼり、高校生の視点から街を活性化する「商店街MAP作成」「観光ツアー」「高校生カフェ」などの9つのプロジェクトが生まれた。その後、小学生から若手社会人、未就学児とその保護者へと対象ごとのニーズを踏まえながら活動を展開。地域の課題解決につながる事業を行政と連携しながら実施しており、子ども・若者が「地域で育つ」環境が仕組み化されつつある。
 商店街内のコミュニティスペース「みやっこハウス」では、小中高生や大学生が集い、勉強や雑談、遊びを通じて安心できるつながりを育んでいる。中でも地域活動をしてみたい高校生は「みやっこC:LOVE(クラブ)」のメンバーとして、イベントの企画運営やラジオ番組づくりを行うなど、若者たちが街の中で主体的に活動する文化が根づいてきた。
 また、宮古市特有の自然資源を活用した体験プログラム提供にも注力。「みやっこファーム」は、年間を通して種まきから収穫・調理までの農作業を体験する機会。「みやっこネイチャークラブ」では森・川・海をフィールドに、年間を通して多様な自然体験を提供。さらに、小学生向けの社会体験イベント「みやっこタウン」や高校生向けの地元探究ツアー「地元修学旅行」など、多世代のリアルな職業・社会体験の場も展開。
 その他、2024年度からは親子支援事業、2025年度からは不登校支援事業などの新規事業も立ち上げ。現在は年代に応じて11の事業と18のプログラムを展開している。
 こうした積み重ねから、若者の社会減が続く宮古市において、みやっこベースの活動に参加経験のあるOBOGのUターンが続々と増え、市役所職員、市議会議員、地域商社の設立、社会福祉の専門家など、20人以上がUターンし活躍。また、みやっこベースの現在のスタッフ10名のうち4名は、みやっこベースのOBOGたち。こうした地域の課題などに寄り添いながらアクションを起こす人材、市民・行政・企業など多様な立場をつなぐハブとしても期待される存在、現在の子どもたちのロールモデルになっており、みやっこベースでは、このような循環を生み続けている。

【評価された点】
 若者が地域課題の解決を目指して主体的に活動できる基盤づくりを行い、地元での多様な体験を通じ、郷土意識を高める活動。若者の意欲を引き出して、地元を担う若者を育てており、この経験を通じてUターンが増加するという成果をあげており、地域・地方の活性化や創生を進める上で、多くの地域で参考となる活動といえる。
主催者賞
地方だからこそできる若者の「やってみたい」で商店街を再生
新潟県三条市 株式会社TREE
【活動内容】
■概要
 新潟県三条市の中心市街地で、若者の流出と商店街の衰退という課題に対し、若者の「やってみたい!」を原動力とした地域再生に取り組んでいる。大正時代のレンガ造りと昭和初期の木造の連なる歴史的建造物を再生した中心市街地拠点施設「TREE」を核に、飲食や起業支援、イベント企画を連携させ、若者が集い挑戦できる持続可能なエコシステムを構築。シャッター街と化した商店街に新たな賑わいとコミュニティを創出している。

■活動内容
 中心市街地の一ノ木戸商店街はかつてのにぎわいは失われつつあった。私たちは若者が集う魅力的な「日常」を創り、「やってみたい!」を実現する場となることを目指し、世代や背景を結ぶ交流拠点として、活動の芽が地域に広がる「宿り木」のようなコミュニティを育んでいる。複数の事業が連携し価値を生む「地域循環型エコシステム」として設計している。
@戦略的拠点「TREE」の創出:歴史的建造物を再生した中心市街地の拠点施設。カフェは「地域への入り口」として、体験型レストランは「グランピング体験」ができる空間として集客の核となっている。施設内の庭は若手庭師の表現の場になっている。
A事業の多角的展開:
・飲食事業:商店街の肉屋、果実店、パン屋と共同開発した「TREEバーガー」は地域内コラボの象徴。
・ギルドオフィス事業:起業家を招くトークイベントや、若者のチャレンジの伴走支援を行い、未来の地域プレイヤーを育成。
・商店街活性化事業:育成したプレイヤーが主体となり「ハラジュク化プロジェクト」や「まるまるまるしぇ」等のイベントを実践。
・コンテンツツーリズム事業:アニメ『Do It Yourself!!』と連携し、聖地巡礼ファンを獲得。商店街でファンベースを運営。

■活動の成果と地域への貢献
@成果:シャッター街から賑わいの中心へ、活動により商店街は大きく変化した。一ノ木戸商店街近隣における約7年の変化(2016年頃と2023年〜24年頃の比較)として、歩行者通行量は約2.7倍。主要な来街者層は地域の高齢者層中心から65%以上が20代女性に。空き店舗が増加していたところから新規出店10店舗に。
A社会的評価とコミュニティへの貢献:取引先精肉店の火災時に募金活動や、コロナ禍で失われた商店街の夜店市の復活など、地域で支え合う「顔の見える関係性」を築いている。近年では、三条市「地域おこし協力隊」の受入支援団体も担い、活動の輪は地域全体に広がっている。

【評価された点】
 グランピング体験ができるレストラン、アニメとの連携など若者ならではの発想で商店街に賑わいを呼び戻した事例として、他の地域にとっても大変参考になる。また、取組が若者のチャレンジ支援にもつながっており高く評価できる。
主催者賞
住んでいて良かった、住み続けたい町六原
京都府京都市東山区 六原まちづくり委員会
【活動内容】
■概要
 六原まちづくり委員会は、六原自治連合会(町内会+各種団体)を横断的につなぐ組織として結成された。地域の有志に加え、外部から専門家や学生等を受け入れ、フラットに意見・提案を述べ合う場となっている。平成23年より空き家対策の他、防災まちづくり、民泊対策、高齢者対策、オーバーツーリズム対策等に取り組んで来た。最近は、空き家問題をわかりやすく解説する動画を皆で、かつドラマ仕立てで制作し、YouTubeにアップしている。

■活動内容
 六原学区におけるまちづくり活動のきっかけは、平成12年に持ち上がった小・中学校の統廃合問題に遡る。各学区(自治連合会)で議論し、六原学区では最終的には「時代にあらがって反対ばかりしていても仕方ない。受け入れて前向きに考えよう」という結論になった。新しい小中一貫校は、唯一賛成した六原学区内に建設され、地域内に若い家族が引っ越して来るようになった。この成功体験は、六原学区におけるまちづくり活動の基本姿勢となった。地域の課題(空き家問題・高齢化問題・民泊問題・オーバーツーリズム問題等)に対して、互いに理解し合い歩み寄って解決の糸口を探すという手法をとるようになった。
 六原学区の30ケ町を束ねる六原自治連合会には数多くの各種団体があるが、横方向に情報共有ができていないという課題があった。そこで平成23年、横断的総合的に地域の問題に取り組む「六原まちづくり委員会」が六原自治連合会の下部組織として結成。六原まちづくり委員会は、地域から有志が参加するほか、外部から学識・専門家(建築士・不動産事業者等)・行政職員・学生等も受け入れ、年齢や立場に関係なくフラットに意見や提案を述べ合い、一緒に活動をする場となっている。
 現在最も力を入れている活動を紹介したい。委員会メンバーが得た知識を、他の地域住民ともシェアしたいと考えるようになり、平成26年に『空き家の手帖』という冊子を制作し学区内で全戸配付。さらに展開させ、令和5年からは空き家問題をわかりやすく解説した動画を皆で、かつドラマ仕立てで制作しYouTubeで配信を始めた(『六原ちゃんねる』https://www.youtube.com/@rokuhara-channel)。脚本・演出・演技・編集も自分達で行ったこの動画は、何よりメンバー内で盛り上がっており、完成試写会では素人俳優の迷演技を笑いながら観るのが楽しみとなっている。毎年制作し、3年で計9本を制作した(今年度も制作予定)。
 まちづくりは地道な活動の積み重ねであり、楽しんで取り組める要素が活動の持続性に関わると実感している。その他、地道な一つ一つの活動においても、他者を排除するのではなく話し合い、六原のことを理解してもらいながら共生することを目指して活動している。

【評価された点】
 防災、空き家問題、民泊、オーバーツーリズム等の問題解決のための活動を実施、空き家活用による交流施設の運営、空き家見守り、避難対策など、外部専門家と連携しながら多彩な活動を展開している。ユーチューブの制作も課題をわかりやすく広く周知する効果があるほか、制作活動自体が連帯感を生んでいる。
主催者賞
デザインで蘇る杉の価値と、環境改善で持続可能な里山へ
徳島県神山町 神山しずくプロジェクト
【活動内容】
■概要
 神山しずくプロジェクトは、徳島県神山町の放置人工林による水源枯渇という地域課題に対し、デザインを用いた杉の価値化を通じて山と暮らしの関係を再構築する取り組み。地域資源である杉の魅力を活かしたプロダクト開発や啓蒙活動を進め、地域や世代を超えた共感を広げてきた。2024年からは水源涵養の回復をめざした環境改善ワークショップを実施。生態系の改善とともに参加者の意識変容や地域とのつながりを育み、持続可能な地域モデルの構築を目指している。

■活動内容
 放置人工林に新たな価値を見出し、山と暮らしの関係を再構築することを目的に2013年に発足。きっかけは、大阪から移住してきたデザイナーが、山の多くが実は手入れされていない人工林であり、その荒廃が水源の枯渇を招いている現状に衝撃を受けたこと。「生命の源である水を守るには、山を守らなければならない。そのためには木を使う必要がある」この気づきから、地域資源である杉にデザインの力を掛け合わせ、山と暮らしをつなぎ直す取り組みを始めた。
 @杉の価値を再発見する活動:「木を使えば山に光が入り、植生が回復する」という当時の考えのもと、杉の年輪や香りなどの特性に着目。食器や雑貨など多様な製品を開発。「扱いづらい安価な木材」とされた杉の価値をデザインの力で引き出し、国内外で高い評価を得た。また、地元製材所や木工職人の協力により木工所(しずくラボ)を開設。県外からの就職希望者の受け入れや、地域おこし協力隊を活用した職人育成にも着手、地域内での雇用創出や技術継承にもつながっている。
 A山の現状を伝える啓蒙活動:山林の現状や水源の危機についての啓蒙活動も展開。展示会や講演、SNS発信を通じて「木を使うことが山を守ることにつながる」というメッセージを発信し、徐々に理解者を増やしてきた。活動は町全体にも波及し、「神山町産材認証制度」の制定や町営住宅での木材活用が進行。直営店(しずくストア)開設や企業連携によりブランド認知も拡大。教育機関からの依頼による授業や体験受け入れなど、次世代への学びの場づくりも行っている。
 B山林の変化のなさに疑問を抱き、次のステージへ:山そのものは変化が見えづらい状況が続いていたことから、生物多様性や生態系の視点から学びを深めた。プロジェクト10周年の節目に、地域住民100人規模のシンポジウムを開催。山と暮らしの関係を見つめ直し、未来に向けて何ができるかを共に考える機会とした。
 C実践的なワークショップの開始と発展:2024年からは、生活水が減少した古民家と周辺の耕作放棄地や裏山という典型的な里山フィールドを舞台に、「水源涵養力を育む環境改善ワークショップ(WS)」を年3回開催。県内外から延べ300名以上が参加し、体験型の取り組みを展開。WSでは、専門家を招き山林の構造や多面的な生態機能を学んだ上で、有機資材による整備や植樹・植生回復などを行っている。地元有機生産者によるゼロウェイストの食事交流も実施し、地域理解と参加者同士のつながりを深めている。
 D成果と変化:伝統的な手入れにより水が地表にとどまり、菌類の繁殖や発芽が促進。昆虫や小動物の生息環境が回復し、鳥や哺乳類の動きも活発化。井戸水の回復が見られるなど、目に見えるかたちで山の保水力がよみがえりつつある。参加者の意識の変化も成果と捉えている。

【評価された点】
 放置人工林という大きな課題に製品開発という観点から向き合い、ワークショップなどの啓蒙活動を行い、地域内での雇用創出、技術継承、関係人口の創出などを通して、地域経済に貢献している。伝統的な手入れも地道に行い環境も改善されている。引き続き活動の拡大にも期待。
振興奨励賞
宮城県気仙沼市 子育てシェアスペースOmusubi  
<現代版「みんなで子育て」の拠点>
 認可外保育施設・コワーキングスペース・シェアハウスの3機能を併せ持つ場所。震災後で失われた子育て支援拠点を子育て世代自らがつくろうと空き家をリノベーション。子連れで出勤する保育士が安全を守りつつ、預かった分だけ預けられる一時預かり専門託児所が中心。加えて、子育ての疲れを癒し、市内様々な子育て 支援の拠点になるママのリラックスルーム、これから子育てをする女性向けのシェアハウスが併設している。
宮城県仙台市泉区 仙台市松陵生活学校  
<ずっと住み続けたい地域づくりの一試み>
 少子高齢化が進む現代、誰もが迎える老いに負けずに元気に住み続けるための活動。東日本大震災の後、ひきこもりをなくし健康に楽しく過ごすため、ランチ付きの高齢者向けのサロン活動を開始した。参加者からの希望で、夏休みに子どもも一緒に参加させたいという一言で「子ども食堂」が平成28年にサロンから独立して始まった。子ども食堂を通して大人が地域の子どもたちの成長に関わっているという自覚が高齢者の生きがいにもつながった。
福島県西会津町 奥川地域づくり協議会  
<未来型「結」で挑む人口減少社会>
 福島県西会津町奥川地区では、深刻な高齢化と人口減少に直面する中、住民主体の「奥川地域づくり協議会」が発足。都市部の学生や社会人を受け入れる「人足ボランティア」やアート・教育機関との連携を通じ、関係人口を創出している。地域と外部が“共に過ごし、共に考える”未来型「結」を育み、持続可能な地域づくりのモデルを実践中。
千葉県千葉市緑区 大木戸台シニア支援の会  
<自分たちの手で安心して住み続けられる町に>
 志願したボランティアが無償で買い物支援、庭作業、ゴミ出し支援等、見守り・助け合い事業を行っている。バス路線廃止となり、団地内の集会所で「ふれあいカフェ虹」の運営や、芸能鑑賞、講習会等を企画。大木戸台団地に住む、子どもから高齢者までが住み続けたいと思えるまちづくりのため活動している。
千葉県柏市 北柏楽しいことやっちゃおうプロジェクト  
<今のままだと北柏はまんま沈むな、きっと。>
 「北柏」という地域の価値を上げるために立ち上がったエリアマネジメント団体。このままでは地域が衰退する、という実は多くの人が気づいていない危機感をもとに、イベントを企画したり、アイコンとなる場所の開拓や整備をしたり、地域課題にフォーカスした企画や、アンケート等によるセンサス、人と人を結ぶ企画地域の町会や他の市民活動団体と協働で、地域の人と人を繋ぎ、動かし、愛着を持つ人を増やし、この地域の社会的な認知を広げていく。
東京都東久留米市 学園町自治会 
<学園町の自然と景観を守り育て、次代へつなぐ住民主体のまちづくり>
 学園町自治会は、武蔵野の自然と歴史ある景観を守り、世代を超えて安心して暮らせる住宅地を維持するために、憲章の運用、地区計画の検討、講演会や勉強会、緑化活動、住民交流の場づくりを行っている。住民主体でまちの価値を高め、次代に引き継ぐ取り組みを進めている。
東京都昭島市 昭島市コミュニティ協議会「まちづくり昭島北」 
<互近助の心で安全・安心なまちづくりの取組>
 平成22年に、地域の防災力向上と生活環境改善、そして安全で安心なまちづくりを目指して結成。11階〜15階建てマンション群に3,350世帯、約7,000人が居住し、5自治会、3管理組合、店舗会の構成で活動している。防災活動は、主に防災隣組の構築や隣接の中学校と12年間継続して合同防災訓練等を実施。また、兵庫、宮城、福島、岩手など被災地を訪問してその教訓と防災知見を地域内に還元している。このほかコミュニティ活動として夏まつり、運動会、ペタンク大会や非常食の調理教室などを合同で開催し、発災時を想定した集団行動、チームワークとリーダーのスキルアップに注力している。
東京都北区 特定非営利活動法人子育てママ応援塾ほっこりーの 
<「脱“孤育て”」ママによるママのための居場所作り>
 子育てが“孤育て”にならないようにふらっと立ち寄ることができ、授乳、おむつ替え、おしゃべりが無料でできる「ママによるママのための共助拠点」として民営子育てサロンを創業し、地域の子育て中の母親たちの居場所作りを15年近く行ってきた。授乳やおむつ替えができるだけではなく、産後デイケアや子ども連れでも参加OKな講座を開催したり、同じ悩みを持つ母親同士が繋がれる場を作ったり、子どもがいても就労を諦めることがないような働き方を支援する環境作りにも注力してきた。
大阪府茨木市 医療的ケアを必要とする児童に対する就学支援の拡充をめざす会 
<医療的ケア児の就学環境の向上及び啓発活動>
 医療的ケア児も健常の児童生徒と同様の教育環境に参加できることができ、その保護者や家族も豊かな社会生活を営むことができる社会の実現のための活動を大阪府茨木市を拠点に行っている。活動内容として、@医療的ケア児の特別支援学校への通学方法の確立、A特別支援学校における人工呼吸器を使用する児童・生徒への保護者の常態的な付き添いの廃止。医療的ケア児の就学に関する当事者の声を集約し、医療的ケア児に関わる様々な職種の視点から現状の問題点と改善策を検討し、行政機関に届けるため活動を行っている。また、医療的ケア児への啓発活動にも力を注ぎ活動している。
大阪府八尾市 みせるばやお  
<ひとをつくり地域の未来を拓くみせるばやお>
 「みせるはやお」は、多彩な「ものづくリワークショップ」を通じてものづくりの魅力、ものづくりを担う企業の魅力を発信していく施設である。中小企業1社では持つことのできないスペースやヒト、リソース、データをシェアリングでき、その中でお互いを理解・信頼し、交流を深めて協働する。そこから新しいコラボレーションを生み出し、イノベーションを起こすことで地域貢献や地域ブランディングヘと繋げる拠点となる。
兵庫県神戸市東灘区 労働者協同組合甲南げんき村  
<地域の16団体が協同して、街づくりを>
 阪神淡路大震災から30年、地域の課題は深刻である。全世代で、孤独、孤立が進行、引きこもり、不登校など家庭、学校の機能が低下し、課題が山積状態。なんとか、自分の居場所ができ、多世代の交流が深まり、ゆるやかなつながりが生まれる地域づくりが緊急の課題である。東灘こどもカフェで15年間活動してきたが、一つの団体の活動では限界があり、地域の16団体が協同して、「地域がつながる」大きな課題に挑戦している。
兵庫県宍粟市 特定非営利活動法人奥播磨夢倶楽部 
<農村の新しいかたち 茅葺き古民家エコカフェ>
 兵庫県宍粟市で、2016年から築約130年の茅葺き古民家を活用した研修受入れや交流事業、森の保全、資源を使ったオリジナルのワークショップを継続して取組んできた。2024年度からは、「森のエコカフェ」を開設。多様な人材とつながって、茅葺き古民家の継承と資源活用に取組み、令和版結(ゆい)を構成し、楽しみながらやりがいを感じられる次世代へ繋ぐ農村の新しいかたちを創り出している。
兵庫県猪名川町 大島小学校区まちづくり協議会  
<“緩やかな連携”による移住の取り組み>
 大都市圏域近郊の中山間地域である大島地区(兵庫県猪名川町)は、都市部への人口流出が激しい。この状況をなんとかするために、小学校を中心とした地域コミュニティの醸成に取り組んできた。約5年前から活性化計画を作成し、その中の一つとして移住の取り組みを進めている。地域主体を基本としつつ、行政や専門家、協力者との“緩やかな連携”のもとに、着実な取り組みを進めており、少しずつではあるが成果を収めつつある。
和歌山県かつらぎ町 JMT大作戦実行委員会  
<主婦3人が立ち上げた「JMT」の挑戦>
 和歌山県かつらぎ町の主婦3人が立ち上げた「JMT大作戦実行委員会」は、地域の活性化を目指し、マルシェやイベントを企画・開催。住民の交流や出番を創出し、地域全体のつながりを深めてきた。活動は年々拡大し、現在は4年目。他地域との連携も視野に入れ、「じもと」を超えて人々が集う場づくりを続けている。
広島県呉市 大道田まちづくり支援の会  
<安全で安心して住めるまち「花とみどりの夢広場」づくり>
 風水害の危険区域に有る我が団地は豪雨時3つの治山ダム(山主名義)からの排水被害を防ぐ必要がある。西日本豪雨災害で隣接する地域が大きな被害を受けた。地球温暖化に伴い取り巻く環境がますます厳しくなるため、今まで通りの対応では被害を受けることは間違いないとの思いで、ダム下の雑木を伐採して花木広場にすれば地域住民の意識も変わり更に、コミュニティ広場にすることで減災の為の維持管理が継続可能になるのでは?の思いで、自治会で検討した結果、志を同じくする団体「大道田まちづくり支援の会」を令和3年5月に立ち上げ4年かけて作業を実施した結果「花とみどりの夢広場」を造成することができた。今後は継続して維持管理が出来る体制作りを図る。
愛媛県松山市 松山市自主防災組織ネットワーク会議 
<「自分たちの命は自分たちで守る」住民主体で取り組む地域防災力の強化>
 松山市自主防災組織ネットワーク会議は、平成20年6月に設立され、住民主体の地域防災力の強化を目指し活動している。同会議は市内41地区の防災組織連合会を集約し、ネットワークを構築している。松山市では令和6年8月に、市区町村別で全国初となる防災士数1万人を達成しているが、自主防災組織からの防災士資格取得を推進するなど、同会議もこれに大きく貢献した。また、研修会や講習会を開催し防災知識を深めるとともに、地域間のネットワークを強化するなど、実践的な防災力を育成している。さらに、防災活動の成果を広く共有するため市民参加型の防災シンポジウムを開催し、市域全体の防災力の向上にも力を入れている。
愛媛県伊予市 いよ本プロジェクト運営委員会  
<本と人をつなぐ 本をとおして人と人をつなぐ>
 「本と人をつなぐ、本をとおして人と人をつなぐこと」を目的に、平成31年1月から活動を始めた。本を持ち寄り紹介し合う「紹介型読書会」や、本が交換できる「古本交換会」の開催、私設図書館ビブリオAAの運営、伊予市に住む人や関わる人・約100人がお薦め本を紹介する冊子『いよし百冊物語』『いよし百冊物語2』の発行が主な活動である。公民館や地域団体、小中学校などと連携し、伊予市内全域で本にまつわる活動を行っている。
福岡県福岡市早良区 こころふくよか  
<こころとからだを元気にする居場所づくり>
 主に次の活動に取り組んでいる。@「こころふくよかカフェ」は毎週火曜日・木曜日・第2・4金曜日15:00〜19:00に開催。社会につながっていない人たちへの居場所の提供、一日平均8名ほどが利用する。A「こころふくよか食堂」は毎月第2土曜日夕食会、第4日曜日昼食会を開催。希望により会食、お弁当受け取りを選べる。食品配付。上記@の対象者に加え、ひとり親家庭、生活困窮者が利用。1回80食を提供する。B「相談活動」は、不登校や就労困難なこども、若者やその家族からの相談への対応を行う。C「子ども、若者の活躍の場づくり」は、毎週水曜日13時30分〜15時に農作業体験を行う。農産物加工品づくり体験として、玉葱ソースや梅干しづくりなど。
福岡県福岡市早良区  脊振の自然を愛する会  
<脊振山系登山道整備事業と自然環境保全活動>
 2008年〜2013年の5年間 福岡市早良区役所と西南学院大学ワンダーフォーゲル部OBOGとで協働で脊振山系の登山道に道標と登山地図70箇所設置した。その活動を継承し2012年6月に脊振の自然を愛する会を設立。以後、山開きや清掃登山を行うなど登山者への安全登山啓蒙活動を行なってきた。またドコモ九州の協力をえてレスキューポイントを27ヶ所設置。追加で小型道標プレートも90ヶ所設置。行政や大学や関係機関を交え脊振サミットを行うなど、脊振山系の魅力発信に貢献している。
鹿児島県屋久島町および埼玉県狭山市  特定非営利活動法人こそだて支援comono 
<産前産後弁当宅配及び助産師訪問事業>
 埼玉県狭山市及び鹿児島県屋久島町の妊娠期から産後1年までの方または1歳までの赤ちゃんがいるご家族を対象に弁当宅配及び助産師訪問を行っている。午前中に注文を受け、その日の午後に子育て経験をもつメンバーが弁当を届ける。玄関先で顔を合わせての弁当手渡しにこだわり、立ち話でストレスや悩みを共有・共感すると共に、実体験を含めた子育て情報を提供して“孤立感”の解消を図っている。また、助産師訪問によって専門性の高い相談にも対応。共有・共感だけでは解決できない悩みや課題は、専門窓口に繋ぎアウトリーチの役割を果たしている。