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22年度の受賞団体概要
 独自の発想により全国各地で活発に展開されている地域づくり・くらしづくり・ひとづくりの活動に取り組んでいる地域活動団体等を表彰する、平成22年度あしたのまち・くらしづくり活動賞(主催・財団法人あしたの日本を創る協会、NHK、読売新聞東京本社など)の各賞が以下の通り決定しました。

■内閣総理大臣賞
鹿児島県薩摩川内市 峰山地区コミュニティ協議会
■内閣官房長官賞
鳥取県鳥取市 NPO法人いんしゅう鹿野まちづくり協議会
■総務大臣賞
大分県別府市 NPO法人大分人材育成・地域文化交流協会
■主催者賞
岩手県洋野町 大沢農村振興会
山形県川西町 東沢地区協働のまちづくり推進会議
東京都国立市 NPO法人くにたち富士見台人間環境キーステーション
長野県大町市 美麻地域づくり会議
兵庫県姫路市 NPO法人いえしま

また、振興奨励賞には31団体が選ばれました。今年度の応募総数は215編。
 それぞれの活動レポートを収録した「あしたのまち・くらしづくり2010」(定価1000円、送料340円)は2月下旬発行予定。
メール koho@ashita.or.jp
内閣総理大臣賞
コミュニティを生かした共生・協働のまちづくり
鹿児島県薩摩川内市 峰山地区コミュニティ協議会
 峰山地区は、人口減少や高齢化により、地域の活性化が大きな課題になり、「自治会連絡協議会」が自主的に振興計画を立てていた。さらに、平成16年の市町村合併に伴い、市が地区コミュニティ協議会制度を導入したことを機に、行政の協力も得て、「急がない=スローな手作り」を活動のモットーに、行政任せでない、住民自らが行動する共生・協働のまちづくりを加速させてきたことが評価された。
@まず、地域の魅力を創るために、「河川・野鳥」「農業振興」など専門部を設け、地区のシンボルの柳山の再生を図る計画に取り組んだ。平成18年に市有地を無償借地し、「柳山アグリランド作業準備委員会」を結成、重機の操作など専門技能を持った人も積極的に加入、作業には様々な人たちがボランティアとして参加した。市の提案公募型補助金事業助成なども活用し、手づくりの自然観光公園化を、現在も続けている。
 開園後は四季折々の花が咲き、ハイキングコースなどが整備されたことから、地区内外から多くの人が訪れるようになり、平成23年に鹿児島県で開催される「全国都市緑化かごしまフェア」の地方協賛会場に県から選定されている。
 再生活動には、子どもたちもボランティアとして多く参加したことにより、柳山に関心を持つようになり、中学校の文化祭では、将来像について発表している。
A平成19年からは、柳山にオリジナル焼酎、焼き芋用のサツマイモを栽培している。特に、焼酎「柳山高柳」は、ラベルに中学生が作成した絵を原案に作成、平成22年度は1升ビン約4500本を販売している。
 平成21年にはレストラン「柳山」を開店、地元農産物を食材に弁当を来園者に提供しているほか、販売も行なっている。このほかにも、切花栽培などにも取り組んでいる。
B地元河川の川辺が国土交通省から「水辺の楽校」(子どもたちが川に親しむ場)に指定されたことから、ここを利用し、地区民の出演により、「星空のコンサート」を開いている。コンサートは、地区外からも作曲や歌唱指導など協力してくれる人や観客もあり、文化活動を通じた地区内外の人たちの交流の場となっている。
 地区内の史跡も、地域の魅力作りに積極的にいかし、啓蒙活動だけでなく、パンフレットの作成、史跡めぐりなどを実施しているほか、祭の継承にも取り組んでいる。
 また、毎年カラフトわしが渡ってくる自然もあり、環境保全にも力を入れている。
C平成19年、高齢化に対応する「高江地区資源保全組合」を設立、農業者だけでなく非農業者が協力、ボランティアで、農地保全に取り組み、農道舗装や用水路補修を行ない、休耕田の解消に取り組み、300ヘクタールの水田を保全・活用するなど成果を上げている。
内閣官房長官賞
いんしゅう鹿野のまちづくり
鳥取県鳥取市 NPO法人いんしゅう鹿野まちづくり協議会
 鳥取市鹿野町では「鹿野祭りの似合うまち」をテーマに、平成6年から行政と住民が協働で景観まちづくりに取り組んできた。そんな中、同協議会の母体のひとつとなる「セクションドリーム」のメンバーが、平成12年鳥取県が主催した「鳥取県街なみ整備コンテスト」に応募した。「いんしゅう鹿野童里夢(ドリーム)計画」と名付けられたその提案は、見事最優秀賞を射止めた。このことがきっかけとなり、平成13年10月、地域づくりを目指して活動組織「いんしゅう鹿野まちづくり協議会」が地元有志により発足した。町並みを活かして藍染め暖簾や屋号瓦など軒下演出や「いんしゅう鹿野盆踊り」、「虚無僧行脚」など賑わいイベントの開催、空き家になった古民家を活用して拠点施設「夢本陣」や食事処「夢こみち」を整備・運営を行なっている。
 平成20年度の年間事業費を見るとなんと約2500万円。今年度は、半期で「ゆめ本陣」の売り上げが600万円を超えていることから、3000万円を見込んでいるという。しかし同協議会は行政からの助成金はなく、また、会員の会費のみによる運営でもなく、まさにコミュニティビジネスを主とした自立した活動である点も特徴である。
 上記のほか、フォーラム等の開催も行なっており、特に平成21年、22年と開催した「まちづくり合宿」では、全国のまちづくりを学び、鹿野の課題を確認し、ゲストとともに鹿野のまちづくりのあり方を考える機会としている。
 いわゆる行政主導のハード整備事業が行なわれている地域では、整備した施設の運営をさらに行政が予算を確保して進めていくことが多い中、同協議会は、自ら応募して整備した施設を含め、現在、5施設を運営(経営)し、地域に雇用を生み出している。また、長年にわたる「軒下演出」という取り組みで、地域住民の多くが参加を促し、先進地視察で他地区の取り組み事例を見聞して、そのしくみ、事業ノウハウを学び、鹿野の旧城下町の地域住民気質にあった形に応用し、取り込めているといった点が評価された。
 行政主導のハードのまちづくりが、地元の有志の夢「ドリーム」を生み、協議会発足につながり、町並みを活かしての藍染め暖簾や屋号瓦など「軒下演出」で地区住民が多く参加できる活動に発展。平成20年度に鳥取大学で研究された世界の蓮の株は、夏の軒下を彩り、今度は乾燥させて、粉末にして販売することが試みられ、ひとつのきっかけから新たな展開を生み出す発想力も評価された。
総務大臣賞
世代と国境を越えた女たちの人づくり、モノづくり、夢づくり
大分県別府市 NPO法人大分人材育成・地域文化交流協会
 1990年代に大分県下で展開された一村一品運動の中から生まれた「一村一品女にまかせろ100人会」(1994年結成)が前身。2004年にNPO法人となり、国際交流など活動の広がりに対応して2005年に「大分人材育成・地域文化交流協会」に名称を変える。
 メンバーは、大分県下の農山漁村で味噌やカリントウなどモノづくりに取り組む女性たちを初め、町の製造業の女性、旅館の女将、人形つくりや民謡の先生、太鼓をたたく女性と、様々な女性たちで、みんな家業やまちづくりの主役たち。
 活動は、農山漁村における1・5次的モノづくりによる都市との交流、異業種交流、中国その他海外との交流を経て、現在では中国の人材育成研修事業受け入れ機関の認定を受けて研修事業に乗り出したり、アジア6カ国女性会議を開催したり、アジアの次世代を担う留学生支援室を開設するなど活発に活動を展開している。
 日本大分・中国甘粛省文化交流公演は2003年から4回開催したほか、アジア各国を訪問し、農村振興で村の女性たちと交流を展開、なかでも中国とは頻繁に交流を行ない、甘粛省、陝西省での植林活動、女性活動交流会、子女教育費支援活動や文化交流活動等を行なう。
 こうした活動が認められ、2005年に「中国政府国家外国専家局」から中国人材育成受入研修機関の認定を受け、2009年までに58団体を受け入れる。研修内容も「一村一品運動の理論と実際」「農業、新農村開発と技術」「農業の試験、研究機関と人材育成」「自然エネルギーの活用と環境保全」など、年々研修の領域が拡大し、研修の方法も講義だけでなく体験や実地指導が加わる。メンバーが役割分担してこれに当たり、中国の人材育成研修を受け入れることによって、メンバーの人材育成の場にもなっている。
 2010年3月に大分市で開催した「2010輝く女性交流大会イン大分―アジア6カ国女性会議―」は、中国、モンゴル、韓国、タイ、ベトナムの女性12人を含め約800人が参加した。また、大分県には留学生が多いことから@留学生との交流、A留学生支援室を開設して相談活動を行なう。
 こうした農村振興の実績とそれを生かした国際交流や人材育成研修の受け入れなどの発展的な活動と活動力が評価された。
主催者賞
理想の農村「アグリの里」の建設を目指して
岩手県洋野町 大沢農村振興会
 昭和40年代、生計の中心が炭焼きから出稼ぎに変わり、それに伴い世帯数が激減、地域住民も地域の生活に自信が持てなくなり、連帯意識がなくなっていた。これを憂慮した青年たちが地域再興を訴え自治会を結成、話し合いを行ない、個別完結型農業を見直し、共同育苗などむらぐるみによる合理的農業を推進する必要性を確認、農作業の稲作事業の一貫受託体制を確立した。これを機に、次々に、以下の取り組みが展開して、成果を挙げてきたことが評価された。
@昭和52年に地域活動の核として地区公民館を建設。公民館はレクレーションなどに活用されるだけでなく、地域活性化に向けての話し合いの場となった。その結果、昭和59年に全戸加入で「大沢農村振興会」が結成された。さらに、高齢化、休耕田対策として、農機具の共同利用、水田耕作の受託を行なう「農業機械銀行」を設立している。
A同時に高収益農業を目指して換金作目の導入のはかり、農業振興会で農地を借り受け、雨よけのためのパイプハウスを利用した、地域の気候と都市部で夏場品薄になるほうれん草栽培に取り組んだ。さらに、パイプハウスを増設し、収穫体験者受け入れのために、果菜類や花卉栽培も進めている。また、町が地区内に建設したふるさと交流館「アグリパークおおさわ」に提供するために、根菜類も栽培するようになった。
 昭和60年には、農産物に付加価値をつけるために、農産物加工施設も作り、豆腐や手打ちそばの製造を行ない、地元販売に加え、町主催行事へ出店などにより、誰でも収益事業を出来るという意識改革に大きな役割を果たした。
B町が宿泊や大浴場、レストランなどを備えた交流促進の拠点として地域に建設した「アグリパークおおさわ」は、平成10年、農村振興会が業務の指定管理者となり、その運営を引き受けている。地域住民の雇用、地元商店からの食料品の購入、農産物の利用など、地元還元も積極的に行ないながら、独立採算で運営を行なっている。民間の施設に負けないサービスもあって、年間約15万万人が利用、委託後は、他の第3セクターの施設に見られるような町の財政援助を受けることなく、営業を続けてきている。
C地元産業の活性化による地域への刺激は、地域住民の文化や自然に対する関心も高め、また、他の地域との交流に積極的に取り組むことにもつながった。サマーフェスティバルは、これまで地域になかった地域住民総出のイベントとして、年々大きくなり、当初の目的である地区出身者の交流の場だけでなく、他地区からも多くの人が訪れることになった。親水公園など環境整備も行なわれ、住民だけでなくアグリパークの宿泊客も、自然の豊かさを感じられる地域になっている。
主催者賞
山村留学から生まれた交流を柱とした協働のまちづくり活動
山形県川西町 東沢地区協働のまちづくり推進会議
 平成8年度に東沢地区地域づくり推進協議会を設立。「歴史伝統文化を大切にし、都市と農村の交流による地域活性化」を目的として10ヵ年の地域目標を掲げた「東沢地域整備計画」を策定し、地域づくり活動を行なってきた。さらに、平成18年度には東沢地区協働のまちづくり推進会議を設立。「農業の振興と所得の拡大」「安心安全な暮らし」「人づくりと交流」の三つの柱を掲げた5ヵ年の「地区計画」を策定し、協働による地域づくり活動に取り組んでいる。
 その柱となっているのが、平成3年から継続している東京都町田市の小学生を対象とした山村留学であり、その交流から首都圏のおにぎり専門店に特別栽培米コシヒカリの納入が実現するなど、活発な地域づくりが行なわれている。
 また、「夢里創造研究所」をシンクタンクと位置づけ、地域の頭脳・企画集団として活用している。同研究所は農産物の生産企画、販売計画、地域振興を総合プロデュースするのが役割で、推進会議から諮問を受け、答申するほか、独自の提案も行なうなどして同会議と連携している。また、全戸配布の「ゆめり通信」を発行するなど、地域情報の発信、共有にも貢献している。
 これらの活動を通じて、次の点が評価された。
○山村留学を地域づくりに生かしている
 山村留学児童の受け入れは、全戸が山村留学協力会に加入するなど地域あげてのバックアップもあって20年にわたって続けられてきた。地元小学校の複式学級化の解消がそもそもの狙いだったが、継続によって児童間だけでなく大人同士の交流も生まれ、さらにコメの販売ルート開拓に結びつくなど、様々な形で地域の活力につながっている。
○地域づくりの諸事業に多くの人が関わっている
 東沢地区は187戸、670人が住む中山間地域で、コメ作りが主体。地域を維持、存続させるための諸課題に、地域をあげて取り組んでおり、そのための体制も、活動に重複が出ないように、また、役職の負担が重くならないように、さらに組織と会計の一元化という視点で整理、構築されている。住民の多くが各部会のメンバーになっており、一人ひとりが役割を担うことで、責任の自覚、さらに地域における自らの居場所の確認にもつながっている。今年度行なわれる地区計画の見直し作業では、計画策定委員会青年部会の一環として、地域づくりワークショップを3回、開催し、地域の若手らが10年後を見据えた実践プログラムをまとめるなど、年代的にも幅広い層が参加している。
○地域づくりの取り組みは体系的に行なわれている
 「農業の振興と所得の拡大」「安心、安全な暮らし」「人づくりと交流」の三つの柱からなる5ヵ年の地区計画を2006年に策定、地域づくりの目標としている。それぞれの目標に沿った主要事業については、具体的なプログラムを設定し、実施しているほか、それぞれの取り組みについて毎年、検証、評価する仕組みも導入している。検証作業では、目標の達成度をA〜Eの5段階で評価、結果を翌年度の取り組みに反映させるなどし、着実に成果を積み上げている。
主催者賞
コミュニティビジネスによる商店街活性化、地域活性化
東京都国立市 NPO法人くにたち富士見台人間環境キーステーション
 国立市富士見台団地の商店街において、商店主、市民、一橋大学生が連携して、空き店舗を利用したコミュニティビジネスを展開している。
 2001年、国立市産業振興課の声かけで、地域資源(一橋大学)を活かし、商店会、商工会、国立市民が参加した富士見台1丁目の商店街活性化を考える研究会「国立プロジェクト研究会」がはじまった。協議の結果、商店街空き店舗を活用し、運営は学生主体とする、コミュニティカフェやカルチャー教室を開くことに決定。参加者は、商店会、国立市、商工会、大学教授、市民、学生から構成する、「くにたち富士見台人間環境キーステーション」を2003年3月に設立した。
 その後、2003年7月には事務局「KFセンター」、2003年8月にはコミュニティカフェ「CAFEここたの」、2004年2月には多目的ホール「KFまちかどホール」、2005年には「とれたの」をそれぞれオープン。商店街に連続する四つの空き店舗が、木の風合いを活かしたきれいなお店に生まれ変わった。2006年にNPO法人格を取得。主な活動は次の通り。
@コミュニティカフェ「CAFEここたの」の運営
 一橋大学の学生サークルが中心となって運営する、空き店舗を利用したカフェ。店名の由来は「ここに来るとたのしい」。地域住民の趣味の発表の場ともなっている。
A地場野菜と地域の加工食品の店「とれたの」の運営
 地元国立市内の野菜と、多摩地域の名産品を扱う。地元の農家を一軒一軒まわって野菜を仕入れている。地元農家と連携して特産品も独自に開発。
B貸しホール「まちかどホール」の運営
C商店街や自治会との連携
 商店街や自治会が開催するお祭りのお手伝いや、学生がナイトバザールやグリーンフェスタなどを企画・開催し、地域住民への商店街のPRともなっている。
 これらの活動について次の点が評価された。
○若い世代、特に一橋大学の学生が、同大学の教授らも巻き込みつつ、主体的、積極的に活動の中心的役割を果たし、産、官、学、民の協働体制がうまくできている。
○テーマごとに委員会制を設け、うまく分担して業務が回っている。
○理事会、定例会など、毎月定期的に会議を行ない、常にフィードバックが行なわれている。
○商店街の空き店舗を、ボランティアの方々により内装なども含め、非常にモダンに改装し、「ここたの(カフェ)」、「とれたの(農産物を中心とする食品販売店)」、「KFまちかどホール(様々な用途に使えるイベントスペース)」の三つのスペースとして、再生し、一定の賑わいをもたらしている。
○「とれたの」では、地元農家の産品をリーズナブルな価格で販売。また「ほうれん草うどん」など地元の農産物を活かした商品開発も行ない、これらの売上は収益にも貢献。
○一橋大学教授等による「まちかどゼミナール」も開催し、経済的、学術的な啓発事業も展開。
○「やっほー」という季刊の小冊子を、発行:3商店街、企画:くにたち富士見台人間環境キーステーション、制作:大学生、という形で無料配布しており、広報活動にも力を入れている。
○三つの空き店舗を見事に再生し、地域の賑わいの核にしている取り組みは、同会の活動が十分な成果を発揮しているものと言える。
主催者賞
住民自治で行こう!―住民自治による市町村合併後の地域経営の取り組み―
長野県大町市 美麻地域づくり会議
〇平成の合併で、近隣の大町市、八坂村との合併協議が進む中、「今の状態で合併すれば地域が消滅する」との危機感から住民有志が、合併後の地域自治組織の提案を行なった。
〇「何をすれば良いのか」をテーマに20回を超える会議を開催し、村が行なっていた地域経営を引き継ぎ、「住民自治で行こう」を合言葉に、合併4か月後の平成18年5月に同会議が発足した。
〇会議の組織体制
 地区内の各種団体41団体(自治会、地区社協、老人クラブ、PTA、各種スポーツクラブや趣味の会、国際交流団体等)と個人会員で構成されている。
〇活動内容
 「ズクだそうぜ―面倒なことにあえて挑戦しよう!」の合言葉のもと、
・村のホームページを復活させ、村外の人たちとの交流、自由に書き込みができるなどの方式を導入し、情報発信と受信の場として提供している。
・地域資源発掘ワークショップ「地域の宝は何ですか?」を開催、そこで出された森林資源の活用を考える薪バス運行や地域に眠る宝を探しだす「美麻トレジャーハイク」の開催など。
・地域コミュニケーションブックの発行―地域内の交流に役立てもらう目的での住民の住所録。
・村の時代に実施していた滞在型市民農園の指定管理を受託し、収入源をはかるとともに都市住民との交流をはかる、など
〇団体の評価
・同会議の活動の中心は、広報誌の発行やホームページの運営などの広報活動が中心で、同会議に参加している地縁団体やテーマ型の各種団体が、それぞれの活動を維持しながら、それらの団体同士、ボランティア個人との緩やかな結節の役割を当会議が果たしている。いわば同会議は、各団体を統治すのではなく、他と同列で、プレイヤーであると同時に、地域全体を展望しつつ、適切な情報を提供したり、司令塔の役割を果たしている。
・これを具体的に言えば「地域の宝」発見では、学校教育との連携、その成果の住民祭りで紹介、さらにCATVを活用した番組制作と、活動の連結、波及―「見える化・有機的連携」が図られている。
主催者賞
「特産品づくり」からはじめた「島づくり」
兵庫県姫路市 NPO法人いえしま
 瀬戸内海に浮かぶ家島、人口は家島本島、坊勢島、男鹿島、西島の4島合わせて約7000人。家島は、これまで採石業、海運業、漁業に支えられて発展してきたが、景気後退や公共事業の縮減に伴い、採石・海運業が停滞し始め、島の経済に大きな影響を与えている。また、2006年には姫路市と合併したことにより、町役場がなくなり、元気がなくなった家島を元気にしようと、地元の主婦たちが立ち上がり、2006年に結成したのが「NPO法人いえしま」(メンバー16人)。
 家島町のまちづくりに関わってきた大学研究者を初めとする都市の支援者たちと協働して、家島をPRする活動を積極的に行なっている。そのひとつに漁業と連携した特産品づくりがある。地元で取れる海産物を材料に、何度も試作を繰り返しながら少しずつ特産品の開発を続け、現在20種類近くの商品を開発した。初めは島内のお店や地域のイベントで販売を始めたが、現在では姫路や大阪などの近隣地域だけでなく、東京などで開催される即売会でも販売を行なっている。FAXやインターネットでも買えるようにした。
 特産品づくりに三つのこだわりがある。一つは、大漁時の魚や規格外の海産物の有効利用で、看板商品である海苔の佃煮「のりっこ」は、海苔工場から商品として出荷できない「やぶれ」の海苔を分けていただき生産している。二つ目は、「生産者本位の販売」で、大量生産大量販売ではなく「作れた分だけ売る」という販売方法を行なっている。三つ目は、特産品を通じた家島のPR。特産品を販売する際に、家島の情報もあわせて発信することで、島のPRを図っている。
 特産品販売を通じて関係ができた大阪の千里ニュータウンとの相互交流も始めるほか、家島の魅力をより多くの人に知ってもらうために、島外の人を招いたモニターツアーや、空き家を活用したゲストハウスプロジェクトも手掛ける一方、高齢者の送迎支援や地域新聞の発行(年4回)などを行なう。
 こうした島づくりに共鳴した都市の支援者たちの協力を得ながら、協働して特産品の生産販売に取り組む主婦たちの元気な活動が評価された。
振興奨励賞
北海道 弟子屈ユニバーサルデザインプラザ  住んでも来ても楽しいユニバーサルな観光地づくり
宮城県 宮城県一迫商業高等学校 商業研究部 地域活性化プロジェクトチーム  地域の魅力を高校生が伝えます―地域活性化プロジェクトによる地域興しの軌跡―
宮城県 あじ朗志組  限界集落が取り組む虐待で苦しんだ子どもたちの「心のふるさとづくり」
茨城県 坂下地区みなみ号運営委員会  地域でつくるみなみ号で地域の交流を
栃木県 明治コミュニティ推進協議会  新旧住民の融和をはかる地域づくり
栃木県 まろにえ21  商店街の力を集めて「止まり木のようなチャレンジショップ」でまちおこし
栃木県 NPO法人まごの手  お互いさまの気持ちで助け合い活動―共生のある地域社会―
群馬県 宮田ほたるの里を守る会  もう遅い、いや、まだこれからさ! ホタルより学ぶ環境。そして地域のきずな
群馬県 弁天通青年会  「駄菓子屋」が紡ぐ子どもと地域のコミュニティ
埼玉県 川口市プレイリーダー協議会  「アドベンチャープレイパーク事業」と「昔あそびの出前授業」を通しての子どもの健全育成事業の実施
埼玉県 和光市コミュニティ協議会  地元のおじちゃん・おばちゃんがつくるコミュニティ活動
千葉県 常盤平団地自治会  常盤平団地における「地域づくり」
東京都 東田端まちづくり協議会  【鉄道のまち】を合言葉に、そこに暮らし、勤め、学び、そして訪れる人がともに考えるまちづくりを実現します
東京都 NPO法人Green Works  チャリティーハーブガーデンプロジェクト
東京都 ほっと村  食育を通しての地域づくり―都会でむらづくり―
神奈川県 NPO法人楽竹会  高齢者が取り組む住み良い地域づくり・くらしづくり・ひとづくり活動
神奈川県 さかえ地域通貨プロジェクト・イタッチ  地域通貨を活用した地域のまちづくり
新潟県 まっと活性化委員会  おいしい田舎まっしぐら【食農まちづくり】
新潟県 NPO法人多世代交流館になニーナ  子育て世代を中心としたメンバーによる震災からの心の復興
富山県 三日市大町商店街振興組合  買い物の場から生まれるコミュニティづくり  
岐阜県 各務原市生活学校  身近な地域活動
岐阜県 芥見東自治会連合会  「高齢者の足」を確保し、「活動の見える化」を図った
三重県 石榑の里共育委員会  地域と学校の交流と協働により子どもを守り育てる
大阪府 NPO法人ふれあいネットひらかた  商店街の空き店舗を活用し、子どもの食育を支える地域ネットワークづくり
大阪府 NPO法人南河内こどもステーション  こどもまつりで地域パワーアッププロジェクト
兵庫県 北須磨団地自治会  地域のみんなで親林と親農の場づくり
兵庫県 八千代蛍の宿路の会   人・地域を動かす―蛍を通した地域経営戦略―
鳥取県 NPO法人くらしのお手伝いよねさと  地域を支える―高齢者の暮らしの中の困りごとを解決―
岡山県 NPO法人はっぴいひろば とまとさん家  支えられたり支えたり“はっぴいひろばとまとさん家”のまちづくり人づくり
広島県 NPO法人あいあいねっと・フードバンク広島  フードバンクシステムを活用した地域支援活動
福岡県 春日ダンボールコンポストの会  ごみ減量と堆肥化したものの利用を―市民に技術と手法を広げる―